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武田薬品とAltos Therapeuticsによる胃不全麻痺治療薬の開発に関する提携について

武田薬品とAltos Therapeuticsによる胃不全麻痺治療薬の開発に関する提携について


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July 4, 2016

-武田薬品の重点領域である消化器系疾患領域での取り組み-

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とAltos Therapeutics LLC(本社:米国カリフォルニア州ロスアルトス、以下「Altos社」)は、このたび、Altos社の有する新薬候補物質であるATC-1906の開発に関する契約を締結しましたのでお知らせします。本契約に基づき、武田薬品は、契約日から現在実施中のATC-1906の臨床第1相試験終了後の一定期間終了までAltos社を買収する独占的オプション権を有します。両社は、今後、ATC-1906を胃不全麻痺とその症状に対する治療薬として開発する予定です。

 

胃不全麻痺は、胃排出遅延を特徴とした慢性的な胃運動障害であり、早期満腹感、食後膨満感、嘔気、嘔吐、腹部不快感などの症状を伴います。糖尿病性の胃不全麻痺および特発性胃不全麻痺には大きなアンメットメディカルニーズが存在します。

 

Altos社は、同社唯一の新薬候補物質であるATC-1906を、胃不全麻痺における嘔気・嘔吐症状に対する経口ドパミンD2/D3受容体拮抗薬として開発しています。契約に基づき、武田薬品は、Altos社買収オプション権に対する一時金をAltos社に支払います。武田薬品がオプション権の行使を選択した場合、武田薬品は、買収のための追加の支払を行い、ATC-1906の開発・販売権を獲得します。また、その場合、Altos社は、開発および販売マイルストンを受領する権利を有します。その他の契約の詳細については開示しておりません。

 

胃不全麻痺の患者さんにおいては、ドパミン受容体が活性化されると嘔吐反応が促進されます。Altos社と武田薬品は、ドパミン受容体拮抗作用を有するATC-1906の開発を追究することにより、患者さんの嘔気・嘔吐症状をより高い安全性をもって軽減する新たな治療オプションの提供に取り組みます。

 

武田薬品の消化器系疾患Therapeutic Area UnitHeadであるAsit Parikhは、「胃不全麻痺の治療薬には大きなアンメットニーズが存在し、消化器系疾患の患者さんに対する革新的な新薬を開発することは、当社の研究開発戦略における最優先事項です。本契約により、世界中の人々の健康と生活の質を高めるため、他剤とは差別化された治療薬の開発にさらに取り組んでまいります」と述べています。

 

AltosCEORoger Whitingは、「当社の主な目標は、胃不全麻痺治療薬ATC-1906を開発することです。当社が臨床第1相試験を通じて本薬の開発を継続しつつ、消化器系疾患における専門性を有する武田薬品と連携できることを嬉しく思います。本提携により、この重要な治療薬の開発が加速されるものと確信しています」と述べています。

 

本件では、Altos社において、Oppenheimer & Co.が独占的なフィナンシャル・アドバイザーを務め、Cooley LLPが法律顧問を務めました。また、武田薬品において、Polsinelliが法律顧問を務めました。

 

Altos社について>

Altos Therapeuticsは、米国カリフォルニア州ロスアルトスに拠点を置く、非上場の製薬企業です。同社は胃不全麻痺治療薬ATC-1906の開発に主に注力しています。また、同社は、本薬の臨床試験開始に必要な全ての試験を終了しており、同社が引き続き臨床第1相試験を行います

以上