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対応からレジリエンスへ:COVID-19のパラダイムのシフト
第75回国連総会からの考察

スーダンの難民キャンプでのCOVID-19啓発訓練。写真提供:プラン・インターナショナル

第75回国連総会において、タケダ、デベックス、グローバルCSRプログラムのパートナーであるシード・グローバルヘルス、ジョイセフ、プラン・インターナショナル、ワールド・ビジョンが9月23日に主催したバーチャルサイドイベントで、ウガンダのリラ大学助産師・講師のSamson Udho氏は、「3月に最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、ジェットコースターのような状況が続いています」と述べました。

Seed Global Health Physician Educator Dr. Hadelman (center) discusses COVID protocols with WHO representatives in Lusak

ザンビアのルサカでWHOの代表者とCOVIDプロトコルについて話し合うシード・グローバル・ヘルスの医師教育者ハデルマン博士(中央)。写真提供:シード・グローバル・ヘルス

 

「感染者数の急増と同時に、妊娠・出産のために病院やクリニックに来る母親の数も減っています。COVID-19は必要不可欠なケアに壊滅的な影響を与えています」

また、登壇者は、「COVID-19パンデミックに対応している世界中の医療従事者は、すでに緊迫した医療システムの中で働き、多くの課題に直面しています。このパンデミック下で、現場の医療従事者が安全かつ効果的に働くために必要なリソースを確保することの緊急性と同様に、権限が与えられた医療従事者の必要性を浮き彫りにしています」と強調しました。

タケダ、デベックス、シード・グローバルヘルスが2019年に開催した国連総会サイドイベントで行った議論を踏まえ、2020年のイベントでは、ケニア、マラウイ、ウガンダ、インドの現場でのCOVID-19への対応事例や、必要不可欠な保健サービスを維持する上での教訓、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けた医療従事者の強化に必要な包括的なステップなどに焦点が当てられました。

シード・グローバルヘルスのCEOであるVanessa Kerry氏は、「COVID-19は、私たちが同じようなリスク下にいることを示したと同時に、一方で、ある特定の人々が他の人々よりもはるかに頻繁に、そして深刻な影響を受けていることも示しました」と述べました。

 

恐怖と希望:最前線の医療従事者が見てきたこと

「COVID-19は、私たちの地域で必要不可欠なサービスの低下を引き起こしています」とウガンダの看護担当官であるAlice Atai氏は報告しています。「子供たちは給食プログラムから引き離されました。10代の女の子は学校から引き離されています。多くが妊娠しています。彼女らが安心して出産できるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?また、予防接種の接種率が大幅に減少しています。恐怖の中にいますが、人々に希望を失って欲しくないのです。」

World Vision Food Basket Program, India.

ワールド・ビジョン・フードバスケット・プログラム、インド
写真提供:ワールド・ビジョン

ワールド・ビジョン・インドのコミュニティ保健コーディネーターであるAwungshi Mayonmi Zimik氏は、インドでは情報へのアクセスが限られている農村部の人々が、このパンデミックの深刻さを把握し、新しい日常に適応するための課題があることを付け加えました。十分なサポートと個人用保護具(PPE)がないため、コミュニティの教育と誤情報との戦いという重要な任務を担うコミュニティ保健ワーカーやボランティアは、リスクを冒しながら業務を行っています。

Udho氏は、PPEの重要性について次のように説明しました。「患者さんは施設に来ると、施設はどれだけ安全か、また来るかどうかをすぐに判断します。医療従事者は、患者さんからの信頼を得るために、自分の身なりを含めた環境を通じて伝える必要があります。私にとってそれは、必要なPPEを着用することを意味します。患者さんは、私がPPEで保護されていることを見れば、患者さんを守ることもできるということを理解します。」

ジョイセフのケニア・カントリー・マネージャーであるJill Adhiambo Mattakwa氏は、ケニアを含む多くの国で国をあげての対応が行われているにもかかわらず、多くの助産師やその他の最前線で働く医療関係者において未だにPPEが不足していることを共有しました。「私が一緒に働いた50人以上の医療従事者が、十分なPPEが無かったためにCOVID-19に感染しました。」

Community health volunteer taking temperatures at health facility in Nairobi.

ナイロビの保健施設で検温をする地域保健ボランティア
写真提供:JOICFP

彼女は、一方で、希望的かつ前向きな話も共有しました:ジョイセフがケニアのコミュニティヘルスワーカーを支援して、パンデミック下においても病院における分娩の重要性について妊婦にメッセージを発信したところ、女性たちが施設に戻り始めました。

コミュニティヘルスワーカーは、地域社会と医療システムとの間の連絡役としての役割を果たします。最前線では、個人や家族(多くの場合、ケアへのアクセスや施設やシステムへの信頼が困難な遠隔地)に対して、アドボカシー、啓発、支援を提供し、予防的ケアをサポートし、生活の質を向上させ、適切な医療の選択肢につなげることができます。

COVID-19への対応を医療システムへの投資へつなげる

シエラレオネ共和国のMohamed Juldeh Jalloh副大統領は、必要不可欠なサービスから資源を流用したことによる悲劇的な結果を嘆きました。また、同国の医療従事者の9%近くが命を落としたエボラ危機から得た緊急性の教訓についても語りました。シエラレオネの優先事項は"反射的な対応からレジリエンスへの転換"です。

Jalloh博士は、特に途上国の指導者たちに、万人の健康のための新しい課題を定義し、行動方針を定めるするよう呼びかけました。「私たちは、レジリエンスのある保健システムを構築するための支援のあり方について、開発パートナーとの対話を必要としています。私たちは、パンデミックや人々の日々のニーズに対応するのに強靭で十分な人員を擁する保健システムの構築を支援する方法で、COVID-19への対応の投資に余裕を持たせた、柔軟でダイナミックなアプローチを必要としています。」

Mattakwa氏は、この方針への呼びかけに基づき、リーダーたちに勢いを維持するよう求めました。「施設とコミュニティの両方で質の高いサービスを促進するために、医療従事者への投資を続けましょう。これを行わなければ、UHCを達成する能力を危険にさらすことになります。なぜなら、やる気があり、訓練を受け、保護された医療従事者がいなければ、施設におけるサービスの質が損なわれるからです。」

「システムが脆弱で資金不足の場合、地域社会からの信頼を勝ち取ることはできません」と、マラウイ医科大学産婦人科部長のLuis Gadama氏は述べています。

「エボラやジカウイルス感染症によって、私たちのシステムの脆弱性とアクセスの不平等が露呈しました。マラウイでは、政府は、全体的なインフラの改善と政治的コミットメントの必要性に加えて、医療従事者の重要性を認識しています。」

最後に、武田薬品の大薮貴子グローバル・コーポレート・アフェアーズ・オフィサーは、長期的な投資とパートナーシップにより、医療システムの強化と医療従事者のエンパワーメントを支援するよう、グローバルリーダーに呼びかけました。

「医療従事者を育成し、医療システムを強化し、医療へのアクセスを改善することは、必ずしもすぐに成果をもたらすようなものではありませんが、私たちはそれらが地域社会を変革し、人々の命を救っていることを知っています。そして、それこそが重要なことなのです。」

 

有言実行する

2020年5月、当社は、新型コロナウイルス感染症への対応の最前線における重要な取り組みを支援するため、そして現在のパンデミックや将来の緊急事態に効果的に備えるための医療システムを強化するために、3つの国連主導機関に対して寄付を行うことを発表しました。この発表は、当社のこれまでの複数年にわたるグローバルCSRプログラムやパートナーシップに沿って、医療従事者の能力を強化することを目的とした取り組みに基づくものです。