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官民パートナーシップの一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)が当社の医薬品アクセスへの取り組みを支援

官民パートナーシップの一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)が当社の医薬品アクセスへの取り組みを支援


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September 9, 2016

当社は、このたび、ケニアにおける医薬品アクセス(Access to Medicines)改善に向けた当社事業の実施計画が、独立行政法人国際協力機構(JICA)の官民パートナーシッププログラムである「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」の対象事業として採択されましたのでお知らせします。

 

当社のAccess to MedicinesのGlobal HeadであるIsabel Torresは、「当社の医薬品アクセスへの取り組みがJICAからの支援対象となったことを大変嬉しく思います。サブサハラ諸国*1では、医療施設の不足、不十分なインフラの整備、輸送手段の未整備などの複合的要因により、医薬品アクセスを改善することが喫緊の課題とされています。当社は、JICAを含む複数のパートナーシップを通じてこのような医薬品アクセスへの障壁の克服に取り組んでまいります」と述べています。

 

今回の協力準備調査は、サブサハラ諸国の患者さんの医薬品へのアクセスを向上させるための活動に先駆けて現地の非感染性疾患の患者さんの所得レベルを調査し、患者さんの所得レベルに応じた適正な医療費を検討するために行うものです。本調査は2016年10月より2017年3月にかけて行う予定です。なお、本活動は、このたび開所した当社のナイロビオフィスを拠点に展開します。今回の協力準備調査では、主にケニアの非感染性疾患の患者さんの所得レベルに関する実地調査を行い、適正な医療費の負担額を把握したうえで、当社の革新的医薬品の供給に向けた患者支援プログラムの適正化をはかります。

 

医薬品アクセスへの取り組みの一環として、当社はナイロビ大学、Elewa Cancer Foundation、Pan African Heart Foundation(PANAHF)と提携し、サブサハラ諸国における患者さんの大きなアンメットメディカルニーズを満たすため、同地域の深刻な疾病による負担を克服すべく医薬品アクセスに対する幅広い障壁への対応に取り組むことを先日公表しました。

 

サブサハラ諸国などでは、非感染性疾患*2の診断率および治療率が非常に低い現状にあり、治療可能な疾患であるにも関わらず、十分な治療を受けられずに命を落とす患者さんが多く存在しています。

*1 アフリカ(大陸に限られず島嶼を含む)のうち、サハラ砂漠より南の地域を指す。

*2心血管疾患、がん、慢性呼吸器疾患および糖尿病を中心とする疾患群で、世界各国で最大の死亡原因。2008年に非感染性疾患が原因で亡くなった人は世界で3,600万人に上り、その8割は低・中所得の国に集中し、増加しているという。有効な対策をしないと、2030年までに死者は世界で5,200万人に膨らむと推計されている。

 

<当社の医薬品アクセスへの取り組みについて>

革新的な医薬品や質の高い医療へのアクセスは、世界中の人々の健康にとって不可欠です。当社の医薬品アクセスへの新たな取り組みは、当社がこれまで行ってきたグローバルヘルス強化への取り組みをさらに進展させるものです。ラテンアメリカ、東南アジア、アフリカなど、医療制度が発展途上にある国々の患者さんが、医療費の全額を自己負担することが難しい場合であっても、革新的で生命を救う有効な選択肢となりうる当社の医薬品にアクセスできるよう、取り組んでまいります。

 

当社の医薬品アクセスへの新たな取り組みにおいては、オンコロジー(がん)、専門医向け消化器系疾患領域における当社の最も革新的な医薬品や、デング熱、チグングニア熱などの感染症に対する当社のワクチン候補へのアクセス改善に注力します。こうした取り組みを通じて、持続可能な枠組みにより、アンメットメディカルニーズが高い国々の患者さんの健康に、大きく貢献してまいります。

 

当社の取り組みは、医薬品の販売そのものに留まらず、医薬品アクセスに対する様々な課題の解決を目指しており、医薬品アクセス改善を目的とした既存薬のライフサイクルマネジメント、現地施設の臨床試験へのさらなる参加、導入可能な地域における早期のアクセスプログラムの構築、医療費の全額支払いが難しい患者さんの費用負担を支援する革新的なアプローチの導入などを行ってまいります。

 

<サブサハラ諸国における当社の医薬品アクセスへの取り組みについて>

当社は、ケニア・ナイロビにサブサハラ諸国におけるがん/血液がんの診断、ケア、治療の中核拠点を設立することを目指しています。ナイロビにおける主な取り組みの一つが、アフリカのがん専門医と病理専門医に対する学習交流とトレーニングの支援です。当該地域では、がんの専門家が不足しているため、当社は、将来にわたりナイロビ大学と協力してがん専門医の育成に貢献することを目指し、パブリックプライベートパートナーシップの一環として、同大学のオンコロジーの初年度生のためのフェローシッププログラムに対する資金援助を行います。

 

当社は、現地の医療従事者、専門家、NGOと協力して、サブサハラ諸国において、当社従業員のスキル・経験・技術的専門性を役立てていただき、現地の医療システム強化に貢献するための、当社従業員を対象としたフェローシッププログラムの設立にも取り組んでまいります。サブサハラ諸国で実施予定のその他の取り組みには、患者さんを対象とした疾病・治療にかかる教育、当社の一部の革新的な医薬品へのアクセスに対する患者さんの費用負担能力にかかる課題解決のための患者支援プログラム(PAPs)などが含まれます。

 

また、専門医への紹介率やがんの早期診断率の改善を目指し、当社は、ASCO International のパートナーであるElewa Cancer Foundationと提携し、がんのスクリーニングおよび診断に関し、実地医家に対するトレーニングを実施します。

 

糖尿病と高血圧症への取り組みとして、複数のケニアのカウンティ(県)においてPan African Heart Foundation (PANHF)と長期的なパートナーシップを構築し、糖尿病と高血圧症のモバイルスクリーニングプログラムを実施します。当社は、サブサハラ諸国における当社の一部の糖尿病・高血圧症治療薬へのアクセス改善にも取り組みます。

 

以上