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無又は低ガンマグロブリン血症の治療薬としての20%皮下注用人免疫グロブリン製剤の日本における製造販売承認申請について

2022年10月26日
- 無又は低ガンマグロブリン血症の患者さんの新しい治療選択肢として期待

当社は、本日、20%皮下注用人免疫グロブリン製剤について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定する効能効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。

このたびの製造販売承認申請は、主に原発性免疫不全症候群(以下「PID」)日本人患者を対象とした臨床第3相試験(NCT04346108)、およびPID患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(NCT01412385NCT01218438)に基づいて行っています。これらの試験において、20%皮下注用人免疫グロブリン製剤は無又は低ガンマグロブリン血症の治療薬として有効性と安全性が評価されました。

無又は低ガンマグロブリン血症は、様々な要因により体内の免疫グロブリンが不足する状態です。体内で免疫グロブリンが全く作られない場合「無ガンマグロブリン血症」と呼び、正常の約20%以下しか作られない場合を「低ガンマグロブリン血症」と呼びます。不足する要因は原発性と続発性に分けられます。原発性は先天的な抗体産生・抗体機能障害であり、さまざまな遺伝性疾患に起因します。一方、続発性は血液がんなどの疾患および免疫抑制剤などの薬剤が原因として挙げられています。免疫グロブリンは、細菌やウイルスといった病気を起こす病原体などから、体を守るための物質であり、体内で免疫グロブリンが十分に作られない人は、免疫グロブリンが正常に作られる人よりも細菌やウイルスが起こす病気(感染症)にかかりやすくなります。不足する免疫グロブリンを免疫グロブリン製剤の投与により補充することで、患者さんがさまざまな感染症にかかることを防ぐ効果が期待できます。

当社日本開発センター所長 廣田直美は、「免疫不全になると重篤な感染症を始め肺炎や敗血症なども繰り返しやすくなります。これらから患者さんを守るためには患者さんのニーズに合った適切な治療が重要ですが、現状ではニーズが十分に満たされていないと考えています。30カ国以上で承認されている20%皮下注用人免疫グロブリン製剤を新しい治療選択肢として、少しでも早くお届けできる日を心待ちにしています」と述べています。

<20%皮下注用人免疫グロブリン製剤>

20%皮下注用人免疫グロブリン製剤は原発性免疫不全症候群(PID)や続発性免疫不全症候群(SID)と診断された成人及び小児患者における感染予防を目的として、開発されたヒトIgGを20%含有する皮下注用ヒト免疫グロブリン(Ig)製剤です。本剤は2016年7月にノルウェー、英国及びドイツなどの欧州数ヵ国で、同年9月に米国で承認されて以降、2022年5月までに30ヵ国以上で承認され、“CUVITRU”の商標で使用されています。

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<注意事項>

本リリースに記載されている医薬品、医療機器の情報は、武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品、医療機器の宣伝、広告を目的とするものではありません。

出典
※一般社団法人日本血液製剤協会ウェブサイト(2022年10月24日参照)http://www.ketsukyo.or.jp/disease/infection/infection_01.html

以上