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EXKIVITY®(mobocertinib)のアップデートについて

EXKIVITY®(mobocertinib)のアップデートについて


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October 3, 2023

当社は、2023年10月2日(米国時間)、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う局所進行性または転移性非小細胞肺がんの成人患者さんの治療薬EXKIVITY®(mobocertinib)について、米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国における自主的取り下げに向けてFDAと協働していくことをお知らせします。EXKIVITYが既に承認されている国においては全世界で同様に自主的取り下げを開始する予定であり、現在販売されているその他の国では規制当局と今後の対応について協議を進めています。

この決定は、臨床第3相EXCLAIM-2検証試験の結果に基づいています。この試験で主要評価項目が達成されなかったため、米国FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たしませんでした。

EXCLAIM-2試験は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの一次治療におけるEXKIVITY単剤療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との安全性および有効性を検討するために計画された臨床第3相多施設共同非盲検試験です。EXCLAIM-2試験において新たな安全性シグナルは認められませんでした。試験の全データは、今後の医学学会もしくは査読付き学術誌にて発表する予定です。

当社のグローバル メディカルアフェアーズ オンコロジーのヘッドであるAwny Farajallah, M.D.は、「アンメットニーズの高い患者さんのためのソリューションを追求するという揺るぎない取り組みにより、当社はEGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの患者さんのための初の経口治療薬として、EXKIVITYを開発し、上市するに至りました。当社は、幸運にも、これまで十分な治療を受けていなかったこの患者さんの集団に、EXKIVITYが与えた影響を目にすることができました。また、このような患者さんへの新たな治療薬を導入するために承認を受けて以来、進歩が認められたことに勇気づけられています。EXCLAIM-2試験で得られた知見が、この疾患の今後の研究開発に役立つことを期待しています」と述べています。

当社は、EXKIVITYの投与を受けている患者さんが医療提供者との相談のもと、適切な使用を継続できるように努めてまいります。規制当局とともにアクセスの仕組みについて積極的に検証しています。現在EXKIVITYによる治療を受けている患者さんは、担当の医療提供者に相談する必要があります。継続的なアクセスに関するご質問については、[email protected]までお問い合わせください。

2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想については、本件の影響額を引き続き精査し、必要に応じて適切に見直してまいります。

EXKIVITY(mobocertinib)について

EXKIVITYは、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特異的に設計されたファースト・イン・クラスの経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。EXKIVITYの承認は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん患者さんを対象とした臨床第1/2相試験における、プラチナ製剤による前治療を受けた患者さんの集団の解析結果に基づくものでした。

EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんについて

世界保健機関(WHO)によれば、非小細胞肺がんは最も一般的な肺がんであり、毎年世界中で診断される肺がんの推定新規患者数220万人の約85%を占めています1,2。上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者は、非小細胞肺がん患者の約1~2%であり、欧米人よりもアジア人で多くみられます3-7。EGFRエクソン20挿入変異を特異的に標的としていないEGFRチロシンキナーゼ阻害薬や化学療法の効果は限定的であるため、EGFRエクソン20挿入変異を伴う疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後不良と言われています。

当社は、革新的な医薬品の創薬と提供により肺がん患者さんのニーズを満たすため、継続的な研究開発に取り組んでいます。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。

詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1395064/000139506419000005/0001395064-19-000005-index.htmにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

References

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  2. American Cancer Society. What is Non-Small Cell Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.htmlGo to https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html. Accessed September 20, 2023.

  3. Riess, Jonathan W. Diverse EGFR Exon 20 Insertions and Co-Occurring Molecular Alterations Identified by Comprehensive Genomic Profiling of NSCLC. https://www.jto.org/article/S1556-0864(18)30770-6/fulltextGo to https://www.jto.org/article/S1556-0864(18)30770-6/fulltext. Accessed September 20, 2023.

  4. Fang, Wenfeng. BMC Cancer. EGFR exon 20 insertion mutations and response to osimertinib in non-small-cell lung cancer. https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-019-5820-0Go to https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-019-5820-0. Accessed September 20, 2023.

  5. Kobayashi Y, Mitsudomi T. Not all epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer are created equal: Perspectives for individualized treatment strategy. Cancer Sci. 2016;107(9):1179-1186. doi:10.1111/cas.12996. Accessed September 20, 2023.

  6. Yatabe Y, Kerr KM, Utomo A, et al. EGFR mutation testing practices within the Asia Pacific region: results of a multicenter diagnostic survey. J Thorac Oncol. 2015;10(3):438-445. doi:10.1097/JTO.0000000000000422. Accessed September 20, 2023.

  7. Kris MG, Johnson BE, Berry LD, et al. Using multiplexed assays of oncogenic drivers in lung cancers to select targeted drugs. JAMA. 2014;311(19):1998-2006. doi:10.1001/jama.2014.3741. Accessed September 20, 2023.