Takeda logo

次世代臨床プログラムの拡大に向け、研究開発用の細胞医薬品製造施設を新設

次世代臨床プログラムの拡大に向け、研究開発用の細胞医薬品製造施設を新設


Calendar
September 16, 2020

- cGMP施設を通じて当社の細胞療法におけるリーダーシップ力を強化し、グローバル臨床試験に向けて革新的な細胞医薬品の供給能力を向上
- 5つのがん領域の細胞療法共同プログラムにおいて2021年度末までに臨床開発を実施予定

当社は、このたび、細胞医薬品の製造能力を拡張するため、米国マサチューセッツ州ボストンの研究開発拠点内に研究開発用の細胞医薬品製造施設(24,000平方フィート)を新設しましたのでお知らせします。新施設ではエンド・ツー・エンドの研究開発を行い、当初はがん領域に重点を置き、他の疾患領域への拡大の可能性を探りながら、当社の次世代細胞療法の開発に向けた取り組みをさらに加速します。

当社の Oncology Therapeutic Area UnitのHeadであるChris Arendtは、「当社は、世界でも指折りの科学者やイノベーターとの連携を通じて非常に特徴的ながん免疫療法のパイプラインを構築し、がんを根治できる可能性のある新たな創薬手法や作用機序の研究開発において飛躍的な進歩を遂げています。3つのがん領域の細胞療法プログラムが既に臨床段階にあり、さらに2つのプログラムが2021年度に臨床試験に入る予定で、患者さんに治療薬を迅速にお届けすべく取り組んでいます。この新施設により、当社の製造能力が速やかに向上し、複数の非常に特徴的な細胞療法プログラムを同時に進めることができるようになります」と述べています。

がん領域の細胞療法は、免疫細胞の遺伝子ががん細胞を認識して破壊することができるように遺伝子操作を加えた免疫療法の一種です。細胞医薬品は、生きた細胞の操作を行うため、清浄度と一貫性のあるコンタミネーションコントロール(汚染管理)が維持できる、厳しい管理下にある環境で製造する必要があります。がん領域の細胞療法プラットフォームは、調製、製造、輸送、そして最終的な患者さんへの投与に対しプロセスごとに満たすべき独自の要件を有しています。次世代細胞療法は、当社ががん領域において免疫系のリダイレクトに重点を置いて研究を進めている基盤技術の1つです。先天性免疫を利用した、多様ながん免疫療法プログラムを有する当社のパイプラインには、革新的な細胞療法や免疫関与プラットフォーム、先天性免疫の調節、新たな基盤となる免疫チェックポイントプラットフォーム、そして腫瘍溶解性ウイルスが含まれます。


<細胞療法の研究開発の進展を加速する専用施設>
このたび開設した研究開発用の細胞医薬品製造施設では、創薬段階から第2b相臨床試験までの臨床評価に用いる細胞医薬品を製造します。現行のGMP(cGMP)を取得した本施設は、米国、欧州および日本の規制当局が課す細胞医薬品の製造要件を満たすよう設計されており、当社が世界各地で行う臨床試験を支援します。新施設により、当社の細胞医薬品の可能性と生産能力が強化され、ノーベル賞受賞者である京都大学の山中伸弥教授(iPS細胞)、Gamma Delta TherapeuticsのAdrian Hayday Ph.D(γδT細胞)、ノイルイミューン・バイオテック株式会社(以下、「ノイル社」)の玉田耕治教授(武装化CAR-T)、Memorial Sloan Kettering Cancer Center(以下、「MSK」)Michel Sadelain, M.D., Ph.D.(次世代CAR)、The University of Texas MD Anderson Cancer Center(以下、「MD Anderson」)のKaty Rezvani, M.D., Ph.D.(CAR-NK)と連携して進めている複数の次世代がん免疫療法プラットフォームやプログラムの開発がさらに加速することが期待されます。

当社とMD Andersonは、ベスト・イン・クラスの他家細胞療法となる可能性のあるTAK-007の開発を進めています。本剤は現在臨床第1/2相試験段階にあるCD-19標的キメラ抗原受容体導入ナチュラルキラー(CAR-NK)細胞医薬品で、既製化細胞医薬品となる可能性について、再発または難治性の非ホジキンリンパ腫(NHL)と慢性リンパ性白血病の患者を対象とした試験が行われています。また、このほどさらに2つの当社細胞療法プログラムの臨床第1相試験を開始しました。1つは再発または難治性B細胞がんを対象とした、MSKと共同開発している次世代CAR-Tシグナル伝達ドメインである19(T2)28z1xx CAR-T細胞(TAK-940)の試験で、もう1つは、治療歴のあるGPC3発現固形がんを対象とした、ノイル社と共同開発しているサイトカインとケモカインを産生する武装化CAR-T(TAK-102)の試験です。Sadelain, M.D., Ph.D.とMSKは、当社とMSKとのライセンス契約に基づき、本リリースの内容に関する知的財産権および関連する利益を保有しています。

<当社の Cell Therapy Translational Engineの力の活用について>
次世代細胞療法の開発と提供においては、研究開発と商業生産との間に積極的かつ密接な連携が重要です。当社の Cell Therapy Translational Engine(CTTE)により、臨床におけるトランスレーショナルサイエンスと、製品設計、開発、そして製造が、研究開発および商業化の各段階を通じて連携します。また、CTTEにより、バイオエンジニアリング、CMC(化学・製造・品質管理)、データ管理、分析、臨床およびトランスレーショナルサイエンスの専門家の能力が結集し、細胞療法の開発において直面する多くの製造の課題に取り組みます。

当社Pharmaceutical Sciences and Translational Engine, Cell TherapiesのHeadであるStefan Wildtは、「当社の細胞療法のチームの緊密な関係や体制のおかげで、CAR NKや、武装化CAR-T、γδT細胞などの次世代細胞療法の多様なポートフォリオに我々が得た知識を速やかに活かすことができます。製造や臨床開発で得られる知見を、当社の世界各地の研究、製造、品質の各チームと速やかに共有できるようにし、革新的な治療法を患者さんにできる限り早くお届けできるよう努めてまいります」と述べています。

以上


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<留意事項>
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本資料(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。
武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

<将来に関する見通し情報>
本プレスリリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「可能性がある(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。将来見通し情報は、多くの重要な要素に関する仮定に基づいており、実際の結果が将来見通し情報に明示又は暗示されたものと大きく異なることがあり得ます。重要な要素には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功又は失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念等、当社、当社が事業を展開している国の政府を含む当社の顧客及びサプライヤー又は当社事業の他の側面に対する、新型コロナウイルスのパンデミックのような公衆衛生上のクライシスの影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、その他米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び他の報告書に記載された事項(https://www.takeda.com/jp/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能です。)が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果及び公表情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。