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未来への懸け橋:リーダーが描く新章 | 武田薬品

クリストフとジュリー・キム

未来への懸け橋:リーダーが描く新章

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2025年12月23日

現CEOと次期CEOが、タケダの今後の事業とパイプラインについて語りました。

タケダは240年以上にわたり、患者さんを第一とする姿勢、存在意義、そして変わらぬ価値観を守り続けてきました。これまでのリーダーたちの下、ビジョンを持って事業環境の激しい変化を乗り越え、前に進み続けました。私たちは一貫してその価値観と、患者さんのために科学を前進させるという2つの変わらない主軸を守りつつ、組織を成長させてきました。

クリストフとジュリー・キムが話している

私たちは今、重要な転換点に立っています。現社長CEOのクリストフ・ウェバーの先見性あるアプローチにより、革新的な研究開発への取り組みが活性化し、タケダは真のグローバル企業として地位を確立しました。数年に及ぶ綿密な計画と、大胆な選択を経て築かれた複数の後期開発パイプラインが上市を目前に控える中、取締役会より次期CEOに指名されたジュリー・キムが、タケダの新たな章を導くべく、準備を進めています。

タケダの現在とこれからについて、現CEOと次期CEOが率直に語り合いました。

ジュリー・キム:

研究開発はタケダの事業の核となるものです。クリストフ、あなたはアンメット・メディカル・ニーズを持つ患者さんへの深いコミットメントを基盤に科学を追求すれば、必ず現実となる可能性が開かれるという戦略を繰り返し述べてきましたね。ここ数年の研究開発パイプラインの進展を見ると、その戦略の力強さがよく分かります。だからこそ私は、タケダがこれまで築いてきたものだけでなく、私たちが生み出す成果にも自信を持っています。タケダでの12年間を振り返り、今に至るまでにどのような意思決定があったのか、ぜひお話しいただけますか。

クリストフ・ウェバー:

ここに至る道のりは決して平たんではありませんでした。10年前のタケダは、ファースト・イン・クラスやベスト・イン・クラスの医薬品の創出や研究開発に、十分注力できていませんでした。そうした中、アンドリュー・プランプが研究開発部門のヘッドとして加わったことで、私たちは古いビジネスモデルから大きく方向転換しました。時間をかけて多くの開発候補品を整理し、注力すべき疾患領域を絞り込む一方で、中核となる疾患領域におけるモダリティを拡大していきました。その後も一貫して、研究開発パイプラインに集中することで、アンメット・メディカル・ニーズに応える高いポテンシャルを持つ開発候補品が着実に進展するよう取り組んできました。これには、非常に繊細なバランスが求められました。

アンメット・メディカル・ニーズ、科学的妥当性、開発の迅速性、商業的機会という視点から優先順位をつけ、現在の研究開発パイプラインに至っています。

6つの後期開発プログラムは、いずれも大きく進展しています。これらのプログラムは、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、消化器系・炎症性疾患の標準治療を再定義しながら、アンメット・メディカル・ニーズに応え、大きな価値を提供する可能性を持っています。研究開発への投資はこの10年でほぼ2倍になり、この投資が株主の皆さんに確かなリターンをもたらすと信じています。

ジュリー:

この歩みは、私たちの研究開発の卓越性を追求する姿勢だけでなく、患者さんのためにどのように持続的な価値を創出し、事業成長を図っているかを体現したものですね。より多くの患者さんに貢献するには、幅広い市場での製品展開に必要な規模の組織体制、リソース、そして専門性が欠かせません。また、地域ごとに異なる、患者さんや医師、そのコミュニティが抱える課題も理解しなければなりません。そしてもちろん、それぞれが持つ複雑な規制環境や医療制度も理解する必要があります。

いくつかの後期開発パイプラインの上市を控え、私たちは今、次の段階に入ろうとしています。私たちは約80の国と地域に拠点を持ち、かつてないほどに、必要とする患者さんに新しい医薬品を届けられる体制が整えられています。10年前、このような規模で事業展開することは、ただの目標に過ぎませんでした。それが今や、現実になっています。

クリストフ:

そうですね。例えば米国をみてみましょう。私が入社した当時、米国の従業員数は約2,000人に過ぎず、売上収益に占める割合は全体の20%未満でした。しかし現在では、およそ2万人の従業員を抱え、世界全体の売上収益の約50%を占めるまでとなり、戦略的な取り組みの多くも米国が要となっています。業界として考えると、米国はライフサイエンス分野において世界トップクラスの競争力をもち、かつイノベーションが生まれやすいエコシステムを構築してきました。一方で、最近ではそのような優位性も揺らぎつつあります。ジュリー、あなたが米国やグローバルの製薬業界で培ってきた豊富な経験は、転換期にあるタケダや業界全体の舵取りを担う上で、大きな力になるでしょう。

ジュリー:

製薬業界にとって、今は非常にダイナミックな時期であると同時に、多くの可能性に満ちた時でもあります。例えば、最新のAI技術により、この業界は急速に変わりつつあります。AIやその他の先端技術を活用したデジタルトランスフォーメーションの加速によって、創薬、開発、商業化を実現する能力は、確実に強化されています。これは、成長とインパクトを生み出しながら将来に備える取り組みの一環であり、クリストフ、あなたがその基盤をしっかりと築いてくれました。

同時に、株主の皆さんからこう問いかけられていることも理解しています。「こうしたテクノロジーによってもたらされる短期的および長期的なメリットは具体的に何なのか?」-。私はこうした質問を歓迎しています。私たちの投資は常に、患者さんや医療従事者、もしくはタケダに対して、現実的な価値を生み出すことを目指すべきだからです。ここで、データ、テクノロジー、AIへのこうした投資について、あなたの考えをお聞きしてみたいです。

クリストフ:

そうですね、投資によるリターンは、コスト効率やスピードの向上、より良い成果の創出など、さまざまな形で示すことができます。結論として、現在の事業環境で競争力を維持するためには、AIや最新のテクノロジーの活用が不可欠です。こうした背景もあり、私たちは数年前から、テクノロジーとデータの強固な基盤をつくるため、多方面にわたる変革に着手してきました。

そして、これらの取り組みを推進する原動力は、タケダの仲間一人ひとりです。ともに働く仲間が一丸となって、最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、それを生かしてもらいたいと考えています。そこには、事業運営の基盤となる仕組みの変革や、現在だけでなく将来の成功に不可欠な自動化や生産性向上につながる新しいスキルの習得も含まれます。すでに、この分野の変革は目まぐるしく進んでいますが、先を見据えると、あなたの任期中にもどんどん加速していくことでしょう。

ジュリー:

同感です。随分前から認識していた通り、AIやテクノロジーは、私たちの仕事を根本から変え、そしてあなたが言ったように、基礎研究から臨床応用に至る創薬のスピードを加速させます。未来を見据え、私たちはデータやAI、テクノロジーへの戦略的な投資や、私たち自身のスキルアップも含め、事業のあらゆる面で大胆な進化を遂げる必要があります。

クリストフ:

それらを踏まえて、タケダの未来を考える中で、ジュリー、あなたが一番楽しみにしていることは何ですか。

ジュリー:

まず、タケダの新たな時代に向けて、取締役会、ともに働く仲間たちや事業パートナーから信頼いただけていることを本当に光栄に思います。また、将来を見据えた準備を進めながら、事業の継続性を保てるよう、段階的なCEO職の移行プロセスを設けてもらえていることにも感謝しています。

そして、革新的な研究開発パイプラインの上市に向けた準備を進める中で、大きな期待に高揚しています。AIや最新のテクノロジーがもたらす可能性、従業員一人ひとりの価値観に根差した熱意が加わることで、タケダには患者さんのために成果を生み出す重要な要素が揃っています。私たちに今後求められることは、これまで築いてきた基盤を最大限に生かし、成長を加速させるとともに、品質と安全性を確保しながら、スピード感を持って事業を進め、革新的な製品を患者さんへ継続的に届けていくことです。私たちには明るい未来が待っています。そして私は、その未来を形作る一員となれることにワクワクしています!

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