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日本人の早期パーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩の国内臨床第3相試験結果の発表について

日本人の早期パーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩の国内臨床第3相試験結果の発表について


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September 21, 2017

当社は、2017年9月16日から21日にかけて京都で開催されている第23 回世界神経学会議/第58 回日本神経学会学術大会において、日本人の早期パーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩(一般名、開発コード:TVP-1012、以下「ラサギリン」)の試験結果を発表しましたのでお知らせします。本結果により、早期パーキンソン病患者さんに対するラサギリンによる治療は、主要評価項目であるMDS-UPDRSのPart II+Part III合計スコアのベースラインからの変化量においてプラセボに比べて有意な改善が認められ、忍容性は良好であることが示されました。

ラサギリンの臨床第3相試験であるCCT-001試験では、日本人の早期パーキンソン病患者さん244名を対象に、プラセボ群又はラサギリン 1 mg群のいずれかに無作為に割り付け、各投与群には、それぞれプラセボ又はラサギリン1 mgを1日1回投与しました。主要評価項目である治療期26週におけるMDS-UPDRSのPart II+Part III合計スコアのベースラインからの変化量の調整済み平均値の群間差(ラサギリン1 mg群―プラセボ群)は-6.39であり、ラサギリン1 mg群ではプラセボ群と比べて統計学的に有意な低下が認められました(p<0.0001)。有害事象の発現率はプラセボ群で52.4%(66/126例)、ラサギリン1 mg群で62.4%(73/117例)でした。

順天堂大学大学院医学研究科 神経学教授である服部 信孝 医師は、「本学会発表の筆頭著者として、本試験により、ラサギリンで早期パーキンソン病の運動症状に有効性が示されたことはパーキンソン病患者さんにとって恩恵があると期待されます。今回の治験ではMDS-UPDRSで有効性が示されたことも重要と考えています。本試験の結果は、既に世界55カ国で承認され、多くの知見を得ているMAO-B阻害薬であるラサギリンの有効性、安全性について証明されたものであり、パーキンソン病患者さんにとって有用であると考えています」と述べています。

* MDS-UPDRS(Movement Disorder Society-Unified Parkinson's Disease Rating Scale)は4つの評価項目で構成されており、Part I:日常生活における非運動症状(13の質問)、Part II:日常生活で経験する運動症状の側面(13の質問)、Part III:運動症状の調査(18の質問)、Part IV:運動合併症(6の質問)があります。それぞれの質問に対して0から4の段階があり、0: 正常, 1: ごく軽度, 2: 軽度, 3: 中等度, 4: 重度で判別されます。

 

<CCT-001試験のデザインについて>
日本人の早期パーキンソン病患者を対象にラサギリンを投与したときの有効性および安全性を検討する、臨床第3相、プラセボ対照、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験です。試験期間は観察期2週間および治療期26週間からなり、選択基準を満たし、かつ除外基準に抵触しない被験者を組み入れ、プラセボ群又はラサギリン 1 mg群のいずれかに1:1の比で無作為割付しました。各投与群には、治療期用治験薬として、それぞれプラセボ又はラサギリン1 mgを1日1回、二重盲検下で投与しました。

 

<ラサギリンメシル酸塩について>
ラサギリンメシル酸塩は、非可逆的特異的モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害活性を有する抗パーキンソン病薬です。MAO-Bに非可逆的に結合することにより、脳内のドーパミンの分解を抑制し、シナプス間隙中のドーパミン濃度を高めることにより、パーキンソン病の症状に有益な効果をもたらします。本薬はTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(本社:イスラエル ペタハ・ティクバ)が開発し、日本においては2014年3月に当社と開発・販売に関する契約が締結され、2017年6月に厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。

 

<注意事項>
本文書に記載されている医薬品の情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

 

以上