Takeda logo

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫に対する欧州での 承認取得について

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫に対する欧州での 承認取得について


Calendar
January 23, 2018

- 臨床第3相試験ALCANZA試験の結果に基づく承認 -- アドセトリス投与群において、統計学的に有意な改善を示した評価項目:4ヶ月以上にわたる持続的客観的奏効率、無増悪生存期間の中央値、全奏効率および症状軽減

- CD30陽性悪性腫瘍の患者の転帰を改善するアドセトリスの役割が皮膚T細胞リンパ腫にも拡大

当社は、このたび、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)について、欧州委員会(EC)より少なくとも1回の全身療法を施行後の前治療歴のあるCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の成人患者に対する効能追加に関し、条件付きの承認を取得しましたのでお知らせします。アドセトリスは、CTCL患者の約半数において皮膚病変の腫瘍に発現するCD30を標的とした抗体薬物複合体(ADC)です。欧州委員会の決定は、2017年11月9日の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解に基づくものです。


英国バーミンガム大学病院皮膚科のJulia Scarisbrick医師は、「CTCLは非ホジキンリンパ腫の一種であり、しばしば湿疹又は乾癬に類似した赤い落屑状斑または肥厚した斑が皮膚上に特徴的に認められるため、患者さんに大きな心理的影響をおよぼします。CTCLに対して承認された治療オプションはほとんどない上に有効性は限られており、大きなアンメットニーズが存在しています。今回の効能追加により、有効な治療オプションを必要としているCTCLの患者さんにアドセトリスをお届けできることを大変嬉しく思います」と述べています。


当社のOncology clinical Research and Development Head/Vice PresidentのJesus Gomez Navarroは、「今回の効能追加は、欧州におけるCTCLの患者さんや医療関係者の方々にとって非常に重要であり、CD30陽性の悪性腫瘍の患者さんの転帰と生活の質(QOL)を改善するというアドセトリスの役割がCTCLにも拡大されました。この効能追加は、統計学的に有意な改善を示した臨床試験結果に基づくものです。当社は、欧州におけるCTCLの患者さんに、有効性と管理可能な安全性プロファイルを有する新たな治療オプションをお届けできることを誇りに思います」とコメントしています。


皮膚リンパ腫財団のCEOであるSusan Thornton氏は、「非ホジキンリンパ腫の一種である皮膚リンパ腫は、一般的に皮膚に出現するため目に見え、著しく不快であるため、患者さんに大きな心理的苦痛を与えQOLにも影響を及ぼします。本疾患を治癒させる既知の治療法はなく、ここ数年で導入された新たな治療オプションはごくわずかです。今回の効能追加により、アドセトリスが欧州の皮膚リンパ腫患者さんにとって新たな治療オプションとなることが期待されます」と述べています。


今回の効能追加は、メトトレキサートあるいはベキサロテンを投与した対照群とアドセトリス単独投与群を比較した、無作為化非盲検臨床第3相試験(ALCANZA試験)のデータに基づくものです。本試験では、独立評価機関の評価において、アドセトリス投与群は対照群と比較して、4ヶ月以上にわたる持続的な客観的奏効率(ORR4)の統計学的に有意な改善を示しました(p < 0.001)。ORR4はアドセトリス群で56.3%、対照群で12.5%でした。完全奏効率、無増悪生存期間および治療中の症状軽減(Skindex-29 アンケートによる評価)でもアドセトリス投与群が統計的に有意に優れていました。ALCANZA試験におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書の情報と差はありませんでした。あらゆるグレードで最も頻度の高い有害事象は、末梢性ニューロパチー、嘔気、下痢、疲労、嘔吐、脱毛症、そう痒症、発熱、食欲減退、高トリグリセリド血症でした。アドセトリス投与群において、グレード3あるいはグレード4の最も頻度の高い有害事象は、末梢性感覚ニューロパチー(グレード4ではなし)、疲労、下痢、嘔気、嘔吐、そう痒症でした。対照群において、グレード3あるいはグレード4の最も頻度の高い有害事象は、高トリグリセリド血症、そう痒症、疲労、発熱でした。2017年12月の第59回米国血液学会(ASH)では本試験の最新の結果が発表されました。ALCANZA試験の長期解析でも、アドセトリス群は対照群に比べ、奏効率、無増悪生存期間、QOLが改善したという良好なエビデンスが引き続き得られています。


欧州委員会による今回の決定により、欧州連合加盟28ヶ国ならびにノルウェー、リヒテンシュタインおよびアイスランドにおいてアドセトリスの効能追加が承認されました。


今回の欧州委員会の決定の詳細については、欧州医薬品庁のウェブサイト(www.ema.europa.eu/ema)をご参照ください。

以上