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炎症性腸疾患(IBD)を有するアスリートの“食べたい”を叶える夢のレシピの考案について

2023年3月20日
- 医療を学ぶ学生と共にIBD患者さんに寄り添う取り組みを4年連続で実施
- イベント参加学生は患者さんの気持ちを理解するシミュレーションプログラム「In Their Shoes」を体験
- 考案レシピ「IBDreamめし」は5月19日の世界IBDデーに公表予定


当社は、3月18日(土)、多くの炎症性腸疾患(以下、「IBD:Inflammatory Bowel Disease」)患者さんの悩みの一つである食事について、医療系学生と共に、IBDを有するアスリートの“食べたい”を叶える夢のレシピである「IBDreamめし」を考案するオンラインイベントを開催しましたので、お知らせします。

IBDは腸を中心とする消化管粘膜に炎症が生じる疾患で、主に10代~20代で多く発症することが知られています\[i]。患者さんの多くは、頻回の下痢や血便、腹痛、発熱、さらには慢性疲労に悩まされながら日常生活を送っています。当社がIBD患者さんに実施したアンケートでは、脂質制限の必要性や、食べるものが限られてしまうなど、食事においても悩みを抱えていることが分かっています。一方で、IBDは、症状が見た目には分かりづらく、また患者さんがどのようなことで困っているのか周囲の方に伝わりにくい疾患です。

当社は、2020年よりIBDの好発年齢層である20代の医療系学生とともにイベントを毎年実施しています。参加学生には、患者さんの気持ちを理解するためのシミュレーションプログラムである[「In Their Shoes](https://ibd-intheirshoes.jp/about/)」を体験いただき、患者さんの食べたい気持ちに応える夢の[レシピ](https://www.ibdstation.jp/ibd-intheirshoes/workshop/recipe-collection/)や患者さんの気持ちを代弁する[ポスター](https://www.ibdstation.jp/ibd-intheirshoes/workshop/poster/)を考案いただいています。過去のイベントはこちら(2020年2021年2022年)からご覧になれます。

4回目となる今年も、IFMSA-Japan(国際医学生連盟 日本)、APS-Japan(一般社団法人日本薬学生連盟)、(栄養学生団体【N】に所属する16名の学生と共にレシピを考案しました。IBDの好発年齢層である20代の学生は、運動をしていたりスポーツに関心を持っていたりする方も多いため、今回はIBDを有するアスリートに寄り添った取り組みとするべく、事前に10名のIBDを有するアスリートにご協力いただいたうえで、アスリートの要素を取り入れたIBDreamめしの開発を行いました。


参加した学生からは、「In Their Shoesを体験して、IBD患者さんはトイレが多いなどの悩みに加えて、対人関係などに精神的な苦痛を及ぼす可能性がることを学んだ」、「社会全体がIBDという疾患への理解を深めた上で、IBD患者さんがご自身の状態を伝えやすい環境を作っていく必要があると感じた」といったコメントが寄せられました。今回考案されたレシピは、エームサービス株式会社および管理栄養士の監修を受け、本年5月19日の世界IBDデーに当社疾患啓発サイトを通じて公表予定です。

今後も当社は、IBDの患者さんが直面している課題や悩みを発信し、患者さんやそのご家族がより暮らしやすい社会の実現を目指して取り組んでまいります。


今回ご協力いただいたアスリートの皆さん ※五十音順(プロフィールはこちらからご覧ください)

上田 駿斗氏(ヴィアンティン三重 所属)
梶原 夕希也氏
加藤 広人氏
岸本 隆一氏(琉球ゴールデンキングス 所属)
木村 翔氏(花形ボクシングジム 所属)
齋藤 裕太氏(元花形ボクシングジム 所属)
征矢 貴氏
田中 幹也氏(中日ドラゴンズ 所属)
原 修太氏
西澤 侑真氏(順天堂大学 所属) 

以上

 

<In Their Shoesプログラムについて>

「In Their Shoes」は、スマートフォンのアプリケーションからの指示に従ってIBD患者さんの日常生活を体験し、患者さんの気持ちをより適切に理解することを目的として開発されたシミュレーションプログラムです。「In Their Shoes」 とは、英語で「その⼈と同じ立場や境遇に身を置いて考える」ことを意味します。当プログラムは、IBD 患者さんや患者さん団体の協力を得て海外で開発された、科学的根拠に基づくストーリー性のあるプログラムであり、当社の包括的な患者さんケアへの取り組みである、“Patient First Program(ペイシェント・ファースト・プログラム)”の取り組みの一つです。


<ペイシェント・ファースト・プログラムについて>

ペイシェント・ファースト・プログラムは、患者さんのペイシェント・ジャーニーに携わる医療従事者、企業・組織、行政機関など、あらゆるステークホルダーの協力によって、integrated care(包括的なケア)を提供することを目指し、患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに対応するための武田薬品の取り組みの一つです。患者さんを中心に考える武田薬品のコミットメントを体現するものであり、患者さんを取り巻くステークホルダーとの議論や効果的な連携を果たすため、営業部門から独立したジャパンメディカルオフィスが中心となり、活動しています。


<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。

詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<武田薬品の消化器系疾患領域における取り組みについて>

消化器系疾患は時として、患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。武田薬品およびパートナー各社はこのアンメット・メディカル・ニーズに対し、30年以上にわたり革新的な医薬品や支援プログラムを通じて患者さんのQOL(生活の質)改善に取り組んでまいりました。また武田薬品は、炎症性腸疾患、酸関連疾患、短腸症候群、消化管運動障害など、消化器系疾患領域をリードしてきました。武田薬品の消化器系疾患領域の研究開発チームは、セリアック病や好酸球性食道炎、α-1アンチトリプシン関連肝疾患、クローン病など、アンメット・メディカル・ニーズのある新しい領域でのギャップの解消に向けても取り組んでいます。武田薬品は、これからも研究者や患者団体とともに、消化器系疾患領域における科学的研究と臨床医学の発展に取り組んでいきます。



[i]難病情報センター,潰瘍性大腸炎, https://www.nanbyou.or.jp/entry/62

難病情報センター,クローン病, https://www.nanbyou.or.jp/entry/81