乾癬性関節炎と乾癬のつながり | 武田薬品

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乾癬性関節炎と乾癬のつながり

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2024年11月18日

本記事は、実際の患者さんの体験談を紹介しています。特定の患者さんの体験を紹介したものであり、典型的な患者さんの体験を紹介するものではありません。気になる症状や医学的な懸念がある場合、また、適切な診断と治療を受けるためには適切な医療機関を受診ください。


乾癬性疾患とともに生きるキャスリーンさん

乾癬性疾患とともに生きるキャスリーンさん

キャスリーンさんは、子どもの頃に乾癬と診断されました。しかし、診断を受ける前から、乾癬性関節炎による痛みをずっと感じていました。乾癬性関節炎は、乾癬の皮膚症状に加えて関節の腫れや痛みを伴う疾患です。乾癬患者さんのおよそ7人に1人が発症するとされており、すべての乾癬患者さんが発症するわけではありません1。乾癬性関節炎は多様な疾患で、症状が現れる部位や発現時期なども人によって異なります2

キャスリーンさんは、子供の頃について「歩くときは右足を引きずっていました。時には、顎が曲がりそうなほどひどく痛むこともありました」と振り返ります。走ることも泳ぐこともできず、体操教室にも通えなかったと言います。痛みにより生活が制限されたことで、「私をケアする家族の生活も影響を受けました」 と話します。

キャスリーンさんが適切な診断を受けるまでには、時間がかかりました。「1990年代初頭はまだ、乾癬性関節炎と乾癬との関連があまり理解されていなかったのかもしれません。少なくとも、私には知らされていませんでした。医師からは『皮膚にも関節にも炎症があるので、これは単なる炎症です』と言われていました」

その後、乾癬性関節炎と診断され、症状をコントロールする方法を学びました。それでも、安心よりも恐怖が勝っていたとキャスリーンさんは言います。「『冗談でしょう? 今度は何をすればいいの?』という気持ちでした。体調が悪くて家から出られないこともありました。私の世界はどんどん小さくなっていきました」

キャスリーンさんは自身の症状について詳しく調べ、乾癬の国内・国際団体でボランティアを務めるようになりました。それにより、長らく感じなかった希望を感じられるようになりました。人生の展望も、より前向きになりました。

「これまで以上に、私と同じような患者さんを支援するようになったことで、ベッドから出て活動的でいたいと思うようになりました」

「乾癬と乾癬性関節炎の研究のために、優れた頭脳と時間を費やしてくれる人が世界中にたくさんいます。それは、私にとっても、他の多くの患者さんにとっても、希望になっているはずです」

乾癬と乾癬性関節炎ともに生きるキャスリーンさん

乾癬性の疾患とともに生きるシミーさん

乾癬性の疾患とともに生きるシミーさん

シミーさんも、乾癬と乾癬性関節炎とともに生きています。物心ついた頃からずっと、この二つの症状と付き合ってきました。シミーさんも、この症状への認知を高め、理解を深めることが非常に重要と考えています。そうなれば、「早期に乾癬性関節炎と診断され、私ほど長く苦しむこともないし、この苦しみを味わう人の数も減らせるでしょう」と述べています。

タケダのAutoimmune Diseases and RheumatologyでGlobal Medical Unitのヘッドを務め、公衆衛生学の修士号を持ち、医師でもある、エジム・マークは、「私たちは患者さんや医師、患者団体などと協力しつつ、アンメットニーズに真剣に耳を傾けています。乾癬では、乾癬性関節炎の啓発を強化する必要性を訴える声がはっきりと聞こえてきます」 と指摘します。

乾癬性関節炎は、慢性免疫介在性炎症性疾患です。関節の疼痛、こわばりおよび腫脹を生じさせる炎症が特徴ですが、多様な疾患であり、人によって重症度や罹患関節数は異なります。痛みを伴う肉体的症状があり、患者さんの生活の質(QOL)にも、家族や友人との関係にも影響を及ぼすことがあります。この関節炎が生じる乾癬患者さんは、全体の約30%に及ぶと推計されています。それでも、その関連性の認知はまだ低い状態にあります。乾癬患者さんを対象とした最近の調査でも、乾癬と乾癬性関節炎の関連性を知っている患者さんは全体のわずか29%に留まっていました5

シミーさんも、乾癬と乾癬性関節炎の関連性に対する認知が不足していると指摘しています。「乾癬性関節炎とは何か、乾癬とどのように関連するかが十分に理解されていないというアンメットニーズがあります。しかし、ここ数年で、研究者だけでなく他の人も理解を深めつつあると感じています」と、シミーさんは述べています。シミーさんは長い間、関節の痛みと闘うだけでなく、症状を隠すために努力してきました。しかし、静かに苦痛に耐えていても、物事は良くなりませんでした。「この症状に正面から取り組まなければ、事態はもっと悪くなるのではないか、例えば車椅子で生活するようになるのではないかと怖くなりました。そこで多くの文献を読み、この症状としっかりと向き合い、医療従事者とも話すようにしました」

エジム・マーク タケダAutoimmune Diseases and Rheumatology Global Medical Unitヘッド

エジム・マーク タケダAutoimmune Diseases and Rheumatology Global Medical Unitヘッド

マークは「診断が遅れれば、不可逆的なダメージを受ける可能性もあります6。可能な限り早く診断を受け、治療を開始することが重要です」と指摘し、「すべての患者さんが同じ要因で病状が進行するとは限りません。だからこそ研究者は、免疫系統とこれらの症状を引き起こすその作用について理解しようと、あらゆる努力をしているのです。こうした患者さんを中心とする行動は、人々の暮らしを豊かにするためのタケダのアプローチの核となる部分です」と述べています。

キャスリーンさんは「研究者が乾癬と乾癬性関節炎の関係性を理解しようとしている」と知り、安心した気がすると言います。「炎症の原因と合併症との関連性を解明するのは非常に難しいと理解しています。しかし、理解する努力や機運を決して絶やしてはなりません」

「乾癬と乾癬性関節炎の研究のために、優れた頭脳と時間を費やしてくれる人が世界中にたくさんいます。それは、私にとっても、他の多くの患者さんにとっても、希望になっているはずです」と、キャスリーンさんは言います。


  1. Ohara Y, et al. J Rheumatol. 2015; 42(8): 1439-1442
  2. Arthritis Foundation. Psoriatic Arthritis. Available at: https://www.arthritis.org/diseases/psoriatic-arthritisGo to https://www.arthritis.org/diseases/psoriatic-arthritis. Last accessed: November 2023.
  3. Our Cause. IFPA. Accessed September 23, 2024. https://ifpa-pso.com/about-ifpa/our-causeGo to https://ifpa-pso.com/about-ifpa/our-cause Inside Psoriatic Disease Family Report. IFPA. https://cms.ifpa-pso.com/uploads/Inside-Psoriatic-Disease-Family-Report.pdfGo to https://cms.ifpa-pso.com/uploads/Inside-Psoriatic-Disease-Family-Report.pdf. Accessed September 23, 2024.
  4. Mease PJ, Gladman DD, Papp KA, et al. Prevalence of rheumatologist-diagnosed psoriatic arthritis in patients with psoriasis in European/North American dermatology clinics. J Am Acad Dermatol. 2013;69(5):729-735.
  5. Armstrong A, Bohannan B, Mburu S, et al. Impact of Psoriatic Disease on Quality of Life: Interim Results of a Global Survey. Dermatol Ther (Heidelb). 2022;12(4):1055-1064.
  6. American College of Rheumatology. Psoriatic Arthritis. Available at: https://rheumatology.org/patients/psoriatic-arthritisGo to https://rheumatology.org/patients/psoriatic-arthritis. Last accessed: November 2023.