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デング熱ワクチンの臨床第3相試験において主要評価項目を達成

デング熱ワクチンの臨床第3相試験において主要評価項目を達成


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January 30, 2019

− デング熱流行国に居住する小児・若年被験者を対象とした臨床第3相試験において、当社のデング熱ワクチン(TAK-003)のデング熱に対する予防効果を確認
− 現在までの解析において本ワクチンは安全性に大きな懸念はなく、良好な忍容性を示す
− 詳細は専門誌にて発表予定  

当社は、このたび、デング熱ワクチンの臨床第3相試験において主要評価項目を達成しましたのでお知らせします。Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study(TIDES)試験の初回解析で、当社が現在開発中の4価弱毒生デング熱ワクチン(TAK-003)によるデングウイルス4種の血清型のいずれかによって引き起こされるデング熱に対する予防効果が示されました。広範にわたるデータのレビューは進行中ですが、現時点ではTAK-003の安全性上の大きな懸念はなく良好な忍容性が確認されました。TIDES試験は現在も継続中であり、追加の解析結果は他の臨床第3相試験の結果とともに今年後半に得られる予定です。

当社のGlobal Vaccine Business UnitのPresidentであるRajeev Venkayyaは、「この試験結果は我々にとって大きな励みであり、我々が世界中で猛威を振るうデング熱に立ち向かうための大きな前進です。これらのデータをできるだけ早く専門誌において発表することを楽しみにしています。並行して、我々はこのワクチンを全世界にお届けすることができるよう、開発部門、製造部門および関係者との協議を進めています」と述べています。

当社におけるこれまでで最大規模の介入臨床試験であるTIDES試験では、デング熱流行地域に居住する4~16歳の健康な小児・若年被験者20,000名以上を組み入れました。本試験は、デング熱の感染歴の有無いずれの被験者においてもTAK-003を2回接種した際の有効性、安全性および免疫原性を評価するために計画されました。

TAK-003は現在のところ、世界のどの国や地域においても製造販売承認を受けていません。当社はデング熱ワクチン以外にも複数のワクチンを開発しており、ジカウイルス感染症、ノロウイルス感染症およびポリオなどの優先度の高い感染症対策に取り組んでいます。

<臨床第3相TIDES試験(DEN-301試験)について>
二重盲検、無作為化、プラセボ対照の臨床第3相TIDES試験は、小児・若年層被験者を対象とし、4種すべての血清型によって引き起こされる、あらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています。本試験の被験者は、試験開始1日目および90日目にTAK-003 0.5 mLまたはプラセボを皮下投与にて接種する群のいずれかに無作為に割り付けられました。本試験は3つのパートで構成されており、今回の解析(パート1)では初回接種後15ヵ月までのワクチンの有効性および安全性を評価しました。パート2では、更に観察期間を6ヵ月間追加し、血清型、ワクチン接種前の血清状態および重症度による有効性の副次評価項目の評価を行います。パート3ではパート2完了後の被験者に対し3年間の有効性と長期的な安全性を追跡評価します。パート1およびパート2の解析結果を、本ワクチン製造販売承認申請に用いる予定です。

本試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国およびニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)にて実施されており、これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となっています。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取しており、接種前の血清抗体価(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能です。当社および専門家で構成される独立データモニタリング委員会は積極的な安全性のモニタリングを継続して行っています。

<TAK-003について>
当社の4価デング熱ワクチン(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の"バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています。小児・若年被験者を対象とした臨床第1相試験および臨床第2相試験において、本ワクチン接種前の血清反応が陽性および陰性の被験者双方とも、TAK-003は4種すべての血清型に対して免疫応答を誘導し、一般的に安全で良好な忍容性を示しました。

<デング熱について>
デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、世界保健機関(WHO)は、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げています。デング熱は、ネッタイシマカおよびヒトスジシマカによって媒介され、4 種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります。個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続きますが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります。

デング熱は熱帯または亜熱帯地域で流行し、近年では米国およびヨーロッパの一部でも流行しました。世界の人口の約半分がデング熱の脅威にさらされており、世界全体で約4億人が感染し、20,000人が毎年亡くなっています。デング熱はあらゆる年齢層の人々が感染する可能性があり、ラテンアメリカおよびアジアの子供達にとっては重篤な疾患を引き起こす主な要因となっています。

<当社のワクチンに対する取り組みについて>
ワクチンは、毎年200 万人以上の生命を救い、公衆衛生に劇的な変化をもたらしました。当社は、70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、ジカウイルス感染症、ノロウイルス感染症やポリオなど、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。当社はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および希少疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

以上