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健康と事業に寄与する環境サステナビリティ | 武田薬品

太陽光発電パネル

健康と事業に寄与する環境サステナビリティ

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2026年4月14日

環境サステナビリティへの取り組みが私たちの事業に、そして患者さんへの持続的な医薬品提供にどのように寄与するのか、グローバル マニュファクチャリング&サプライ オフィサーが説明します。

トーマス・ウォスニフスキー写真
執筆:トーマス・ウォスニフスキー、グローバル マニュファクチャリング&サプライ オフィサー

地球の健康と人々の健康は切っても切り離せない関係にあります。大気が汚染され、水が枯渇し、生態系が圧迫されれば、私たちはその影響を地域社会の中で、そして私たちが医薬品を開発し患者さんにお届けする上で欠かせない自然体系全体で実感することになるでしょう。だからこそ私たちは、バリューチェーン全体を巻き込む包括的な戦略をもって環境負荷低減に取り組むことで、人々の健康と、逆境に負けないしなやかな強さを持つ事業の両方を促進しようとしているのです。

CO2排出量の削減


現在までに、タケダの20カ所以上の製造拠点において、独自の気候変動対策プログラムを通じて具体的な前進がありました。

100カ国以上の患者さん向けに血漿分画製剤を製造するウィーン工場では、オーストリア技術研究所と共同で、CO2を排出しない工業用途の蒸気発生技術を開発しました。その結果、次世代型ヒートポンプ(AHEAD)が誕生しました。これは、100%自然冷媒を使用して廃熱を利用可能なエネルギーに変換する新しいヒートポンプです。このシステムにより、CO2を排出せずに年間で7カ月間、11気圧(184℃)を超える蒸気を発生させることができます。これにより、製造プロセスに伴うCO2排出量を最大で80%削減できる可能性があります。さらに、このAHEADを通じて得られた知見を公開することで、業界全体でこうした技術の普及を後押ししています。

再生可能エネルギーの利用も拡大させています。スイスのヌーシャテル工場や米国カリフォルニア州のサウザンドオークス工場など、20を超える製造拠点で太陽光発電設備が導入され、6ギガワット時の電力が現地で発電されています。欧州、米国、日本の製造拠点で消費する電力についても、再生可能エネルギー由来の電力、またはバーチャル電力購入契約VPPA(欧州および米国)を通じて調達しています。こうしたすべての取り組みの結果、事業活動に伴う温室効果ガス(Greenhouse Gas 、GHG)排出量は2016年度の基準値から55%削減され、2035年度までに自社の事業全体でGHG排出量をネットゼロ* にするという目標の実現に近づきつつあります。

さらに、航空輸送から海上輸送への切り替えによって、物流ネットワークの最適化を図っています。2025年度の海上輸送率は56.6%となりました。例えば、私たちの製品の1つを海上輸送に切り替えたことで、輸送1回あたり欧州からカナダのルートでは17トンのCO2eを、欧州からブラジルのルートでは12トンのCO2eを削減し、輸送コストも抑えられました。また、欧州と中国間でも同様に海上輸送へと切り替えたところ、航空輸送と比べて輸送コストを65%削減し、CO2eは980トン、つまり99%削減できました。

タケダのGHG排出量の90%はサプライチェーンに由来しています。そのため私たちは、実用的なソリューションを提示するなど、取引先に対しても排出量削減に向けた行動を促しています。製薬業界のサプライヤーによる再生可能エネルギーの購入を支援するプログラムであるEnergizeGo to https://zeigo-hub.zeigo.com/ui/program/Energizeの創設メンバーであることも、そうした取り組みの一環です。

「環境問題は非常に規模が大きく、誰かが単独で対処できるものではありません。だからこそ私たちは、一丸となって、実効性があり広範囲におよぶ影響を生みだそうと取り組んでいます。そして、サプライヤーやパートナー、同業各社を含む医療分野全体にも、その輪への参加を呼びかけています」

トーマス・ウォスニフスキー、グローバル マニュファクチャリング&サプライ オフィサー

天然資源の管理


人々の暮らしを豊かにする医薬品をお届けしていけるかどうかは、自然界の状況によって大きく左右されます。そのため私たちは、天然資源を大切に管理するよう努めています。

大阪工場では、デジタルテクノロジーを活用して水の使用状況をリアルタイムで可視化しています。その結果、年間取水量を200万リットル、蒸留水の消費量を45万リットル節約できるようになりました。ベルギーのレシーヌ工場では、廃水の最大90%をリサイクルし、製造に再利用しています。この量は、ベルギーの約1万8,000人の年間水消費量に相当します。 こうしたさまざまな活動により、タケダは事業を拡大させつつも、世界全体での取水量を2019年度から7%削減できました。そして私たちは、2030年度までにこの削減率を10%にすることを目指しています。

米国アラバマ州フーバーとジョージア州コビントンの各拠点では、プラスチック製のボトルや試験管を殺菌・粉砕する専用設備を導入し、医療廃棄物をリサイクル可能な状態に処理しています。これにより、コビントンだけでも年間約771トン(170万ポンド)以上の廃棄物の埋め立てを抑制しています。こうした取り組みにより、2019年度以降、廃棄物の75%を埋め立てから回避できています。目標は2030年度までに埋め立てゼロを達成することです。

よりサステナブルな製品の開発


製品が環境に与える影響の最大80%は、その設計段階で決まります。そのため私たちは、開発の初期段階からサステナビリティを考慮するようにしています。こうした取り組みを進めていく手段として、タケダではMy Green Lab® 認定プログラムを導入しています。R&Dチームや品質ラボチームは、このプログラムを活用して、環境サステナビリティの14カテゴリに基づいて評価や対応を実施しています。

包装材料のサステナビリティ向上に関しては、軽量化、リサイクル性の改善、リサイクル板紙や森林管理協議会(FSC)認証紙の優先採用に取り組んでいます。また、電子リーフレットへの移行により、紙の使用量も減らしています。これにより、視覚障害のある患者さん向けの読み上げアプリなどを通じて医薬品情報へのアクセスもより簡単になり、患者さんの利便性も向上しています。現在、使用する紙および板紙の73%を持続可能な森林やリサイクル資材から調達しており、2030年度までにこの割合を95%にするのが目標です。

価値の創出


持続可能な事業を築くには、高い志を持った大胆な取り組みと、適切なパートナーが欠かせません。気候変動や自然環境、製品の持続可能性に力を入れることで、事業活動の効率化やコスト削減、環境面や健康面での具体的なメリットにつながっています。こうした取り組みが評価され、CDPの気候変動Aリストにも4年連続で選出されています。

特に重要なのは、私たちが、環境と人々の健康との結びつきを理解した上で事業に取り組んでいる点です。環境問題は非常に規模が大きく、一社が単独で解決できるものではありません。だからこそ私たちは、サプライヤーやパートナー、同業各社の皆さんと一緒に、広範囲におよぶ影響をつくりだしていきたいと考えています。志を共有し力を合わせれば、人々や地域社会、地球にとって確かな前進につなげられるのです。

*ネットゼロとは、温室効果ガスの大気への放出量と、大気からの除去量が均衡した状態を指します。タケダは、 科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)のネットゼロ基準に準拠しています。 **CO2e (二酸化炭素相当量)は、さまざまな温室効果ガスが気候に与える影響を評価するための標準化された単位です。

※所属・役職は原文(英語版)制作当時のものです

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