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ナルコレプシータイプ1を対象としたoveporexton(TAK-861)の2つの重要な第3相臨床試験における良好なトップライン結果について | 武田薬品

ナルコレプシータイプ1を対象としたoveporexton(TAK-861)の2つの重要な第3相臨床試験における良好なトップライン結果について


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2025年7月14日
  • 両第3相臨床試験は、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成し、すべての用量群において症状全般にわたって統計学的に有意な改善を示し、第2b相臨床試験の結果がさらに裏付けられた
  • oveporextonは、第3相臨床試験において概ね良好な忍容性を示した
  • ナルコレプシータイプ1の患者さんにoveporextonを一刻も早くお届けすることを目指し、承認申請と上市準備を迅速に推進
  • 本結果は、ナルコレプシータイプ1を引き起こす原因に対処することによる標準治療の変革に向けた重要な一歩であることを示した

当社は本日、ナルコレプシータイプ1(NT1)を対象とした、ファースト・イン・クラスとなる可能性を持つ経口オレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬であるoveporexton(TAK-861)の2つの第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験において、すべての主要評価項目および副次評価項目が達成されたことをお知らせします。NT1は、脳内のオレキシン産生ニューロンの消失によって引き起こされます。オレキシン作動薬は、この根底にあるオレキシン欠乏に対処するように設計されています。この作用機序は、第3相臨床試験で初めて検証され、広範な症状に有意な改善が示されました。これらの結果は、oveporextonが標準治療を変革する可能性を裏付けています。

当社代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバーは、「oveporextonプログラムの重要なマイルストンを達成できたことを大変嬉しく思います。oveporextonは、NT1のように治療が困難な疾患に対して、新しいクラスの医薬品を創出・開発し、患者さんにお届けするという当社の強みを象徴しています。オレキシンの研究における当社のリーダーシップと、革新的な可能性を秘めた複数の新薬候補からなるオレキシンフランチャイズを構築することで、当社は将来の長期的な成長に向けた確固たる基盤を築いています」と述べています。

FirstLight(TAK-861-3001)およびRadiantLight(TAK-861-3002)試験は、19カ国で実施された2つの大規模な国際共同第3相臨床試験です。両試験ともにプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示し、12週時点において、すべての用量群で、すべての主要評価項目および副次評価項目のp値は<0.001でした。主要評価項目および副次評価項目として評価した客観的および主観的な指標である覚醒度、日中の過度の眠気、情動脱力発作(カタプレキシー)、持続的注意力、全般的な生活の質および日常生活機能などの検討した幅広い症状において、統計学的に有意かつ臨床的に意義ある改善が認められ、ほぼ正常範囲に達しました。

oveporextonの忍容性は概ね良好であり、第3相臨床試験で得られた安全性プロファイルは第2b相臨床試験を含むこれまでの試験と同様でした。治験薬と関連のある重篤な有害事象の報告はありませんでした。主な有害事象は不眠、尿意切迫および頻尿でした。試験を完了した被験者の95%以上が実施中の長期継続投与試験に組み入れられました。

当社リサーチ&デベロップメント プレジデントのアンドリュー・プランプは、「これらの臨床試験に参加された患者さんとそのご家族、治験担当医の先生方および臨床スタッフの皆さんに感謝いたします。この可能性のある治療薬をNT1患者さんに一刻も早くお届けするために、両試験はこれまでにないスピードで実施されました。第3相臨床試験の包括的な評価は、第2b相臨床試験で見られた革新的な結果と一貫しており、ほとんどの被験者が12週間の投与期間終了時に広範な症状において、正常範囲を示し、また、臨床的に意義ある改善が報告されました。この良好な結果は、当社の後期開発パイプラインの継続的な勢いをさらに強化するものであり、世界中の患者さんに価値をもたらすことができると確信しています」と述べています。

当社は、今後の医学学会で結果を発表する予定であり、2025年度中に米国食品医薬品局および世界各地の医薬品規制当局に新薬承認申請を行う予定です。

第3相臨床試験の結果が、2026年3月31日に終了する会計年度(2025年度)の通期連結業績予想に与える影響は軽微です。

ナルコレプシータイプ1(NT1)とオレキシンサイエンスについて

NT1は慢性かつまれな神経疾患であり、日中の過度の眠気(Excessive Daytime Sleepiness, EDS)、カタプレキシー、夜間の睡眠障害、睡眠麻痺、入眠時または覚醒時の幻覚など、日常生活に支障をきたす症状を引き起こします。さらに、NT1患者さんは、明瞭に思考すること、記憶すること、集中すること、注意を払うことの困難などの認知症状を報告することが多くあります。NT1は、覚醒や睡眠を調節する脳内のオレキシン産生ニューロンの消失によって発症します。オレキシン産生ニューロンは、オレキシン受容体の活性化により注意力などの他の機能にも不可欠であると考えられています。現在の標準治療は対症療法に限られており、患者さんが直面する症状の一部に部分的にしか対処できていない可能性があります。

oveporexton(TAK-861)について

oveporexton(TAK-861)はOX2R選択的作動薬として開発中であり、OX2Rを選択的に刺激してシグナル伝達を回復させ、NT1を引き起こすオレキシン欠乏に対処します。OX2Rを活性化することにより、覚醒を促進し、カタプレキシーや、異常な急速眼球運動(Rapid Eye Movement, REM)睡眠関連の症状を軽減して、日中および夜間の広範な症状に対処するように設計されています。

FirstLightおよびRadiantLight第3相臨床試験について

FirstLight(TAK-861-3001;NCT06470828Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT06470828?term=tak-861&rank=3)およびRadiantLight(TAK-861-3002;NCT06505031Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT06505031?term=tak-861&rank=4)は、NT1患者さんを対象に、12週間にわたりoveporextonの有効性、安全性および忍容性をプラセボと比較評価する国際、多施設共同、プラセボ対照試験です。これらの試験は19カ国で実施され、登録は6カ月以内に完了しました。FirstLight試験には168例が登録され、3つの投与群(高用量群、低用量群およびプラセボ群)のいずれかに無作為に割り付けられました。RadiantLight試験には105例が登録され、2つの投与群(高用量群およびプラセボ群)に無作為に割り付けられました。両試験の主要評価項目は、覚醒の標準的な指標である覚醒維持検査(Maintenance of Wakefulness Test, MWT)で測定したEDSの改善でした。主な副次評価項目は、エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale, ESS)で評価したEDSおよびカタプレキシーの評価指標である週1回のカタプレキシー発現率(Weekly Cataplexy Rate, WCR)の改善でした。また、これらの試験では、被験者の持続的注意力、被験者の全般的な生活の質、ナルコレプシー症状の範囲および日常生活機能に対するoveporextonの影響、ならびにoveporextonの安全性および忍容性も評価しました。

睡眠覚醒障害に対するタケダのオレキシン作動薬について

当社は、複数の新薬候補によりオレキシンサイエンス分野をリードしています。オレキシンは、睡眠および覚醒パターンの重要な調節因子であり、注意、気分、代謝および呼吸を含むその他の重要な機能に関与しています。oveporexton(TAK-861)は、当社のオレキシンフランチャイズにおけるOX2R作動薬のリードプログラムであり、米国食品医薬品局および中国国家医薬品監督管理局からNT1における日中の過度の眠気の治療に対するブレークスルーセラピーの指定を受けています。当社はまた、オレキシン神経ペプチドの濃度が正常範囲内の患者集団を対象とした他のオレキシン作動薬についても開発を進めています。これには、ナルコレプシータイプ2、特発性過眠症およびオレキシンシグナルの伝達が関与する可能性のある他の適応症の治療薬として開発中の経口OX2R作動薬であるTAK-360が含まれます。

武田薬品について


武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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