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米国食品医薬品局(FDA)による中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の維持療法に関するエンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)再提出受理について

米国食品医薬品局(FDA)による中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の維持療法に関するエンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)再提出受理について


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April 28, 2023

当社は、このたび、エンタイビオ®点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、エンタイビオ(一般名:ベドリズマブ)皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に再提出し、受理されましたのでお知らせします。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としています。

当社U.S. メディカルのヴァイス・プレジデントであり、消化器系疾患のヘッドであるVijay Yajnik, M.D., Ph.D.は、「当社は、米国におけるエンタイビオ皮下注射製剤について、エンタイビオによる維持療法において医療従事者による点滴静注か患者さんによる自己投与を、患者さん自身の医療や生活のニーズによってご本人が選択できるよう、継続して取り組んでまいります。今回の再提出はその取り組みを果たす大きな一歩です。当社は、エンタイビオ皮下注射製剤の将来性に強い確信を抱いており、皮下注射製剤を提供することで、承認を待ち望む中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者さんの様々なニーズを満たすお手伝いができると考えています」と述べています。

CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、エンタイビオ皮下注射製剤の使用について検討するために収集した追加データが含まれています。同通知の内容は、エンタイビオ点滴静注製剤、臨床安全性および有効性データ、ならびにエンタイビオ皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験であるVISIBLE 1試験の結論とは関連していませんでした。

VISIBLE 1試験では、0週および2週時点に非盲検下にてベドリズマブ点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善*が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の216名の成人患者さんを対象に、エンタイビオ皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しました1。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべてのサブスコアが1以下と定義しました1

当社は、2023年内にFDAから審査結果の結論が得られるものと見込んでいます。

*臨床的改善は血便サブスコアがベースライン(0週)から1ポイント以上の減少、または血便サブスコアが1以下であり、完全Mayoスコアがベースライン(0週)から3ポイント以上減少かつ30%以上減少と定義1

<エンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)について>

ベドリズマブは生物学的製剤であり、点滴静注製剤および皮下注射製剤として承認されています(承認は市場によって異なります。現在、米国ではベドリズマブは皮下注射製剤として承認されていません)2,3。ベドリズマブ皮下注射製剤は欧州連合と50か国以上で製造販売承認を取得しています。ベドリズマブ点滴静注製剤は、米国および欧州連合を含む、70を超える国で製造販売承認を取得しており、これまでの累計使用患者さんの数は100万人・年以上です4。本剤はα4β7インテグリンと特異的に拮抗し、α4β7インテグリンの腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)への結合を阻害しますが、血管細胞接着分子1(VCAM-1)への結合は阻害しないようデザインされた、ヒト化モノクローナル抗体です5。MAdCAM-1は消化管の血管およびリンパ節に選択的に発現しています6。一方、α4β7インテグリンは循環血液中の白血球サブセットに発現しています5。これらの細胞は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症プロセスを調節するうえで重要な役割を果たしていることが明らかになっています5,7,8。α4β7インテグリンを阻害することで、ベドリズマブはある種の白血球細胞が消化管組織へ浸潤することを抑制できる可能性があります5

 

<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>

潰瘍性大腸炎およびクローン病は、最も代表的な炎症性腸疾患です9。潰瘍性大腸炎とクローン病はいずれも、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が消化管に生じる疾患です10,11。潰瘍性大腸炎は大腸のみに発症するのに対して、クローン病は口から肛門に至るまで、消化管のあらゆる部位に発症します12,13。また、クローン病は腸壁全層にも発症する可能性がありますが、潰瘍性大腸炎は大腸の最も内側の粘膜のみに発症します12,13。潰瘍性大腸炎でみられる症状は、出血を含む腹部不快感および軟便です12,14。一方、クローン病でみられる症状は、腹痛、下痢および体重減少などです10。潰瘍性大腸炎やクローン病の正確な原因については明らかになっていませんが、研究では、環境的要因、遺伝的特徴および腸内細菌叢の相互作用が潰瘍性大腸炎またはクローン病の発現の一因である可能性が示唆されています12,15,16

 

<武田薬品の消化器系疾患領域における取り組みについて>

消化器系疾患は時として、患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。 武田薬品およびパートナー各社はこのアンメット・メディカル・ニーズに対し、約30年にわたり革新的な医薬品や支援プログラムを通じて患者さんのQOL(生活の質)改善に取り組んでまいりました。また武田薬品は、炎症性腸疾患、酸関連疾患、短腸症候群、消化管運動障害などの疾患領域をリードしてきました。武田薬品の消化器系疾患領域の研究開発チームは、アンメット・メディカル・ニーズのある新しい領域でのギャップの解消に向けても取り組んでいます。武田薬品は、これからも研究者や患者さんの団体とともに、消化器系疾患領域における科学的研究と臨床医学の発展に取り組んでいきます。

 

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発において、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるように活動しています。詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

 

<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。

 

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

 

<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

 

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上


 

References
  1. Sandborn WJ, Baert F, Danese S, et al. Gastroenterology. 2020;158(3):562-572.

  2. Entyvio Prescribing Information. Available at: https://general.takedapharm.com/ENTYVIOPI. Last updated: June 2022. Last accessed: January 2023.

  3. Entyvio Summary of Product Characteristics (SmPC). Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/entyvio-epar-product-information_en.pdf. Last updated: October 2022. Last accessed: February 2023.

  4. Takeda data on file (VV-SUP-91507): Vedolizumab Patient Exposure from Marketing Experience. 2021.

  5. Soler D, Chapman T, Yang LL, et al. J Pharmacol Exp Ther. 2009;330:864-875.

  6. Briskin M, Winsor-Hines D, Shyjan A, et al. Am J Pathol. 1997;151:97-110.

  7. Eksteen B, Liaskou E, Adams DH. Inflamm Bowel Dis. 2008;14:1298-1312.

  8. Wyant T, Fedyk E, Abhyankar B. J Crohns Colitis. 2016;10:1437-1444.

  9. Baumgart DC, Carding SR. Lancet. 2007;369:1627-1640.

  10. Baumgart DC, Sandborn WJ. Lancet. 2012;380:1590-1605.

  11. Torres J, Billioud V, Sachar DB, et al. Inflamm Bowel Dis. 2012;18:1356-1363.

  12. Ordas I, Eckmann L, Talamini M, et al. Lancet. 2012;380:1606-1619.

  13. Feuerstein JD, Cheifetz AS. Mayo Clin Proc. 2017;92:1088-1103.

  14. Sands BE. Gastroenterology. 2004;126:1518-1532.

  15. Kobayashi T, Siegmund B, Le Berre C, et al. Nat Rev Dis Primers. 2020;6(74).

  16. Torres J, Mehandru S, Colombel JF, Peyrin-Biroulet L. Lancet. 2017; 389(10080):1741-1755.