Takeda logo

治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLA™(フルキンチニブ)の米国FDAによる承認について

治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLA™(フルキンチニブ)の米国FDAによる承認について


Calendar
November 9, 2023
  • FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスや過去の治療の種類にかかわらず、ここ10年以上の間で、転移性大腸がん(mCRC)に対して承認された初の分子標的治療

  • 2つの臨床第3相試験において、FRUZAQLA+最良支持療法群は、プラセボ+最良支持療法群と比較して、全生存期間に有意な改善を示し、関連した改善が無増悪生存期間において示された

  • いずれの試験でも、治療歴 を有するmCRC患者さんにおいて、FRUZAQLAは管理可能な安全性プロファイルを示した

当社は、2023年11月8日(米国時間)、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴がある転移性大腸がん(mCRC)成人患者さんに対して、経口分子標的治療であるFRUZAQLATM(フルキンチニブ)が、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されましたのでお知らせします。FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者さんの治療薬として、米国で承認された、最初で唯一の3種類のVEGF受容体キナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です1,2。この承認は、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日であった2023年11月30日の20日以上前に、優先審査により取得しました。

当社のグローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントであるテレサ・ビテッティ(Teresa Bitetti)は、「依然として治療選択肢が限られており、予後不良な状況にある転移性大腸がん患者さんは、早急に新たな治療法を必要としています。FRUZAQLAは、10年以上もの間で初めて米国で承認された、バイオマーカーのステータスにかかわらず、化学療法を必要としない新規の治療選択肢です。長い間、医療提供者と患者さんは転移性大腸がんの治療において選択肢が限られていました。FRUZAQLAは、患者さんの生活の質(QOL)に悪影響を及ぼすことなく、大きな延命効果をもたらす可能性があります」と述べています。

FRUZAQLAの承認は、中国で実施され、JAMA誌に掲載されたGo to https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2685988FRESCO試験と Lancet誌に掲載されたGo to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/fulltext多地域でのFRESCO-2試験の、2つの大規模臨床第3相試験のデータに基づいています。これらの試験では、治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、FRUZAQLA+最良支持療法とプラセボ+最良支持療法を検討しました。FRESCO試験とFRESCO-2試験はいずれも、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、FRUZAQLAを投与した合計734人の患者さんにおいて一貫した効果を示しました。安全性プロファイルは試験間で一貫していました。

ヴァンダービルト大学医療センターのCathy Eng, M.D., FACPは、「がんが転移している状態にある患者 さんは多くの場合、病態およびこれまでに受けた治療により、脆弱し疲弊しています。前治療にかかわらず延命効果をもたらす、化学療法を必要としない経口の治療選択肢は、転移性大腸がんの治療において非常に重要なニーズです。大腸がんは非常に多様な疾患であり、転移したがん患者さんに進歩をもたらすことは難しいことです。適切な患者さんに新しいソリューションを提供できることを楽しみにしています」と述べています。

米国では、2023年に約153,000人の新規CRC症例が診断され、すべての新規がん症例の7.8%を占める見込みです3,4。診断時または治療後を問わず、CRC患者さんの約70%が転移性疾患を発現すると考えられます。転移はCRC関連死亡の主な原因です5,6

Colorectal Cancer AllianceのCEOであるMichael Sapienzaは、「私たちは、転移性大腸がんの患者さん、その家族、ケアチームには身体的および精神的な負担があることを直接目にしてきました。患者さんへの新たな選択肢の提供に継続的な進歩がみられることをうれしく思っています」と述べています。

また、FRESCO試験およびFRESCO-2試験のデータは、2023年6月に欧州医薬品庁(EMA)により受理されたフルキンチニブのEUでの製造販売承認申請(MAA)を支持するものでした。2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請も行いました。

FRUZAQLATM(フルキンチニブ)について

FRUZAQLA(フルキンチニブ)は、VEGFR 1/2/3に対する選択性を有する経口阻害薬です。VEGFR阻害薬は腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果たします。FRUZAQLAは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、高い薬物曝露、持続的な標的阻害、併用療法の一部として使用する柔軟なポテンシャルを有しています。FRUZAQLAは管理可能な安全性プロファイルを示し、他の抗がん剤との併用療法が検討されています。フルキンチニブは2018年9月に中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)により販売承認され、2018年11月に中国でELUNATE®の販売名で上市されました。また、2023年6月に、フルキンチニブの製造販売承認申請(MAA)が欧州医薬品庁(EMA)により受理され、2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請を行いました。当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。

CRCについて

大腸がん(CRC)は、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、CRCは世界で3番目に多いがんであり、2020年には935,000人以上の死亡が報告されました7。米国では、2023年に153,000人がCRCと診断され、53,000人がCRCにより死亡すると推定されています3。欧州では、2020年にCRCは2番目に多いがんであり、約520,000人が新たに診断され、245,000人の死亡が報告されました。日本では、CRCは最も多いがんであり、2020年の新規症例数は148,000人、死亡例数は60,000人と推定されています7。早期CRCは外科的切除が可能ですが、転移性CRCは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域です。転移性CRCの一部の患者さんは、分子特性に基づいて個別化治療戦略からベネフィットを得られる可能性がありますが、ほとんどの患者さんには治療選択に有用な遺伝子変異が認められない腫瘍があります8,9,10,11,12

第3相FRESCO-2試験について

FRESCO-2試験は、治療歴を有す転移性CRC患者さんを対象に、FRUZAQLA(フルキンチニブ)+最良支持療法群とプラセボ+最良支持療法群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床試験です(NCT04322539Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04322539)。本試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、FRUZAQLAの投与により、統計学的に有意で臨床的に意義のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示されました。FRESCO-2試験におけるFRUZAQLAの安全性プロファイルは、これまでに報告されたFRUZAQLAの試験と一致するものでした。この試験の結果は、2022年9月にESMOで発表されGo to https://www.hutch-med.com/fruquintinib-fresco-2-data-summary-esmo-2022/、その後Lancet誌に掲載されましたGo to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/fulltext13,14。 第3相FRESCO試験およびFRESCO-2試験は、2023年6月に欧州医薬品庁(EMA)により受理されたフルキンチニブの製造販売承認申請(MAA)を支持するものでした。また、2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請も行いました。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

References:

  1. Xu X, et al. Efficacy and safety of regorafenib and fruquintinib as third-line treatment for colorectal cancer: a narrative review. Transl Cancer Res 2022;11(1):276-287. doi: 10.21037/tcr-20-3539

  2. Sun Q, et al. (2014) Discovery of fruquintinib, a potent and highly selective small molecule inhibitor of VEGFR 1, 2, 3 tyrosine kinases for cancer therapy, Cancer Biol Ther. 2014 15:12, 1635-1645. Doi: 10.4161/15384047.2014.964087

  3. Siegel RL, et al. Colorectal cancer statistics, 2023 [published online ahead of print, 2023 Mar 1]. CA Cancer J Clin. 2023; 73(3):233-254. doi:10.3322/caac.21772.

  4. National Cancer Institute. Available at: https://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.htmlGo to https://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.html (accessed May 2023)

  5. Atreya CE, Yaeger R, Chu E. Systemic therapy for metastatic colorectal cancer: from current standards to future molecular targeted approaches. Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2017;37:246-256. doi:10.1200/EDBK_175679

  6. Vatandoust S, et al. World J Gastroenterol. 2015;21(41):11767-76.

  7. Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.

  8. Bando H, et al. Therapeutic landscape and future direction of metastatic colorectal cancer. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2023; 20(5)306-322. doi:10.1038/s41575-022-00736-1.

  9. D'Haene N, et al. Clinical application of targeted next-generation sequencing for colorectal cancer patients: a multicentric Belgian experience. Oncotarget. 2018;9(29):20761-20768. Published 2018 Apr 17. doi:10.18632/oncotarget.25099.

  10. Venderbosch, et al. Mismatch repair status and braf mutation status in metastatic colorectal cancer patients: A pooled analysis of the Cairo, Cairo2, coin, and Focus Studies. Clinical Cancer Res.,2014; 20(20):5322–5330. doi:10.1158/1078-0432.ccr-14-0332.

  11. Koopman, M., et al. Deficient mismatch repair system in patients with sporadic advanced colorectal cancer. Br J Cancer. 209;100(2), 266–273. doi:10.1038/sj.bjc.6604867.

  12. Ahcene Djaballah S, et al. HER2 in Colorectal Cancer: The Long and Winding Road From Negative Predictive Factor to Positive Actionable Target.Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2022;42:1-14. doi:10.1200/EDBK_351354.

  13. Dasari NA, et al. LBA25 – FRESCO-2: A global phase 3 multiregional clinical trial (MRCT) evaluating the efficacy and safety of fruquintinib in patients with refractory metastatic colorectal cancer. Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. Doi:10.1016/annonc/annonc1089.

  14. Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study [published online ahead of print, 2023 Jun 15]. Lancet. 2023. DOI: 10.1016/S0140-6736(23)00772-9.