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移植後の既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の成人患者さんの治療薬としてのLIVTENCITYTM▼(maribavir)に対する欧州委員会(EC)からの承認について

移植後の既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の成人患者さんの治療薬としてのLIVTENCITYTM▼(maribavir)に対する欧州委員会(EC)からの承認について


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2022年11月15日

- LIVTENCITYECからこの適応に対して承認された最初で唯一の治療薬である1
- CMVは、移植後に最もよくみられる重篤な感染症のひとつであり、移植臓器の喪失や移植不全などの深刻な状態になる可能性がある2,3

当社は、このたび、欧州委員会(EC)より、造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)4後の、既存療法(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビル、ホスカルネットのいずれか1種類以上の前治療)に抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の成人患者さんを対象とした治療薬として、LIVTENCITYTM(maribavir)の販売承認を取得しましたのでお知らせします。LIVTENCITYは、CMV特異的UL97プロテインキナーゼとその天然基質を阻害する最初で唯一の経口治療薬です1

CMVは移植後の患者さんが経験する最もよくみられる感染症のひとつであり、世界における推定発現率はSOT後の患者さんで16~56%、HSCT後の患者さんで30~80%です5,6。2019年に欧州および近隣諸国において34,000件超のSOT(肝臓、腎臓、心臓移植を含む)7と48,000件超のHSCT8が実施されました。使用可能な治療薬があるSOTおよびHSCT患者さんでは、CMV感染の予防および管理が転帰の改善に有用となる場合がありますが5、予防薬を使用してもブレイクスルー感染が発生する可能性があり9、一部のCMV感染は治療に反応しない場合があります10

European Society for Organ Transplantation(ESOT)のPresidentであるルチアーノ・ポテナ(Luciano Potena)は、「我々は移植患者さんの治療は移植後はるか先まで続くことを理解しています。治療がうまくいかなかった場合、CMVは移植患者さんとその医師に難題を突きつけ、多くの場合、臓器拒絶反応の増加、入院率の上昇、医療資源に対する負担の増加を生じさせ、患者さんにとってシステム全体での不平等を及ぼす一因となります。ECによるLIVTENCITYの承認は、既存のCMV療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しを含む)を示す難治性のCMV感染を管理するための新たな抗ウイルスアプローチの必要性を受け入れるものです」と述べています。

中央審査による販売承認は、すべてのEU加盟国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーおよび北アイルランドで有効であり、HSCTおよびSOT移植後の既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性の成人患者さんの治療薬として、従来の抗ウイルス療法(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビルまたはホスカルネット)に対するLIVTENCITYの安全性および有効性が評価された臨床第3相SOLSTICE試験に基づいています。

ECの承認は、米国、カナダ、オーストラリアに続いて、移植後に抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のCMV感染に対する4番目の承認となります13-15

当社のグローバル ポートフォリオ ディビジョン プレジデントのラモナ・セケイラ(Ramona Sequeira)は、「移植を受ける患者さんは、回復までの過程において、自らの免疫系を抑制する医薬品による苦難に直面する可能性があります。治療に対して難治性になっており、それにより移植を脅かしうるCMV感染の追加負荷は、人生のセカンドチャンスを与えられている患者さんに難題を突きつけます。ECのLIVTENCITY承認により、当社はEUおよびEEA*において移植後難治性CMVに対する経口抗ウイルス治療薬をさらに提供することができるようになります」と述べています。

<CMVについて>

CMVはヒトに多く感染するベータヘルペスウイルスであり、さまざまな成人集団の40~100%で感染歴を認める血清学的エビデンスがあります14。CMVは通常、体内に潜伏し、無症候性ですが、免疫抑制期間中に再活性化することがあります。免疫機能が低下した人では、重篤な疾患を発現することがあり、これには造血細胞移植(HCT)や固形臓器移植(SOT)を始めとする、さまざまな種類の移植に関連した免疫抑制剤の投与を受けている患者さんも含まれます5。世界における1年の推定20万人の成人移植のうち、CMVは移植後の患者さんが経験する最もよくみられるウイルス感染のひとつであり、推定発現率はSOTの患者さんで16~56%、HCTの患者さんで30~80%です5,6

移植後の患者さんでCMVが再活性化すると、移植臓器の喪失などの重篤な結果に至る可能性があり、極端な場合では深刻な状態に陥ることもあります2,3。移植後のCMV感染に対する従来の治療法には、用量調節を必要とする重篤な副作用が認められることや、ウイルスの複製を十分に抑制できない可能性があります10。さらに、従来の治療法では、投与のために入院を要することや入院が長期化することがあります10,15

<LIVTENCITYについて>

経口投与可能な抗CMV化合物であるLIVTENCITYTM(maribavir)は、pUL97プロテインキナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で唯一の抗ウイルス剤です16。LIVTENCITYは移植後の成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重が35 kg以上)におけるガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビルまたはホスカルネットによる治療に対して遺伝子型抵抗性(無しも含む)を示す難治性のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療薬として米国FDAに承認されています12。ECには、HSCTまたはSOT後の成人患者さんにおける既存の治療薬であるガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビルまたはホルカルネットのいずれか1種類以上に対して抵抗性(無しも含む)を示す難治性CMV感染/感染症治療薬として承認されています4。カナダ保健省には、移植後の成人患者さんにおける既存の抗ウイルス治療薬のいずれか1種類以上に対して遺伝子型抵抗性(無しも含む)を示す難治性CMV感染/感染症治療薬としても承認されています11。また、オーストラリアでは、移植後の成人患者さんにおける既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性、難治性または不耐性のCMV感染及び感染症治療薬として承認されています13

<SOLSTICE試験について>

TAK-620-303(SOLSTICE)試験(NCT02931539, EudraCT 2015-004725-13)は、従来の抗ウイルス療法(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビルのいずれか1種類またはその併用)に抵抗性(無しも含む)を示す難治性の造血細胞移植または固形臓器移植の両移植後のCMV感染患者さん352名を対象として、maribavirまたは従来の抗ウイルス療法の有効性および安全性を評価するためのグローバル、多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照、優越性試験です。2週間のスクリーニング期間後に、成人患者さんにmaribavir 400mgを1日2回投与(n=235)または医師の投与による従来の抗ウイルス療法(n=117)のいずれかに2:1で無作為に割り付けし、最長8週間の治療期間の後さらに12週間フォローアップを行いました16

本臨床試験の主要評価項目は、少なくとも5日の間隔をあけ、連続した2つのサンプルのCMVのDNA濃度が定量検出限界(LLOQ)以下(8週時にCOBAS® AmpliPrep/COBAS® TaqMan® CMVで測定したCMV のDNA濃度137 IU/mL未満)であることを確認することでした。主な副次評価項目は投与8週間終了時のCMVのDNA濃度がLLOQ以下かつCMV感染の症状がコントロールされていることであり、治療効果は16週目まで維持されました16
 

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。

<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

* 欧州経済領域(EEA)内の国には、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーなどが含まれます。
CMV感染症状コントロールの定義は、ベースライン時点で症候性の患者さんにおける組織侵襲性疾患もしくはCMV症状の消失ないし改善、またはベースライン時点で無症候性の患者さんにおける新たな症状がないこととしました。

以上

 

  1. Avram S, et al. Novel drug targets in 2021. Nat Rev Discov. 2022;21(5):328-328.
  2. Ramanan P, et al. Cytomegalovirus infections in solid organ transplantation: a review. Infect Chemother. 2013;45(3):260.
  3. Camargo JF, et al. Emerging concepts in cytomegalovirus infection following hematopoietic stem cell transplantation. Hematol Oncol Stem Cell Ther. 2017;10(4):233-238.
  4. LIVTENCITYTM (maribavir) European Summary of Product Characteristics.
  5. Azevedo L, et al. Cytomegalovirus infection in transplant recipients. Clinics (Sao Paolo). 2015;70(7):515-523.
  6. Styczynski J. Who is the patient at risk of CMV recurrence: a review of the current scientific evidence with a focus on hematopoietic cell transplantation. Infect Dis Ther. 2018;7:1-16.
  7. Vanholder R, et al. Organ donation and transplantation: a multi-stakeholder call to action. Nat Rev Nephrol. 2021;17:554-568.
  8. Passweg JR, et al; European Society for Blood and Marrow Transplantation Hematopoietic cell transplantation and cellular therapy survey of the EBMT: monitoring of activities and trends over 30 years. Bone Marrow Transplant. 2021;56(7):1651-1664. doi:10.1038/s41409-021-01227-8
  9. Marty FM, et al. Letermovir prophylaxis for cytomegalovirus in hematopoietic-cell transplantation. N Engl J Med. 2017;377(25):2433-2444. doi:10.1056/NEJMoa1706640
  10. Chemaly RF, et al. Definitions of resistant and refractory cytomegalovirus infection and disease in transplant recipients for use in clinical trials. Clin Infect Dis. 2019;68(8):1420-1426. doi:10.1093/cid/ciy696
  11. Health Canada approves Takeda’s LIVTENCITYTM (maribavir) the first and only treatment for adults with post-transplant cytomegalovirus (CMV) infection. Published September 20, 2022. https://www.takeda.com/en-ca/newsroom/news-releases/2022/health-canada-approves-takedas-livtencity-maribavir-the-first-and-only-treatment-for-adults-with-post-transplant-cytomegalovirus-cmv-infection/.
  12. Takeda’s LIVTENCITY (maribavir) approved by U.S. FDA as the first and only treatment for people ages 12 and older with post-transplant cytomegalovirus (CMV), refractory (with or without genotypic resistance) to conventional antiviral therapies. Published November 23, 2021. https://www.takeda.com/newsroom/newsreleases/2021/takeda-livtencity-maribavir-approved-by-us-fda/.
  13. Therapeutic Goods Administration (TGA). LIVTENCITY maribavir 200 mg film coated tablet bottle (380132) [Australian product information]. Therapeutic Goods Administration (TGA). Published October 8, 2022. https://www.tga.gov.au/resources/artg/380132
  14. de la Hoz R. Diagnosis and treatment approaches to CMV infections in adult patients. J Clin Virol. 2002;25(Suppl 1):S1-S12.
  15. Martín-Gandul C, et al. Clinical impact of neutropenia related with the preemptive therapy of CMV infection in solid organ transplant recipients. J Infect. 2014;69(5):500-506.
  16. Avery RK, et al. Maribavir for refractory cytomegalovirus infections with or without resistance post-transplant: results from a phase 3 randomized clinical trial. Clin Infect Dis. 2022;75(4):690-701. doi:10.1093/cid/ciab988