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武田薬品とVELA社、世界初の風力三胴船による大西洋横断の医薬品輸送について | 武田薬品

武田薬品とVELA社、世界初の風力三胴船による大西洋横断の医薬品輸送について


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2025年9月19日
  • VELA社は、欧州-米国間の航海時に100%風力で航行する世界初の貨物三胴船を運航
  • 武田薬品は、VELA社の風力三胴船で自社医薬品を輸送する初のバイオ製薬企業に - 製薬業界における環境に配慮したサステナブル輸送の新時代を開く

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK、以下「武田薬品」)とVELA Transport社(以下「VELA社」)はこの度、事業提携を発表しました。これにより武田薬品は、VELA社の世界初となる貨物三胴帆船を活用し、欧州-米国間で自社医薬品を輸送する初のバイオ製薬企業となります。VELA社が設計し、今後運航を開始する新世代の貨物三胴船は、海上では100%風力で航行します1。医薬品輸送専用に設計されたこの船により、VELA社は、信頼性と安全性に優れ、超低排出を実現した海上輸送を提供します。初航海は2026年後半を予定しています。

風力を活用したこの新しい海上輸送は、製薬業界に向けた環境配慮型の選択肢となり、輸送に伴う温室効果ガス排出量を航空輸送比で最大99%、コンテナ船比で最大90%削減します2。削減されない排出量は、主に港への着岸時に必要となる最小限のエンジン使用によるものです。三胴船には、VELA社の「CoolSafe」が搭載されます。これは、適正流通基準(GDP)に準拠した温度管理可能な冷蔵システムで、船上で発電された再生可能エネルギーによって稼働します。この海上輸送における革新的な仕組みにより、コールドチェーンの完全性を確保しつつ、製品の安全性と品質を維持するために必要な高度な物流性能を実現します。この新しい輸送ソリューションは、優れた運用と環境サステナビリティの両立を示すものです。

当社はグローバルバイオ製薬企業のリーダーとして、2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量をネットゼロにすることを目標に、事業活動や医薬品供給のあらゆる側面に気候変動への適応施策を組み込んでいます。VELA社は、オフショアレーシング技術、直行航路、代替港での効率的な港湾運営といった強みを活かし、コンテナ船よりも短い15日以内で大西洋横断輸送を実現することを目指しています。また、2028年までに三胴船を5隻に拡充し、年間4万8,000トンの貨物輸送を計画しています。

この三胴船は安定性を重視した設計により、水バラストを使用しない世界で唯一の貨物帆船となる予定です。水バラストは異なる生態系に外来種を運ぶ可能性がありますが、この設計では外洋に水を排出する必要がなく、海洋生物の多様性への影響を低減できます。これは、事業活動を通じて自然保護を推進するタケダの取り組みにも合致しています。

地球の健康と人々の健康は深く結びついています。当社はその理解のもと、この提携を進めました。
当社のカスタマーエクスペリエンス、グローバル ディストリビューション&ロジスティクスヘッドを務めるザビエル・バヴィルは、「VELA社と私たちは、事業をよりサステナブルにすることで地球を守り、革新をもたらそうという共通の情熱を抱いていると強く感じています。当社には、よりサステナブルで効率的な輸送手段を活用する戦略があります。帆船での輸送はその戦略を後押しする力強い一歩です。欧州-米国間を再び貨物帆船で航行させることは、チーム全員にとってまさに冒険であり、大きなモチベーションとなっています」と述べています。

VELA社CEOのピエール=アルノー・バロンは、「武田薬品と提携できることを心から誇りに思います。同社の価値観や歴史、そして卓越を追求する姿勢に私たちも大いに刺激を受けています。今回の提携は物流の枠を超え、当社のミッションに新たな意味を与えるものです。風の力だけで大西洋を越えて人々の暮らしを豊かにする医薬品を届けることは、サステナブルな事業活動が成し得る力強い証です。武田薬品とともに、効率的で、サステナブルで、安全かつ柔軟性のある海上輸送の新しい基準を築いていくのを楽しみにしています」

三胴船は、無限にリサイクル可能なアルミニウムのみを使用して建造されます。さらに、設計段階からすべての部品が分解可能となっており、リサイクルや再利用を前提に、VELA社の他の船やその他の用途に活用できます。

こうした革新的な提携は、削減が難しいスコープ3排出カテゴリーへの対応を加速するうえで極めて重要であり、医薬品サプライチェーンの脱炭素化を業界の先頭に立って推進しようとする当社の大きな目標にもつながります。私たちは、気候変動へ適応するヘルスケアシステムによって世界の健康レベルを高め、分野を超えた協働によって人と地球の双方に進展と革新をもたらす未来の実現に強い決意で取り組んでいます。VELA社にとっても、今回の提携は海上輸送業界の脱炭素化を進めるという同社のミッションにおける重要な節目となります。

英語版プレスリリースはこちら
Please find the English press release from here

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細についてはwww.takeda.comをご覧ください。

VELA社について

VELA Transport社は、100%風力で航行する新世代の貨物帆船を設計・運航し、迅速かつ信頼性が高く、脱炭素化を強力に推進する国際輸送ソリューションを提供しています。最先端の海上レーシング技術と高度な物流サービスを融合させることで、従来の航空・海上輸送に代わる新たな選択肢を実現しています。顧客は、最大99%のCO₂排出削減、輸送リードタイムの短縮、製品の信頼性・追跡可能性の向上(温度に敏感な製品向けの冷蔵輸送も対応)といったメリットを享受できます。現在は欧州-米国間航路に注力し、大西洋を15日以内で結んでおり、将来的には航路の拡大も計画しています。同社は、パフォーマンスとサステナビリティを両立させ、国際輸送の新しい基準を築きながら、地球規模の輸送が環境に与える影響を大幅に削減することを使命としています。詳細は VELA のウェブサイトGo to https://vela-transport.com/をご覧ください。

三胴船に関する情報

  • 100%風力で航行する大西洋横断船(エンジンは操船時のみ使用)
  • 積載量:600ユーロパレット(または500米国パレット)
  • 全船稼働で週1便運航
  • 医薬品基準準拠の温度管理倉庫(2~8℃/15~25℃)
  • サイズ:全長220フィート(65m)、全幅82フィート(25m)、高さ171フィート(52.2m)のマスト2本
  • 平均速度14ノット、12~15日で大西洋横断
  • 船内電力:240㎡超の太陽光パネルと水力発電装置2基
  • 生物多様性保護:帆走時、バラスト水なし、有害燃料なし、海中騒音なし
  • 社会的側面:フランス籍で運航し、船員はフランスおよびEUの労働基準法の適用を受ける

メディア関係お問い合わせ先:

武田薬品工業:メディアリレーションズ

[email protected]

VELA社:Kalamari Agency

Kelly Wright / Natacha Favry

[email protected]

電話: +1351-2183-604

武田薬品の将来に関する見通し情報

本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件並びに国際貿易関係に関する状況を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、税金、関税その他の貿易関連規則を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組み、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

References

  1. 船が海上で帆走している間、VELAは排出ゼロで推進を行います。港内では、主に電力(バッテリー、太陽光、水力発電由来)を使用し、バックアップとして船舶用ディーゼルを用いることで、すべての現地の海事規制を遵守します。
  2. 現在のスコープは、ADEME(フランス環境・エネルギー管理庁)およびSmart Freight Centreによって定義されています。VELAは、第三者機関による独立したライフサイクルアセスメント(LCA)を通じて、その環境影響を測定しました。採用された手法は、利用可能な中でも最も厳格なものの一つで、すべての排出を算定対象とし、気候への影響を明確かつ包括的に示します。この研究全体の結論として、VELAは米国-欧州間の比較可能な航路において、他のいかなる輸送手段よりも気候への影響が最も低いことが示されました。