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米国食品医薬品局(FDA)によるフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者さんを対象としたアイクルシグ®(一般名:ポナチニブ塩酸塩)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認について

米国食品医薬品局(FDA)によるフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者さんを対象としたアイクルシグ®(一般名:ポナチニブ塩酸塩)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認について


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March 21, 2024
  • アイクルシグは米国において承認された初めてかつ唯一のPh+急性リンパ性白血病(ALL)を対象とした化学療法併用下の一次治療での標的治療薬となる

  • 新規の主要評価項目である微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率に基づくPh+ ALLを対象とした初のFDA承認

  • アイクルシグがイマチニブと比較してMRD陰性完全寛解率における優越性と、同等の安全性を示した臨床第3相PhALLCON試験のデータに基づく迅速承認

当社は、2024年3月19日(米国時間)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者さんの化学療法併用下での治療薬としてのアイクルシグ®(一般名:ポナチニブ塩酸塩、以下「アイクルシグ」)について、米国食品医薬品局(FDA)より、医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認を取得しましたのでお知らせします。本適応症は、導入療法終了時の微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率に基づく迅速承認において承認されました。本適応症の承認継続には、検証試験における臨床的有用性の確認と説明が条件となる場合があります。本迅速承認申請は優先審査指定を受け、リアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)プログラム(完全な申請書を提出する前に申請の構成要素の審査を可能にすることでがん治療薬の提供を迅速化することを目的とするFDAイニシアチブ)下で評価されました。

当社のオンコロジーのチーフ・メディカル・オフィサーであるAwny Farajallah, MDは、「今回のアイクルシグの適応拡大はとても喜ばしいマイルストーンであり、Ph+ ALLと新たに診断された米国の成人患者さんは、承認された標的治療薬を一次治療で使用できるようになります。当社は、アイクルシグが有するこれらの患者さんの治療における大きなギャップを埋める可能性が、FDAにより認められたことを嬉しく思っており、これによりこの希少かつ急速進行性のがん患者さんにもたらされるインパクトを目にすることを楽しみにしています」と述べています。

今回の承認は、Ph+ALLと新たに診断された成人患者さんを対象とした初のグローバル臨床第3相登録直接比較試験であるPhALLCON試験のデータに基づいています。本試験では、患者さんに強度減弱化学療法併用下でアイクルシグまたはイマチニブのいずれかを投与し、主要評価項目である導入療法終了時のMRD陰性CR率を達成しました。この評価項目は、FDAに準拠して定義された複合エンドポイントであり、深い分子的・臨床的奏効を反映し、Ph+ ALL患者さんの長期アウトカムの改善に関する重要な予後指標です。アイクルシグはイマチニブと比較して優越性を示し、アイクルシグの投与を受けた患者さんは導入終了(サイクル3)時にMRD陰性CR率の2倍以上の改善を達成しました。本試験において、アイクルシグの安全性プロファイルはイマチニブと同等であり、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

PhALLCON試験の治験責任医師であるテキサス大学のMD Anderson Cancer CenterのElias Jabbour, MDは、「Ph+ ALLはきわめて進行性の高いがんであり、患者さんは予後不良に苦しんでいます。変異の発生を抑制し、一次治療で深い反応を引き起こすことができる強力なTKIが長い間必要とされてきました。ポナチニブはこれらの要因に取り組む上で有用となり、長期アウトカムに影響を及ぼす可能性があります」と述べています。

アイクルシグはチロシンキナーゼ阻害薬であり、米国において、Ph+ ALLと新たに診断された成人患者さんの化学療法との併用下での治療に適応となります。本適応症は、導入療法終了時の微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率に基づく迅速承認において承認されました。本適応症の承認継続には、検証試験における臨床的有用性の確認と説明が条件となる場合があります。加えて、他のチロシンキナーゼ阻害薬が適応とならないPh+ ALLもしくはT315I陽性Ph+ ALL、少なくとも2種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬による前治療に抵抗性または不耐性を示す慢性期(CP)のCML、他のチロシンキナーゼ阻害薬が適応とならない移行期(AP)もしくは急性転化期(BP)のCML、またはT315I陽性CML(慢性期、移行期、急性転化期)の単剤療法に適応とされています。アイクルシグはCP-CMLと新たに診断された患者さんの治療を適応としておらず、同患者さんの治療薬として推奨されません。

PhALLCON試験について

PhALLCON試験は、Ph+ ALLと新たに診断された成人患者さんの一次治療として強度減弱化学療法併用下でのアイクルシグとイマチニブの有効性および安全性を評価する臨床第3相無作為化国際非盲検多施設試験です。

計245名の患者さんを2:1の割合で強度減弱化学療法併用下でのアイクルシグ群またはイマチニブ群に無作為に割り付けました。患者さんの年齢中央値はアイクルシグ群で54歳、イマチニブ群で52歳でした。164名にアイクルシグを開始用量30 mg/日で投与し、81名にイマチニブを開始用量600 mg/日で投与しました。すべての患者さんに寛解導入期、地固め療法期、および維持療法期を通して強度減弱化学療法併用下でアイクルシグまたはイマチニブのいずれかを投与しました。併用療法の後は、CRからの再発、進行(PD)、造血幹細胞移植(HSCT)、代替療法の開始または許容不能な毒性が発生するまでアイクルシグまたはイマチニブの単剤が継続されました。本試験の主要評価項目は、寛解導入終了(3サイクルの投与)時のMRD陰性CR率でした。本試験の重要な副次評価項目である無イベント生存期間については、まだ十分なデータが得られていません。

フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)について

Ph+ ALLはALLの希少な1種で、米国の成人のALL患者さんの約25%が罹患しています。フィラデルフィア染色体として知られる異常遺伝子の存在が特徴です。フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)の患者さんの場合、異常染色体は9番染色体と22番染色体の断片が相互に入れ替わる時に形成されます。その結果、通常より長い9番染色体と短い22番染色体が形成され、BCR-ABL1の発現につながり、Ph+ ALLに結び付きます。

アイクルシグ®(ポナチニブ塩酸塩)錠について

アイクルシグは、CMLとPh+ ALLで発現する異常なチロシンキナーゼであるBCR-ABL1を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬です。アイクルシグはコンピューターと構造に基づく医薬品設計プラットフォームを使用して開発されたがん分子標的治療薬であり、特別にBCR-ABL1およびその変異体の活性を阻害するように設計されています。アイクルシグは、ネイティブのBCR-ABL1に加え、最も抵抗性の強いT315I変異を含め、治療抵抗性のあるBCR-ABL1変異すべてを阻害します。この変異は、他のすべての既承認のTKIに対する抵抗性と関連しています。アイクルシグは、2016年11月にFDAより全面的な承認を取得しました。アイクルシグはチロシンキナーゼ阻害薬であり、米国において、Ph+ ALLと新たに診断された成人患者さんの化学療法との併用下での治療に適応となります。本適応症は、導入療法終了時の微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率に基づく迅速承認において承認されました。本適応症の承認継続には、検証試験における臨床的有用性の確認と説明が条件となる場合があります。加えて、他のチロシンキナーゼ阻害薬が適応とならないPh+ ALL、T315I陽性Ph+ ALL、少なくとも2種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬による前治療に抵抗性または不耐性を示す慢性期(CP)のCML、他のチロシンキナーゼ阻害薬が適応とならない移行期(AP)もしくは急性転化期(BP)のCML、またはT315I陽性CML(慢性期、移行期、急性転化期)の単剤療法に適応とされています。アイクルシグはCP-CMLと新たに診断された患者さんの治療を適応としておらず、同患者さんの治療薬として推奨されません。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

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