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各研究の概要

(1)創薬ターゲットの探索研究 ー新しい創薬への挑戦ー
(2)ヒット化合物の探索研究
(3)創薬化学研究
(4)薬効薬理研究
(5)薬物動態研究
(6)薬剤安全性研究


(1)創薬ターゲットの探索研究 ー新しい創薬への挑戦ー 

タケダでは、研究の現場においても、常に患者さんを中心に考え、イノベーションに立脚した画期的な新薬の創出を目指しています。創薬に関連する技術革新のスピードはますます加速しており、治療薬の候補(モダリティ)も低分子に限らず、高分子、核酸や細胞製品までと幅広くなっています。タケダは積極的なパートナーシップを通じて、外部の優れたサイエンス・テクノロジー・リソースにアクセスしており、例えばヒトiPS細胞を用いたフェノタイプスクリーニングやビッグデータ解析、AIを活用した解析による新規創薬ターゲットの発見に取り組んでいます。患者さんの治療に貢献する新たな治療選択肢を提供し続けられるよう、核酸医薬の創薬や再生医療といった、ニューモダリティの創薬研究も積極的に進めています。


(2)ヒット化合物の探索研究

見出された新規創薬ターゲットに応じて、新薬の可能性を秘めたヒット化合物を精度高く選別します。高度な技術や装置を駆使して構築された大規模化合物ライブラリーを用いたハイスループットスクリーニングの実施や、蛋白質X線構造解析技術やコンピューターケミストリーを導入して、構造生物学やケモインフォマティクスに基づく最適化研究によるリード化合物の創製にも取り組んでいます。


(3)創薬化学研究

外部の新しい技術も積極的に活用しながら、化学構造と薬理作用の関係を分子レベルで詳しく調べ、標的となる酵素や受容体と相互作用を持つものの中から医薬品の芽となる化合物を見出しています。さらに、各研究部門と緊密に連携し、薬効、物性、薬物動態、安全性などに優れたプロファイルを有する医薬品候補化合物へと最適化することに力を注いでいます。


(4)薬効薬理研究

スクリーニングで選び出された化合物の評価において、臨床での有効性をより良く反映する、ヒトでの病態を科学的に反映した疾患モデルの確立は、重要な要素です。iPS細胞、より複雑な立体組織構造をもつオルガノイドを用いた疾患モデルを活用するなど、様々なバックグラウンドを持つ研究者が、革新的な新薬発見への道を開くべく協力しています。また、医薬品が有効に効く患者の層別化も重要な課題となっており、バイオマーカーの探索に関連する研究も並行して行われています。


(5)薬物動態研究

薬はもともと生体にとって異物です。この異物の体内への侵入を防ぐ為に、生体には吸収・分布・代謝・排泄過程において巧妙な防御機構が備わっています。一方、生体が薬を必要な物質と見誤り、積極的に取り込んでしまう場合もあります。生体に投与された薬のこのような複雑な挙動を観測し、どのような機構が働いているのかを検討しています。必要な患者さんに、必要な時間、必要なだけ、治療効果のある安全な薬を多くの候補化合物の中から見出し開発する過程において、薬物動態研究は大きな役割を果たしています。 近年のモダリティの多様化にも最新の技術と知見をもって逸早く対応し、また、これまで培ってきた高度な分析・解析技術をバイオマーカーの測定やモデリング&シミュレーションに応用し、医薬品の有効性と安全性の確保に貢献しています。


(6)薬剤安全性研究

新しい医薬品の候補化合物は、人類にとって初めて遭遇する物質であるため、投与する際には厳正、慎重な安全性評価が要求されます。薬剤安全性研究部門では、動物、細胞あるいは細菌を用いて、また近年ではiPS細胞の使用を含む高度な試験系により、候補化合物の安全性プロファイルを明らかにすることを通じて、優れた医薬品開発に向けた研究の一端を担っています。また、その研究は、ヒトでの投与量、臨床研究で確認すべき安全性バイオマーカーの選定を含めて、臨床開発段階の活動に密接に関与しており、更に細胞治療等の新たな治療領域にも拡大しています。