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前治療歴を有する転移性の大腸がんに対するフルキンチニブの日本における製造販売承認申請について

2023年9月29日


当社は、このたび、前治療歴を有する転移性大腸がん(以下、「mCRC」) に対する治療薬として、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対して選択性を有する経口のチロシンキナーゼ阻害薬フルキンチニブについて、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。

今回の製造販売承認申請は、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験および中国で実施された海外第3相であるFRESCO試験に基づくものです。FRESCO-2試験およびFRESCO試験は、前治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、フルキンチニブ+最良の支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討した試験になります。いずれの試験においても全生存期間(OS)、および無増悪生存期間(PFS)において、統計的に有意かつ臨床的に意義のある延長が認められました。また、フルキンチニブの忍容性は良好であることが示されました。

当社のグローバル メディカル アフェアーズ オンコロジーのヘッドであるAwny Farajallah, M.D.は、「日本における大腸がんの罹患率は男女合わせて1位、その死亡数は2位と年々増え続けており1、新たな治療オプションが待ち望まれています。欧米での申請に続き、日本においても、フルキンチニブの製造販売承認申請を通して、疾患に苦しむ患者さんに、この革新的な治療薬をお届けするための新たな一歩を踏み出せたことを嬉しく思います」と述べています。

2023年5月、米国食品医薬品局(FDA)はフルキンチニブを新薬承認申請の優先審査に指定しました。なお、FDAが設定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2023年11月30日です。また、2023年6月には、欧州医薬品庁(EMA)への製造販売承認申請(MAA)が受理されています。

当社は、中国以外での全世界を対象としたフルキンチニブの更なる開発、商業化、製造に関する独占的ライセンスを有しています。なお、フルキンチニブは、中国ではHUTCHMED(China)Limitedが開発・販売しています。


<フルキンチニブについて>

フルキンチニブは、VEGFR1/2/3に対する選択性を有する経口阻害薬です。VEGFR阻害は腫瘍血管新生阻害において極めて重要な役割を果たします。フルキンチニブは、標的以外の阻害を最小限に抑えることにより、キナーゼ選択性を向上させ、忍容性を改善するように設計されました。これまでのところ、フルキンチニブの忍容性は良好であることが示されています。


<FRESCO-2試験について>

FRESCO-2試験は、標準的な前治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、フルキンチニブ+BSC群とプラセボ+BSC群を比較検討した、国際共同第3相試験です。本試験は、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施されました。これまでに発表したとおり、標準的な化学療法および生物学的製剤の投与後に進行し、かつTAS-102および/またはレゴラフェニブの投与後に進行または不耐であったmCRC患者さん691例を対象とした試験で、主要評価項目であるOSにおいて統計学的に有意な延長が認められました。重要な副次評価項目であるPFSにおいても統計学的に有意な延長が認められています。これまでのところ、フルキンチニブは良好な忍容性を示しています。本試験の結果は2022年9月のESMOで発表され、その後Lancet誌に掲載されました2,3。さらに詳細な試験の内容については、clinicaltrials.govをご確認ください(識別番号:NCT04322539)。


<CRCについて>

CRCは、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、CRCは世界で3番目に多いがんであり、2020年には935,000人以上が死亡したと推定されています4。米国では、2023年に153,000人がCRCと診断され、53,000人がCRCにより死亡すると推定されています5。欧州では、2020年にCRCは2番目に多いがんであり、約520,000人が新たに診断され、245,000人が死亡したと推定されています。日本では、CRCは最も多いがんであり、2019年の新規症例数は156,000人、死亡例数は68,000人と推定されています1。早期のCRCは外科的切除が可能ですが、mCRCは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域です。



英語版プレスリリースはこちら
Please find the English press release from here



<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK) は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。


<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。


<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。


以上


1 国立がん研究センターがん情報サービス「がんの統計2023」 https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2023.pdf
2 Dasari NA, et al. LBA25 – FRESCO-2: A global phase 3 multiregional clinical trial (MRCT) evaluating the efficacy and safety of fruquintinib in patients with refractory metastatic colorectal cancer. Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. doi: 10.1016/annonc/annonc1089.
3 Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study [published online ahead of print, 2023 Jun 15]. Lancet. 2023. DOI: 10.1016/S0140-6736(23)00772-9.
4 Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
5 Siegel RL, et al. Colorectal cancer statistics, 2023 [published online ahead of print, 2023 Mar 1]. CA Cancer J Clin. 2023; 73(3):233-254. doi:10.3322/caac.21772.