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本質を守りながら進化する組織ってナンダ? | 武田薬品

ジュリー・キム 宮柱 明日香 タケダでともに働く仲間たち

本質を守りながら進化する組織ってナンダ?

変わらない価値観をもとに新時代を切り拓くリーダーシップ

240年を超える歴史をもつタケダが、これからも患者さんに貢献し続けるためにどう変化すべきか―。2026年6月に代表取締役社長 CEO就任予定のジュリー・キムと、ジャパン ファーマ ビジネス ユニット プレジデントとして国内事業を牽引する宮柱明日香が、これまでの自身の歩みをふりかえりつつ、今後のタケダについて語ります。

患者さん中心がすべての原点


―これまでのキャリアと、タケダで働くきっかけを教えてください。

【宮柱】 祖母のがん闘病で薬の力を目の当たりにしてから、製薬企業を志すようになりました。研究者として生きる道もありましたが、より直接的に患者さんに貢献できる道を模索し、医薬情報担当者(MR)としてタケダに新卒入社しました。その後、国内のコマーシャルおよびメディカル部門で経験を積み、インドネシアやベトナムなどの海外勤務を経て、2024年4月から日本のビジネス全体を統括しています。

【ジュリー】 私も明日香と同じように、医療従事者とは別の形で患者さんに貢献できる道を探し、キャリアをスタートしました。ヘルスケアコンサルタントを経て、製薬企業でマーケティングや市場アクセス、国・地域レベルのマネジメントに携わりました。当時勤めていたシャイアーが買収されたことをきっかけに、2019年にタケダに入社しました。

リスニング・ツアーで話すジュリー・キム

買収を機に会社を去る選択肢もありましたが、タケダに残ることを決めました。意思決定の中心に患者さんを据えるタケダの価値観や文化が、自分と完全に一致していたからです。タケダに入社してからは、血漿分画製剤の事業や米国全体の事業統括などを経験しました。

キャリアは、上へ上へと登る「はしご」ではなく、さまざまな経験から得たものをパズルのピースのように組み合わせて形作られるものと考えています。私が積み重ねてきたすべてを結集し、2026年6月から代表取締役CEOとしてタケダを率いることを、非常に光栄に思っています。

―影響を受けた言葉や人物を教えてください。

【宮柱】 私は、京都セラミック(現・京セラ)創業者の稲盛和夫氏の考えから多くの学びを得ています。稲盛氏の数々の著書の中で特に、「成功への情熱」を愛読しています。自分の可能性を信じて臆せずに挑戦すべきという稲盛氏の言葉が、私の背中をいつも後押ししてくれます。「挑戦の中で学び必要なら軌道修正すればいい。その積み重ねが力になっていく」という言葉の重みを、日々の業務で痛感しています。残念ながら、稲森氏と言葉を直接交わす機会に恵まれませんでしたが、今でも著書を読み返し、勇気や気力をもらっています。

製薬協の会長を務める宮柱明日香

もう一つ、「Co-creation 共創」という言葉を重要視しています。国内外の環境が目まぐるしく変化し、不確実性が高まっている中で、新たな価値をどのように生み出し続けるかが問われています。そのためには、多様な考え方や背景をもった人たちと協力・連携し、これまでにないソリューションを「共創」することが必要です。

【ジュリー】 医師だった母が、私の特別なロールモデルになっています。母は物静かな人で、医師の仕事を淡々と続けているように見えました。しかし、実際は多くの人に貢献し、影響を与えていたのです。

母の腕に抱かれる幼い頃のジュリー

母の腕に抱かれる幼い頃のジュリー

母が亡くなった時、たくさんの人が葬儀に参列しました。当時24歳だった私は、とても野心的な人間でした。自分の目標だけに集中し、周囲の人にあまり関心を持とうとしなかったのです。母の葬儀に際して、「もし今、私がバスにひかれたら、何人が悼みにきてくれるだろう?」と想像したところ、家族以外はほとんど来てくれないという結論にたどり着きました。厳しい現実でしたが、母からの最後の贈り物として、重い教訓を受け取りました。

それ以来、「どうすれば、成果をあげながら周りの人を大切にし、その人たちと一緒に成長していけるのか」という視点を忘れないようにしています。周囲を置き去りにするのではなく、共に歩むことを意識するようになりました。

― リーダーとして大切にしていることは何ですか。

【ジュリー】 チームメンバー同士が信頼し合うことを何よりも大切にしています。そうした環境をリーダーとして提供できるよう、日々の交流を通じてメンバーの声に耳を傾けています。好奇心をもって人と接し、問いを立て、良いアイデアが至る所で生まれる場を作ることが、リーダーの役割の一つです。次期CEOに指名任命された後、ともに働く仲間の声を聞くために、全世界のタケダの事業所を巡る「リスニング・ツアー」を行いました。患者さん貢献への想い、タケダに対する期待、コラボレーションとイノベーションの可能性など、さまざまな意見を聞く貴重な機会となりました。

また、刻一刻と変化する環境に適応するためにも、リアルタイムで学び続ける姿勢を重視しています。リーダーはもちろん、すべてのメンバーに求められる資質と思っています。新しい変化を前向きに受け入れ、どの立場にあっても学び続けることが大切です。そうすることで、より患者さんに貢献できる企業に進化できると思っています。

ともに働く仲間の声に耳を傾けるジュリー・キム

【宮柱】 私もジュリーと同様に、メンバー間の信頼を何より大事にし、チームが積極的にフィードバックし合える環境作りを意識しています。チームメンバーとの何気ない会話を楽しんだり、私自身に対して忌憚のない意見を積極的に求めたりしています。理想とするリーダー像は人によって違うと思いますが、私は現場に根差したリーダーシップを推進しています。好奇心をもって挑戦し、仲間とともに何かを成し遂げることにリーダーとしてのやりがいを感じます。このためには、自ら覚悟をもって行動することも大切です。

初めての海外勤務だったインドネシアで、オンコロジー領域の新製品発売に携わりました。少しでも早く患者さんが新薬を使える環境を整えるために、多くの関係者と複雑な交渉を繰り返しました。戦略や指針の設定も重要ですが、行動により変化を生み出せることを、ともに働く仲間にも示せたと思います。

現場のメンバーと意見を交換する宮柱明日香

ゆるがない価値観を軸に事業スピードを上げる


―「これからのタケダ」をどのようにしていきたいですか。

【宮柱】 不確実性が高い中でも、私たちがやるべきことはただ一つ、患者さんのために日々誠実な選択を積み重ね、イノベーションを継続することです。私は、本質を守りながら時代の変化を取り入れることを意味する「不易流行」という言葉が好きで、自身やタケダの姿と重ね合わせることがあります。

「タケダイズム」(誠実:公正・正直・不屈)

タケダが240年以上存在し続けられた理由は、患者さんへ貢献するという誠実な想いを持ち続けてきたからです。近江商人の「三方良し」の精神から始まったタケダの価値観は、1940年の「規(のり)」、2004年の「タケダイズム」(誠実:公正・正直・不屈)を経て、2015年には患者さんに寄り添い (Patient)、人々と信頼関係を築き (Trust)、社会的評価を向上させ (Reputation)、事業を発展させる (Business)という行動指針が加わりました。

このように、私たちは価値観や理念を時代に合わせて表現してきましたが、その本質は変わっていません。ともに働く仲間全員が、コアとなる価値観に立脚し「変化を恐れず挑戦する」ことを続けています。その挑戦を通じて、社会と共にタケダは成長してきました。

私たちにはすでに、同じ価値観を持つ仲間がおり、有望なパイプラインと製品展開が予定されています。少しでも早く患者さんへ医薬品をお届けするという私たちのミッションを、これからも遂行し続けます。

【ジュリー】 私も明日香と同じ考えです。事業環境や組織の形が変わったとしても、私たちの本質は変わりません。240年以上私たちを導いてきた価値観は、これからもタケダが進む道を照らし続けると思います。今後も「タケダらしさ」を守りながら、よりスピード感を持って患者さんに成果を届けたいと思います。私たちは幅広い領域の製品を取り扱っており、一日の遅れが患者さんに大きな影響を与える可能性を意識しなければなりません。

もちろん、品質やコンプライアンスが重要なのは言うまでもありません。社内のプロセスを改善しながら、今この瞬間も薬を待っている患者さんのために、できる全てのことを行います。タケダの価値観を土台に、スピード感と競争力を備えた組織へ進化し、世界中の患者さんへ必要な医薬品を届けていきます。

ジュリー・キムと宮柱明日香

Profile


ジュリー・キム

ジュリー・キム

30年以上ヘルスケア領域でキャリアを築き、さまざまな国や地域でリーダー職を務める。2019年に、シャイアー社の買収を機にタケダに入社。U.S. ビジネスユニット プレジデントなどのさまざまな要職を歴任し、U.S.カントリーヘッドとして米国市場での成長を牽引してきた。グローバルな視野とヘルスケア領域での多様な経験を活かし、力強く、協調性に長けたインクルーシブなリーダーシップスタイルを得意とする。タケダ取締役会より指名され、2026年6月から代表取締役 社長 CEOに就任予定。

宮柱 明日香

宮柱 明日香

タケダに新卒入社以来、20年にわたり製薬業界に従事し、国内外でリーダー職を務めてきた。日本国内でコマーシャルやメディカル部門を経験。その後、インドネシアでがん事業を立ち上げたほか、ベトナムでカントリー・マネジャーとして事業基盤を構築した。豊富な国際経験を生かし、グローバルレベルで変革を推進する。2024年4月より現職。2025年5月より、日本製薬工業協会 会長に就任。

※所属は撮影当時のものです。