臨床試験の中心にあるのは患者さんへの思い


新薬の開発において、重要な役割を担うのがクリニカルオペレーション部門です。治療薬として承認されるまでの長い期間、すべてのフェーズに携わり、臨床試験の運営・管理の責任を担います。

小さなバイオテック企業からグローバル企業へ

私の仕事は、消化器系疾患の臨床試験の戦略を考え、実行することです。治療薬をいち早く提供するため、患者さん、医師、臨床開発者にとって出来るだけスムーズなプロセスを設定し、日々、臨床試験を最適化する方法を模索しています。

この15年間で私の仕事のやり方は大きく変わりました。とても小さなバイオテック企業は、さまざまな業務を自分で行ないます。今は、グローバルなCRO(開発業務受託機関)や提携企業と協働することにより私たちの仕事は、よりスマートで効率的になりました。

私はもともと希少疾患に携わっていましたが、最初に関わった2つの化合物が続けて薬事承認を受けるというめったにない経験をしました。いまの会社で誇りに思うのは、満たされないメディカルニーズに取り組む姿勢です。現在は治療方法がなくても、もしかしたら人生を変える方法を提供できるかもしれない。私は、自分たちの仕事が患者さんの生活にいい影響を与えられることを誇りに思っています。


「患者さんの役に立つ」ことで刺激されるモチベーション

私のモチベーションは「人々の役に立っている」という考えから生まれています。折に触れて、私は医療施設のスタッフや治験責任医師、キーオピニオンリーダーである医師らに会う機会があります。また、対象の疾患や周辺の科学知識、そのとき進められている革新的な研究についてより深く知るため、学会や業界団体の会合に出ることもあります。新たな挑戦を通じて学び、成長できる機会を得ることで、いつもモチベーションを高めています。

臨床試験(治験)に参加する被験者を、私は「助けたい相手」であると同時に「私たちの取り組みに大切なパートナー」と考えています。安全で有効な治療法が確立されることを目指し、勇気をもって臨床試験に参加下さる彼らに私たちは頼っているのです。大人でも子どもでも、たとえケアギバーのサポートを受けている人であっても。彼らの貢献は大きく、重要なパートナーです。そして私たちを信頼してくれることに、深く感謝しています。試験過程もなるべく優しいものになるよう、できる限りの努力をしています。

ときに、患者さんをお迎えし、お話を聞かせていただくことがあります。治療法を提供したい患者さんのビデオを見て、心を揺さぶられることもあります。そして職場には、多くの患者さんの写真が「私たちの仕事に助けられた」という言葉とともに飾られています。これらすべてが、毎日の仕事の意味を物語ってくれます。


部門を超えた「協力の精神」

シャイアー社がタケダに統合された時、会社に息づいている「協力の精神」に感激しました。私たちのチームはすぐに、社内にいる医師資格をもつメンバーと関係を築くことが出来ましたし、彼らは業務委託先の情報を共有したり、解決策を提示したりして、私たちの仕事に協力してくれました。これらはすべて「患者さんを助ける」という共通の熱意が突き動かしたものだと感じています。


「クオリティ、誠実性、献身性をもって他人へ奉仕する」

私は利他的な働き方をしたいと考えています。今の仕事にもそのような性質があることを幸運に思っています。それが日々の私に刺激を与え、導いてくれています。


アレクサンドラ・ロッシ

ボストン勤務。製薬業界でのキャリアを1997年にスタートさせ、さまざまな疾患領域でデータマネジメントからモニタリング、臨床試験プロジェクトマネジメントにまで広い経験をもつ。消化器系疾患領域のポートフォリオに関する臨床試験を監督するクリニカルオペレーション部門の責任者。