私たちの約束 | タケダ2026年統合報告書
私たちの約束
目次
「私たちは、今後も人々の暮らしを豊かにする革新的な医薬品の創出と提供を通じて、患者さんのより健やかな未来を持続的かつ長期的に実現していきます。そのためには、最高水準の企業倫理とガバナンスの遵守、人材育成・活躍支援の推進のほか、地球環境への影響を最小限に抑える取り組み、そして財務規律の維持が求められます。 本報告書にまとめたこれらの取り組みは、タケダのレジリエンス(逆境に負けないしなやかな強さ)を向上させ、長期的価値を創出する力を強化します。また、競争力を高め、成長の勢いを生み出すために現在推し進めている取り組みについても紹介しています。」
すべての患者さんのために
すべての意思決定の場面で、患者さんを中心に据える。
この考え方は、245年にわたって私たちの道しるべとなり、タケダを形づくってきたものです。そしてタケダの価値創造の成果は、重点を置く領域での革新的な研究開発、持続可能なグローバル供給ネットワーク、そして人々の暮らしを豊かにする医薬品やワクチンへの、適時かつ幅広いアクセスの実現を通じて生まれています。これらすべての取り組みにおいて、スピード、品質、効率性の向上を図るため、データ、デジタル、テクノロジーおよびAIを活用しています。
2026年~2027年に3品目の革新的な医薬品の上市が見込まれるとともに、次の主要なパイプライン群が重要な転換点へと進展することが期待されており、当社は新たな成長局面へ向かっています。
革新的な研究開発を推進
私たちは、科学、テクノロジー、そしてパートナーシップを積極的に取り入れることで、これまでと一線を画す治療法を、いち早く患者さんへお届けすることを目指しています。これには、従来の医薬品の研究、開発、提供の在り方を根本から変革する必要があります。
2025年度は、開発および承認・審査プロセスにおいて大きな進展を遂げ、イノベーションを事業成果へとつなげて新たな成長軌道へと向かう体制がさらに整いました。
製造・供給と品質の確保
私たちは、現在そして将来にわたり患者さんに安定的に医薬品をお届けするため、製造および供給ネットワークの効率性と持続性を強化しています。
私たちは、先進技術と人の専門性を組み合わせることで、製造・品質エコシステムをより機動的で効率的かつ持続性のあるものへと進化させ、患者さんに貢献していきます。その一例であるOne Day Batch Release (ODBR)プログラムでは、製造から出荷判定までのサイクルタイム短縮に取り組み、製造後できる限り迅速に製品をお届けすることを目指しています。
医薬品アクセスの加速
私たちは、研究開発から販売に至るまで、事業戦略および事業運営全体に「医薬品アクセス」の考えを組み込んでいます。これには、患者さんが必要とする治療や関連するケアにたどり着くまでの間に存在する、国や地域を超えた、または各国や各地域の中における多様で複雑な構造的障壁への対応が含まれます。
2025年度も、私たちは世界中の医療従事者、患者団体、非政府組織(NGO)、政府と連携し、疾患の認知向上からスクリーニング・診断、治療、長期的な治療成果に至るまで、患者さんが直面するさまざまな障壁の解消に取り組みました。
2025年度には、2104人の患者さんがアフォーダビリティ(医薬品の金額面での使用しやすさ)ベースの患者支援プログラムに新規登録されました。これらのプログラムは、必要な治療にアクセスできない数多くの患者さんに対して、経済的障壁を乗り越える手助けとなってきました。
ともに働く仲間のために
パフォーマンスとイノベーションを支える人材
タケダでは、世界で約5万人の従業員が働いています。
私たちは、あらゆる階層においてリーダーシップスキルとデジタルに関する能力を強化しています。多様性を受け入れる職場環境を醸成することで、イノベーションと効率性を高め、患者さんにとってより良い成果を提供することにこだわり続ける企業文化の実現を目指しています。
私たちは、業務の品質、効率、そしてスピードの向上のため、データ、デジタル、テクノロジーおよびAIへの投資を拡大しています。これを支える基盤として、従業員のデジタルスキルの強化に主体的に取り組むとともに、将来を見据えたマインドセットを企業文化の根幹に組み込んでいます。
こうした取り組みにより、新たな発想やエネルギーを引き出しながら、互いに刺激し合い、より大きな成果の実現に向けて協働しています。
多様性を受け入れる企業文化の醸成
タケダにはの従業員ネットワーク「Takeda Resource Groups(TRGs)」があり、すべての従業員が必要な支援を受け、尊重され、成長の機会があると実感できる、包摂的な職場環境を育むことに貢献しています。こうした環境の醸成を通じて、一人ひとりが最大限に力を発揮することを後押しします。このような従業員主導型コミュニティは、従業員が安心して学び合い、ネットワークを広げながら、イノベーションや文化醸成に貢献できる場を創出しています。2025年には、5人に1人が Takeda Resource Groups(TRGs)に参加しています。
いのちを育む地球のために
健全な地球環境が、人々の健康を支える
健全な環境が人々の健康を支えていることを認識し、当社は、事業活動およびバリューチェーンにおける環境負荷の低減を進めるとともに、事業の効率性、不測の事態への対応力、価値の向上に取り組んでいます。
ネットゼロの実現に向けて
タケダは、2040年度までにバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量ネットゼロを達成するため、科学的根拠に基づく意欲的な目標を掲げ、断固とした姿勢で取り組んでいます。 スコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量目標の達成に向けて、主要な製造拠点ごとに包括的なネットゼロ・ロードマップを策定し、脱炭素化戦略と事業運営計画の一体化を進めています。エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの拡大、そして協働を通じて、事業価値を生み出すとともに、医療エコシステム全体の進展を加速させるイノベーションを推進しています。
当社の温室効果ガス(GHG)排出量全体の約90%を占めるスコープ3排出量は、自社の事業活動の外で発生するものであり、医薬品の製造に使用する原材料やサービス、ならびに製品や包装の使用後の廃棄などに由来しています。
こうした排出量の削減に向けて、私たちは取引先との緊密な連携を進めるとともに、製品設計にもサステナビリティの視点を取り入れています。
また、セクターや業界を横断した協働を通じて、バリューチェーンにおける最も削減が困難な排出量への対応を進めるとともに、低炭素ソリューションの検討も進めています。
いのちを育む地球のための約束そして私たちの進捗については、こちらをご覧ください。
2016年度比でスコープ1および2のGHG排出量を削減
2035年度までに90%削減する目標の達成に向けて前進
2022年度比でスコープ3排出量を絶対総量で削減
2030年度までに25%削減する目標の達成に向けて前進
自然に対する影響の管理
人々の暮らしを豊かにする医薬品をお届けしていけるかどうかは、自然界の状況によっても大きく左右されます。そのため私たちは、天然資源を大切に管理するよう努めています。
私たちは、2030年度までにすべての主要拠点で埋立廃棄物ゼロを達成することを目指し、着実に取り組みを進めています。
また、事業活動全体にわたり、責任ある水資源管理の推進を継続しています。2025年度には、排水の回収・再利用システムの活用、リアルタイム監視の強化、製造設備のアップグレードを通じて、水資源管理のさらなる向上を図りました。
当社は、ライフサイクルアセスメント(LCA)を活用し、製品ライフサイクル全体にわたって製品の環境負荷を最小化することを目指しています。これにより、原材料使用量の最小化、エネルギー消費量および廃棄物の削減、再資源性の最大化、ならびに品質と安全性を確保したコスト削減を実現できる機会を特定しています。
2025年度には、製薬業界における初の国際的な製品ライフサイクルアセスメント(LCA)基準の策定に向けた取り組みに参画し、業界全体の進展に貢献しました。
また、自然と気候変動への継続的な取り組みの一環として、タケダは自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の早期導入企業となりました。2026年にタケダにとって初めてのTNFDステートメント(英語)を公表しました。日本語のTNFDステートメントは7月上旬に発行予定です。
私たちの価値観に基づくコーポレート・ガバナンス
私たちの倫理観そして責任は、法令や規制を守ることにとどまりません。 「誠実:公正、正直、不屈」という価値観は、私たちがどのような存在か、そしてどのように行動するかを規定するものです。これらの価値観は、実効性のあるガバナンスを支え、ステークホルダーからの信頼を維持し、長期的な価値創造を行うための基盤となっています。
私たちは、事業のあらゆる側面において、またバリューチェーン全体、そして事業を展開する地域社会において、国際的に認められたすべての人権を尊重することに強い決意で臨んでいます。
「タケダ・グローバル行動規準」は、すべての従業員に求められる倫理的行動と共通の説明責任の基盤を定めています。患者さんの安全、個人データの保護、責任あるイノベーションといった領域における、当社の価値観と期待される行動を示しています。
事業活動の枠を超えて、「タケダ・サプライヤー行動規範」は、環境マネジメント、安全、データプライバシー、動物福祉、ならびに基本的人権および労働権の保護などを定め、当社のコミットメントと価値観に即した取引先との関係構築を支えています。