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無又は低ガンマグロブリン血症治療剤「キュービトル® 20% 皮下注」の日本における製造販売承認取得について

無又は低ガンマグロブリン血症治療剤「キュービトル® 20% 皮下注」の日本における製造販売承認取得について


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September 25, 2023
  • 日本、欧州および北米で実施された「キュービトル® 20% 皮下注(20%皮下注用人免疫グロブリン製剤)」の臨床試験において確認された有効性および安全性に基づき承認

  • 「キュービトル 20%® 皮下注」は当社初の皮下投与免疫グロブリン製剤であり、世界中のニーズのある患者さんに革新的な製品を届けるタケダのコミットメントを示すもの

当社は、本日、「キュービトル® 20% 皮下注」(20%皮下注用人免疫グロブリン製剤、以下「キュービトル」)について、「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能又は効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。「無又は低ガンマグロブリン血症」は、原発性免疫不全症(以下「PID」)又は続発性免疫不全症(以下「SID」)による抗体が無い又は低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。皮下投与の免疫グロブリン製剤の承認取得は、当社として初めてです。

このたびの承認は、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するための、PIDの日本人患者さんを対象とした臨床第3相試験(NCT04346108Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04346108)、ならびにPID患者さんを対象とした北米と欧州の臨床第2/3相試験(NCT01218438Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01218438NCT01412385Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01412385)に基づくものです。日本の患者さん17例を対象とした試験において、有効性および安全性が確認されました。キュービトル投与期間中に、重篤又は重度の有害事象は報告されておらず、主な有害事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)でした。これまでに当社が海外で実施した2つの臨床第2/3相試験においても有効性および安全性が確認されています。

当社のPDTビジネスユニット R&D Japan リージョナルヘッドである廣田直美は、「世界30カ国以上で承認されているキュービトルが、無又は低ガンマグロブリン血症に対する当社初の皮下投与の治療剤として日本で承認されたことをうれしく思います。免疫不全症患者さんは、肺炎、敗血症およびその他の再発性感染症を含む重篤な感染症に罹患することが多く、免疫グロブリン補充療法はこれらの患者さんに対する標準治療です。血漿分画製剤を必要とされている患者さんに新しい治療選択肢を提供できることを誇りに思っています」と述べています。

日本においてはPIDの早期診断が課題であり、免疫グロブリンによる治療の実施は、世界の他の地域よりはるかに低い状況となっています34。日本において血漿分画製剤(以下「PDT」)を必要とされる患者さんは、今後数年で大幅に増加することが予想され、当社は日本における標準治療を向上させ、当社のPDTポートフォリオをより多く日本に導入するために当局と協議を進めています。

「当社は、患者さんのアンメットニーズに対処するために、日本でのPDTへの投資を継続し、製品を拡大することで、歴史があり豊富な日本における取り組みを強化できることを誇りに思っています。PDTの新製造施設への投資とともに、キュービトルの承認は、当社の幅広い差別化されたグローバルPDTポートフォリオを日本にもたらす今後10年間にわたる取り組みの最初の1歩となります」と当社のPDTビジネスユニット R&DヘッドであるKristina Allikmetsは述べています。

無又は低ガンマグロブリン血症について

無ガンマグロブリン血症は、Bリンパ球と呼ばれる免疫細胞の正常で成熟した増殖を阻害する遺伝子の異常によって抗体が産生されず引き起こされる遺伝性疾患です。低ガンマグロブリン血症は、遺伝子異常によって遺伝することが多いですが、化学療法、特定の併存疾患、免疫抑制剤の使用などの二次的影響によって抗体が欠乏し発症する場合もあります。どのような種類の抗体欠乏症であっても、感染症を繰り返すことが多く、 免疫グロブリン補充療法により体内の抗体レベルを上昇させることができます。「無又は低ガンマグロブリン血症」はPID又はSID2により引き起こされます。

原発性免疫不全症・続発性免疫不全症について

原発性免疫不全症(PID)は、免疫系の一部が欠損している、又は適切に機能していない480種類を超える希少遺伝性疾患の不均一なグループを指します。続発性免疫不全症(SID)は、免疫系の外因性条件又は要因に起因する免疫応答の障害と定義することができます。SIDは栄養不良、代謝障害、免疫抑制薬の使用、慢性感染、悪性腫瘍、および重度の外傷の結果として生じます。PIDおよびSIDの患者さんは免疫系が障害されているため、感染症にかかりやすく、回復に時間がかかることがあります。抗体欠損があり、易感染性が亢進していたり、持続性感染症の患者さんでは、機能的抗体による代替(免疫グロブリン補充療法)が免疫系の機能を支える標準治療です6

キュービトル ®20% 皮下注について

キュービトルは、成人および小児のPID、SID患者さんにおける感染予防をサポートすることを目的として開発されたヒト免疫グロブリンを20%含有する皮下注用人免疫グロブリン製剤で、2022年5月現在30カ国以上で承認されています。日本において、キュービトルは、2歳以上の患者さんを対象とした無又は低ガンマグロブリン血症の治療剤として承認されています。

キュービトル製品概要(日本)

販売名キュービトル20% 皮下注 2 g/10 mL, 4 g/20 mL, 8 g/40 mL
一般名pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)
効能又は効果無又は低ガンマグロブリン血症
用法及び用量通常、人免疫グロブリンGとして50~200mg(0.25~1mL)/kg体重を週1回皮下投与する。2週間に1回投与する場合には、1週あたりの用量の2倍量〔100~400mg(0.5~2mL)/kg体重〕を皮下投与する。なお、患者の状態に応じて、1週又は2週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減する。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

<div style="text-align: right">以上</div>

出典

  1. 「キュービトル 20% 皮下注」添付文書

  2. Pimenta et al., Hypogammaglobulinemia: a diagnosis that must not be overlooked. BJMBR, 2019;52(10): e8926, http://dx.doi.org/10.1590/1414-431X20198926Go to http://dx.doi.org/10.1590/1414-431X20198926

  3. The Marketing Research Bureau (MRB). Plasma-Derived Medicinal Products (PDMPs) and Plasma Supply into the Future. January 2020.

  4. Kohsuke et al., Physician awareness and understanding of primary immunodeficiency disorders: a web-based study in Japan, Immunological Medicine, 2023; 46:1, 45-57, doi: 10.1080/25785826.2022.2137966.

  5. National Organization for Rare Disorders https://rarediseases.org/rare-diseases/agammaglobulinemia/Go to https://rarediseases.org/rare-diseases/agammaglobulinemia/

  6. Tangye et al., Human inborn errors of immunity: 2022 update on the classification from the international union of immunological societies expert committee. J Clin Immunol. 2022 Oct;42(7):1473-1507. doi: 10.1007/s10875-022-01289-3. Epub 2022 Jun 24. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35748970Go to https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35748970

  7. Karen S. Tuano,y; Neha Seth, Javier Chinen. Secondary immunodeficiencies. Ann Allergy Asthma Immunol 127 (2021) 617-626