研究部門からビジネス部門の教育部へ異動し、オンコロジーMRの教育担当者として約6年間勤務しました。
私たちの業務はMRの基本となる製品知識、疾患など、教育全般を行うことです。第一線で活動するMRが専門知識を習得し、身につけた知識をわかりやすく医療関係者に伝えることができるようになることが、医療とその先にいる患者さんへの貢献であると信じて業務にあたりました。
2020年4月からは、現在の日本オンコロジー事業部、教育部の部長として、チームメンバーと業務に取り組んでいます。マネジャーとしては、より良い教育を提供するためのチーム運営として2つのことを大切にしています。1つ目はそれぞれの専門性やバックグランドに合った人材配置です。背景の異なったチームメンバーそれぞれの強みを生かし、弱みをサポートしながら業務ができる体制を整えています。例えば、研究出身の教育担当者は疾患、製品の専門知識を活かして教育プランの立案や資材作成を担当します。一方、MR経験がある教育担当者は立案された教育プランを医療関係者のニーズに沿って情報提供できるように、実際のMRトレーニングを担当します。メンバーそれぞれが専門性を生かし、互いに連携することで効率よく業務ができる仕組みづくりをしています。2つ目はチームメンバーの自主性を尊重することです。組織を活性化させるためには、個々のメンバーがリーダーシップを持って考え、行動することが重要です。自ら手を上げて何かに挑戦しようとするメンバーにはできる限りその気持ちを尊重し、担当外の仕事や少しハードルの高い業務でもチャレンジする機会を提供します。メンバーの経験値が上がり、成長することで、チームのボトムアップにも繋がると信じています。
私は「克己」という言葉を大切にしています。「克己」とは己の欲望や邪念を抑え、強い気持ちで物事に向き合うことです。
研究部門から教育部に異動した際も、日々新しいチャレンジの連続で仕事が思うとおりにいかずに自分に負けそうになった時もありましたが、その瞬間にも薬を待ち望んでいる患者さんがいることを想像し、「克己心」をもって目の前の仕事に全力で取り組んできました。タケダにも従業員が大切にする「タケダイズム」があり、誠実すなわち、公正・正直・不屈の精神で支えられている価値観です。今年でタケダは創業240周年を迎えました。その間にビジネスは大きく成長し、変化してきましたが、この価値観はずっと変わらずに受け継がれているものです。道しるべがあることで、私たちはどういう存在なのか、何をどう成し遂げていくか、そしてなぜそれが大切なのかを確認することができ、皆が光を見失わずに前に進んでいけることがタケダの強みだと思います。
現在COVID禍においてはデジタルを駆使した完全オンラインの条件下で、実践的かつ効率的な教育を展開しています。また今後は、受け継がれてきたタケダの変わらない「誠実で患者さん中心」という価値観を大切にしつつ、AIによるディテーリングスキルや集積したデータの解析など、新しい取り組みにもチャレンジし、製薬業界におけるタケダオンコロジーのプレゼンスの向上と教育部の立場からタケダの医薬品、未来のパイプラインを一人でも多くの患者さんに届けられるよう取り組んでいきます。
♯プロフィール
引地 由紀子
日本オンコロジー事業部 教育部長
大学院を卒業後、タケダへ新卒で入社。研究者として計19年間、中枢神経系(以下、CNS)およびオンコロジー領域の創薬研究業務に従事。2009年より約1年間、武田サンディエゴ社(現:武田カリフォルニア社)でがん創薬プロジェクトを担当。2014年に当時の医薬営業本部に社内公募で異動し、約6年間オンコロジーの学術教育業務に従事。2016年に筑波大学大学院博士後期課程に入学し、2017年に博士号(生物科学)を取得。2020年4月より、日本オンコロジー事業部、教育部長としてMRの教育全般を統括している。