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固形がんに対するT細胞誘導療法のさらなる進展および新規のがん免疫療法のポートフォリオ拡大を目的としたMaverick Therapeutics社の買収について

固形がんに対するT細胞誘導療法のさらなる進展および新規のがん免疫療法のポートフォリオ拡大を目的としたMaverick Therapeutics社の買収について


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March 10, 2021

- 買収により、Maverick社の2つの開発候補薬、および特に固形がんを標的としてデザインされた一定の条件下で活性化される二重特異性T細胞誘導療法の基盤技術であるCOBRA™により、当社がん免疫療法のポートフォリオが拡大
- Maverick社の主力パイプラインである、一定の条件下で活性化されるT細胞誘導抗体であるTAK-186(以前の開発コード:MVC-101)は、臨床第1/2相試験が最近開始されたファーストインクラスの治療薬
- 将来の買収オプション権を含めた複数年の「build to buy」の提携において、一定の調整をすることを前提に一時金およびマイルストン支払いを含め最大5億2,500万米ドルでMaverick社を買収するオプション権を武田薬品が行使

武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)は、このたび、非上場のバイオテクノロジー企業であるMaverick Therapeutics Inc.(所在地:米国カリフォルニア州ブリズベーン、以下「Maverick社」)を買収するオプション権を行使しましたのでお知らせします。Maverick社は、一定の条件下で活性化される二重特異性 T 細胞誘導療法を開発しています。本契約に基づき、武田薬品は、Maverick社のT細胞誘導抗体の基盤技術であるCOBRA™と、 Maverick社の主力開発候補薬であるTAK-186(MVC-101)およびTAK-280 (MVC-280)などの広範なポートフォリオを取得します。TAK-186(MVC-101)は、現在、上皮増殖因子受容体(EGFR)が発現している固形がん患者を対象とした臨床第1/2相試験を実施中であり、TAK-280 (MVC-280)はB7-H3タンパク質が発現している固形がん患者の治療薬として、2021年度後半に臨床試験を開始する予定です。本買収の完了後、Maverick社は武田薬品の研究開発組織の一部として存続し、Maverick社の従業員はそこに所属することになります。

武田薬品のOncology Therapeutic Area UnitのHeadであるChristopher Arendtは、「当社の研究開発戦略やがん治療の新たなアプローチの追求において、パートナーシップは最重要課題です。科学の新たな領域に取り組んでいる Maverick社のような先駆者を支援することで、当社は専門知識、リソースやリスクを共有でき、患者さんに革新的な新薬をより早くお届けすることができます。Maverick社の最先端の基盤技術であるCOBRAが当社のがんポートフォリオに加わることは素晴らしいことであり、生物学的製剤を一定の条件化で活性化するように改変する新たなアプローチは固形がんに対する免疫リダイレクト療法の進展に寄与します」と述べています。

Maverick社の基盤技術であるCOBRAは、高い特異性と強力な活性により、正常な組織には限定的な毒性にとどめつつ、広範な固形がんを安全に標的とするようデザインされています。投与後に全身で活性化される標準的なT細胞誘導療法とは異なり、COBRAで改変されたタンパク質をベースとした治療法では、腫瘍微小環境を活用し、患者さんの正常な組織を傷つけることなく腫瘍部位のみでT細胞性の殺細胞効果を発揮するようデザインされています。基盤技術であるCOBRAは、免疫細胞をリダイレクトしてがんを標的とする武田薬品のアプローチを補完するものであり、固形がんにおける有効性を切り開く可能性があります。

今回の買収は、一定の条件下で活性化されるT細胞誘導療法の開発のために2017年にMaverick社と武田薬品が締結した複数年の提携契約に続くものであり、当該契約において、武田薬品は、株式および5年間の提携後にMaverick社を買収する独占的オプション権を取得しました。武田薬品は、同社の現在の株式保有比率やMaverick社の負債などを含む調整を前提として、事前交渉により定められた契約一時金、および開発、申請、承認などのマイルストン支払いを含め合計最大5億2,500万米ドルでMaverick社を買収するオプション権を行使しました。本買収は、2021年度第1四半期の完了を予定していますが、米国の1976年ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法を含む独占禁止法に基づく審査完了時期によります。

Maverick社のCEOであるJames Scibettaは、「武田薬品の今回の買収オプション権の行使は、当社のチームが固形がんの患者さんの治療成績を改善することに集中して取り組んできたことの証です。買収により、リソースの拡大や武田薬品の経験が加わることでCOBRAを基盤とする治療薬の開発が加速され、患者さんは恩恵を受けることになります。武田薬品は、当社の創業時からの素晴らしいパートナーであり、急速なイノベーションの期間を通して当社の独立性に敬意を払っていただくとともに、実用的な助言もいただき、当社が厳しいスケジュールを守れるよう、細胞株の開発という直接的な支援と新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中での原薬製造への支援をいただきました」と述べています。

以上


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<留意事項>
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリース(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

<将来に関する見通し情報>
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品および既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客及び供給業者又は当社事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://w​ww.takeda.​com/invest​ors/report​s/sec-fili​ngs/)又はwww.sec.gov において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果又はその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

<Maverick Therapeuticsについて>
Maverick社は、先駆的な免疫療法の基盤技術をデザインし、提供するための医薬品開発における統合された深い専門知識に焦点を当てることにより、T細胞エンゲージャーを固形がんの治療に用いる競争においてリーディングポジションを確立しています。Maverick社の革新性の高い治療の基盤技術であるCOBRATMは、固形がんを排除するために設計された最も成熟した、一定の条件下で活性化される二重特異性T細胞誘導療法の基盤技術です。COBRAでは、T細胞の活性化とそれによる細胞傷害は、腫瘍内の必要な場所でのみ起こります。この独自のデザインにより、がん治療で長い間求められてきた、高い特異性、高い有効性、低い毒性という3つを実現します。2016年に設立されたMaverick社は、タンパク質工学およびT細胞エンゲージャーによる治療法の研究開発における優れた専門家からなるチームが率います。買収前、Maverick社は武田薬品、MPM BioVentures 2014、およびMPM CapitalのUBS Oncology Impact Fundから資金提供を受けました。詳細はwww.mavericktx.comをご覧ください。