ナルコレプシータイプ1のさまざまな症状およびQOLの改善を示したオベポレクストン(オーゼイフル®錠)第3相臨床試験結果の『The New England Journal of Medicine』掲載について | 武田薬品
ナルコレプシータイプ1のさまざまな症状およびQOLの改善を示したオベポレクストン(オーゼイフル®錠)第3相臨床試験結果の『The New England Journal of Medicine』掲載について
- 第3相臨床試験において、有意かつ臨床的に意義のある改善が確認され、オベポレクストンが個々の症状の管理にとどまらない、ナルコレプシータイプ1の治療のあり方を変える可能性を示唆
- オベポレクストンの忍容性および安全性プロファイルはこれまでの臨床試験結果と一貫
- オベポレクストンは、ナルコレプシータイプ1を引き起こすオレキシン欠乏に対処するよう設計された初めてかつ唯一のオレキシン受容体作動薬であり、現在、米国、中国および日本において承認されているほか、その他の国・地域においても承認申請手続が進行中
当社は 2026年9月9日(米国時間)、経口のオレキシン2受容体(OX2R)作動薬であるオベポレクストン(日本製品名:オーゼイフル®錠、以下「本剤」)について、ナルコレプシータイプ1(NT1)患者さんを対象に実施した2つの第3相臨床試験の結果が、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されたことをお知らせします。1 オベポレクストンは、NT1を引き起こすオレキシン欠乏に対処するよう設計された初めてかつ唯一の治療薬です。
第3相臨床試験FirstLight(TAK-861-3001)の治験責任医師であるEmmanuel Mignot医学博士(M.D., Ph.D.)は、「NT1の患者さんは、一日を通してさまざまな症状に直面しており、それらは日常生活に大きな影響を及ぼします。今回掲載された第3相臨床試験では、こうしたNT1の症状に関連し、複数の評価項目を用いてオベポレクストンの有効性および安全性が評価されました」と述べています。
NT1は、オレキシン欠乏によって引き起こされる慢性かつ希少な神経疾患です。NT1の患者さんは、日中の過度の眠気(EDS)、情動脱力発作(カタプレキシー:突然の筋緊張の消失)、夜間睡眠の分断、睡眠麻痺、幻覚、認知機能に関する症状など、日中および夜間にわたるさまざまな症状を経験します。24時間にわたって影響するこの疾患は、仕事、学業、社会的な交流を含む、患者さんの日常生活の多くの側面に深刻な影響を及ぼすことがあります。
当社のニューロサイエンス領域ユニットヘッド兼グローバル開発ヘッドであるサラ・シーク(M.Sc., B.M., B.Ch., MRCP)は、「私たちは、NT1が患者さんに及ぼす影響について長年にわたり研究を重ねてきました。その知見を踏まえ、疾患の複雑性や患者さんの実際の経験を反映できるよう、包括的な第3相臨床開発プログラムを設計しました。今回、NT1のさまざまな症状に対して確認された影響は、オベポレクストンが患者さんの治療のあり方を変革する可能性を示しています。本試験に参加いただいた患者さん、ご家族・介護者の皆さん、ならびに医療関係者の皆さんに心より感謝申しあげます。また、初めてのオレキシン作動薬をNT1の患者さんにお届けできることを大変うれしく思います」と述べています。
FirstLight試験およびRadiantLight試験の概要
FirstLight試験(TAK-861-3001)では168例の患者さんが登録され、3つの投与群(1日2回2mg群、1mg群、およびプラセボ群)のいずれかに無作為に割り付けられました。RadiantLight試験(TAK-861-3002)では105例の患者さんが登録され、2つの投与群(1日2回2mg群およびプラセボ群)に無作為に割り付けられました。両試験では、主要評価項目および副次評価項目を含む14項目の評価指標を用いて、12週間にわたりオベポレクストンの疾患全体への影響をプラセボと比較して評価しました。また、試験を完了した参加者の95%以上が、現在進行中の長期継続投与試験(LTE)に登録されました。
The New England Journal of Medicine に掲載されたデータには、主要評価項目および重要な副次評価項目における有効性の結果に加え、オベポレクストンの安全性および忍容性に関する結果が含まれています。また、生活の質(QOL)や疾患重症度を評価した追加の副次評価項目および探索的評価項目の結果についても報告されています。
有効性に関する結果
- 2つの第3相臨床試験において、オベポレクストンは12週間にわたり、覚醒維持、眠気、カタプレキシー、疾患重症度およびQOLに関する評価項目において、すべての用量群でプラセボと比較して一貫した、臨床的に意義のある統計学的に有意な改善を示しました(p<0.001)。これらの改善は各評価項目における最も早い評価時点から認められ、試験期間を通じて維持されました。
- 12週時点における週間カタプレキシー発現頻度の中央値の減少率は、オベポレクストン群で79.0%~88.8%であったのに対し、プラセボ群では27.7%~39.1%でした。
- オベポレクストンは、ナルコレプシー重症度評価尺度(NSS-CT)において、EDS、カタプレキシー、入眠時幻覚、睡眠麻痺などのすべての評価領域で、両用量群において疾患重症度を改善しました。また、夜間睡眠の分断に関する評価領域では、2mg投与群で改善が認められました。さらに、オベポレクストンを投与された患者さんの70%超が、NSS-CTにおける最も低い重症度区分(軽症:スコア0~14)に到達しました。
- 患者自己評価による全般的改善度評価尺度(PGI-C)では、オベポレクストンを投与された患者さんのほぼ全員(97%)が、ナルコレプシー症状全般の改善を報告しました。
- すべての用量群において、覚醒維持検査(MWT)の正常域(20分以上)およびエプワース眠気尺度(ESS)の正常域(10点以下)を達成しました。また、副次評価項目であるSF-36および探索的評価項目であるEQ-5D-5Lにより評価したQOLについても、オベポレクストンを投与された多くの患者さんが正常範囲に到達またはそれを上回りました。2.3
安全性に関する結果
- これまでの臨床試験結果と一貫して、両試験で最も多く報告されたオベポレクストン投与下で発現した有害事象(TEAE)は、一過性の不眠、尿意切迫感、頻尿および唾液分泌過多でした。
- 多くのTEAEは軽度から中等度であり、投与開始後2日以内に発現し、医学的介入を必要としませんでした。
- 不眠に関する事象の大半は1週間以内に消失し、一般的な不眠症とは異なり、日中の活動や機能に影響を及ぼしませんでした。また、尿路関連事象の約半数は12週までに消失し、継続した事象についてもすべて軽度または中等度でした。
オベポレクストンは、個々の症状の管理ではなく、疾患そのものの治療を適用として、米国、中国および日本で承認されている初めてかつ唯一のオレキシン作動薬です。現在、その他の国・地域においても承認申請手続が進められており、より多くのNT1患者さんにオベポレクストンをお届けすることを目指していきます。
オベポレクストン(日本製品名:オーゼイフル®錠)について
本剤は経口のOX2R選択的作動薬であり、OX2Rを選択的に刺激することでオレキシンシグナルの低下を回復させ、NT1を引き起こす原因となるオレキシン欠乏に対処します。本剤は、OX2Rを活性化することにより、覚醒を促進し、カタプレキシーを含む異常なレム(急速眼球運動:REM)睡眠に関連する現象を軽減するよう設計されており、承認された効能又は効果の通り、臨床試験で評価された日中および夜間にわたるさまざまな症状に対応します。
武田薬品のオレキシンフランチャイズについて
当社は、前臨床および臨床段階にある開発中のオレキシン作動薬を戦略的に取りそろえたポートフォリオにより、複数の睡眠・覚醒障害や、呼吸、気分、代謝といったオレキシンが関与するその他の疾患領域に取り組む、オレキシンサイエンスのリーディングカンパニーです。オベポレクストンは、当社のオレキシンフランチャイズにおける主要なOX2R選択的作動薬であり、中国において、NT1を有する16歳以上の青年および成人の治療薬として、また米国および日本において、成人のNT1の治療薬として承認されました。また、TAK-360は当社のオレキシンフランチャイズにおける次世代の経口OX2R作動薬であり、NT1、ナルコレプシータイプ2および特発性過眠症の患者さんを対象として開発を進めています。さらに、TAK-495を含む追加のオレキシン作動薬の開発にも取り組んでいます。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。
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- Dauvilliers Y, Mignot E, Antczak J, et al. Oveporexton for Narcolepsy Type 1: Results from Two Phase 3 Trials. New England Journal of Medicine 2026.
- Jiang R, Bas Janssen MF, Pickard AS. US population norms for the EQ-5D-5L and comparison of norms from face-to-face and online samples. Qual Life Res 2021;30:803-16.
- Maruish, M. E. User's Manual for the SF-36V2 Health Survey 2011. Lincoln, RI. 3rd ed.