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米国食品医薬品局(FDA)による成人の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者さんを対象としたGAMMAGARD LIQUID®の承認について

米国食品医薬品局(FDA)による成人の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者さんを対象としたGAMMAGARD LIQUID®の承認について


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January 30, 2024
  • CIDP患者さんのニーズに応える多様な人免疫グロブリン製剤(IG)ポートフォリオ拡大に向けた当社の取り組みを実現する新たな適応

  • 成人のCIDP患者さんへの静注用人免疫グロブリン製剤としての安全性および有効性を示した非盲検第3相ADVANCE-CIDP試験のデータに基づく承認

  • GAMMAGARD LIQUID[静注用人免疫グロブリン製剤10%]は米国において多発性神経筋疾患の治療薬として承認されている唯一の静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)

当社は、2024年1月29日(米国時間)、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんにおける神経筋障害および機能障害改善のための静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)治療薬として、GAMMAGARD LIQUID®[静注用人免疫グロブリン製剤10%]が、米国食品医薬品局(FDA)により承認されましたのでお知らせします1。本製剤は、導入時用量とそれに続く維持時用量が含まれる導入療法として使用できます1。CIDPの治療について、GAMMAGARD LIQUIDは免疫グロブリン製剤未投与の患者さんに対して、または6か月を超える期間の維持療法としては検討されていません1

このマイルストーンは、成人のCIDP患者さんの神経筋障害および機能障害の再発予防の維持療法として、HYQVIA®(皮下注用人免疫グロブリン10%/遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ)が先日FDAにより承認されたことに続くものです2。HYQVIAは唯一の人免疫グロブリン(IG)とヒアルロニダーゼの組み合わせ製剤であり、皮下注用人免疫グロブリン製剤です2

当社のシニア・ヴァイス・プレジデントでありプラズマ デライブド セラピーズ ビジネス ユニットの米国ヘッドであるリチャード・アスクロフト(Richard Ascroft)は、「GAMMAGARD LIQUIDのCIDP治療薬としての承認は、希少な神経筋疾患に罹患する患者さんのために血漿分画製剤療法を推進し、これらの患者さんに差別化されたIG療法のポートフォリオをお届けするという、当社の数十年にわたる取り組みを実証するものです。最近、米国で承認されたHYQVIAと合わせて、成人のCIDP患者さんに、それぞれの治療ニーズに応じた導入療法および維持療法の選択肢を提供できるようになりました」と述べています。

本承認は、成人のCIDP患者さんにおけるHYQVIAの有効性、安全性および忍容性を評価する無作為化プラセボ対照二重盲検試験(ADVANCE-CIDP 1)において再発した成人のCIDP患者さんを対象にGAMMAGARD LIQUIDの有効性および安全性を評価した前向き非盲検単群多施設共同臨床試験(ADVANCE-CIDP 2)の結果に基づいています。ADVANCE-CIDP 2試験の有効性は、機能的障害の改善を示した被験者と定義したレスポンダーの割合に基づいています。レスポンダーの割合は、94.4%(N = 18、95%信頼区間:74.2%~99.0%)でした。握力の改善と総合障害スケール(R-ODS)スコアの変化を全被験者にわたって記録しました1

臨床試験の患者さんの5%以上でもっともよくみられた副作用は、頭痛、発熱、貧血、白血球減少症、好中球減少症、疾患、血中クレアチニン増加、浮動性めまい、片頭痛、傾眠、振戦、鼻乾燥、上腹部痛、嘔吐、悪寒、上咽頭炎、四肢痛でした1

CIDPは、末梢神経系に影響を及ぼす希少で後天的な免疫介在性の神経筋疾患です3,4。四肢の遠位および近位における脱力、ピリピリ感または感覚消失、反射消失、歩行困難など、進行性の左右対称性の症状を特徴とします3。CIDPの症状は他の希少な神経筋病態と重複することがあるため、誤診されることがあります5。成人患者さんのCIDP治療における免疫グロブリンの作用機序は完全には解明されていませんが、免疫調節作用が関与していると考えられています1

カンザス大学メディカルセンター神経内科教授であるMamatha Pasnoor医師は、「CIDPの標準治療であるIG療法は、免疫調節機序を介して、低下した免疫機能の正常化を促進すると考えられています。CIDPは進行性の複合疾患であるため、複数の治療選択肢が必要であり、臨床医は成人のCIDP患者さんが疾患を管理する上で役立つ追加の治療薬を手にしました」と述べています。

GAMMAGARD LIQUIDは、このたびCIDPの適応で承認され、成人の筋力および障害を改善する維持療法における多巣性運動ニューロパチーの治療薬としてFDAが承認した唯一のIVIGであるため、米国において複数の神経筋障害の適応を有する唯一のIVIGです1。また、米国では2歳以上の原発性免疫不全症の患者さんに対する補充療法としても承認されています1

GAMMAGARD LIQUIDについて

GAMMAGARD LIQUID ®[静注用人免疫グロブリン製剤10%]は、静脈内に投与する人免疫グロブリン(IVIG)製剤です。GAMMAGARD LIQUIDは、米国では成人のCIDP患者さんにおける神経筋障害および機能障害を改善するためのIG療法として、成人および2歳以上の小児の原発性免疫不全症(PID)患者さんにおける補充療法として、成人の多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんの筋力および障害を改善するための維持療法として承認されています。また、米国およびカナダ以外ではKIOVIGとしても知られており、世界66か国で承認されています。

HYQVIAについて

HYQVIA®(皮下注用人免疫グロブリン10%/遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ)は、遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼと人免疫グロブリンの組み合わせ製剤であり、米国では成人および2歳以上の小児の原発性免疫不全症(PID)患者さんの治療薬ならびに成人のCIDP患者さんの神経筋障害および機能障害の再発予防の維持療法薬として承認されています。また、欧州では、重度または再発性感染症、抗菌薬療法が無効、特異的抗体不全(PSAF)が認められているか血清IgG濃度が4 g/L未満のPIDおよび続発性免疫不全症(SID)の成人、小児および青年の患者さんに対する補充療法として欧州医薬品庁(EMA)に承認されています。HYQVIAは、皮下組織に注射されます。HYQVIAはヒト血漿から収集したIGを含んでおり、IGは、身体の免疫系を維持する抗体です。HYQVIAのヒアルロニダーゼ部分は、皮膚と筋肉の間の皮下組織におけるIGの拡散と吸収を促進します。HYQVIAは最長で月1回(CIDPに対しては2、3もしくは4週ごと、PIDに対しては3または4週ごと)投与されます。

ADVANCE-CIDP 2試験について

ADVANCE-CIDP 2試験は、成人のCIDP患者さんにおけるHYQVIAの有効性、安全性および忍容性を評価する無作為化プラセボ対照二重盲検試験(ADVANCE-CIDP 1)において再発した成人のCIDP患者さんを対象にGAMMAGARD LIQUIDの有効性および安全性を評価した前向き非盲検単群多施設共同臨床試験です。 ADVANCE-CIDP 1試験中に再発した患者さん18名に ADVANCE-CIDP 2試験への組み入れを提案しました。

GAMMAGARD LIQUIDを導入用量2 g/kg体重で投与した後、3週ごとに6か月間、維持投与を行いました。GAMMAGARD LIQUIDの用量は治験責任医師の裁量により調節することができました。3週ごとの投与間隔を調節することは認められませんでした。被験者全員が試験を完了しました。投与を受けた被験者全員の有効性と安全性を解析しました。ADVANCE-CIDP 2試験の有効性は、投与期間(6か月)の完了時に調整INCATスコアの1ポイント以上の低下と定義したレスポンダーの割合に基づいています。レスポンダーの割合は、94.4%(N = 18、95%信頼区間:74.2%~99.0%)でした。6か月時、被験者18名中17名(94.4%)ではINCATスコアが本試験に参加する前のベースライン値に戻りました。被験者全員が、 INCATスコア、握力の改善、総合障害スケール(R-ODS)スコアを含む複合アウトカム指標で定義される機能的能力の改善を示しました。

ADVANCE-CIDP 2試験に関する詳細な情報は、ClinicalTrials.govの研究識別番号NCT02549170Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02549170をご覧ください。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

  1. GAMMAGARD LIQUID® [Immune Globulin Infusion (Human) 10% solution] U.S. Prescribing Information. https://www.shirecontent.com/PI/PDFs/GAMLIQUID_USA_ENG.pdfGo to https://www.shirecontent.com/PI/PDFs/GAMLIQUID_USA_ENG.pdf

  2. HYQVIA® [Immune Globulin Infusion 10% (Human) with Recombinant Human Hyaluronidase] U.S. Prescribing Information. https://www.shirecontent.com/PI/PDFs/HYQVIA_USA_ENG.pdfGo to https://www.shirecontent.com/PI/PDFs/HYQVIA_USA_ENG.pdf

  3. Dalakas MC. Nat Rev Neurol. 2011;7(9):507–17.

  4. GBS CIDP Foundation International. Voice of the Patient Report. August 26, 2022. www.gbs-cidp.orgGo to www.gbs-cidp.org. Accessed August 2022.

  5. Broers MC, Bunschoten C, Nieboer D, Lingsma HF, Jacobs BC. Eur J Neurol. 2021;28(6):2065-2073.