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悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫に対する 地固め療法に関する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審議結果について

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫に対する 地固め療法に関する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審議結果について


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May 30, 2016

-CHMPの承認推奨見解により、ホジキンリンパ腫の早期治療ラインにおけるアドセトリスの重要性が示唆-

当社は、このたび、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)において、現在条件付で承認されている適応を拡大し、自家造血幹細胞移植後の再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の適応追加の承認を推奨する旨の見解が示されましたのでお知らせします。自家造血幹細胞移植後、平均で50%の患者さんが再発し、さらなる危険因子を有する場合、再発リスクは一層高くなる可能性があります。自家造血幹細胞移植後のアドセトリス投与は、再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象に実施されたこれまでで最大規模の無作為化試験結果に基づく新たな治療法です。アドセトリスの臨床開発プログラムにおいて最初に完了した臨床第3相試験のAETHERA試験は、ホジキンリンパ腫の再発予防のために移植の効果を持続させるための自家造血幹細胞移植直後の地固め療法を検討した最初の試験です。アドセトリスによる地固め療法は、既存の治療法がない患者さんにとって有効な治療オプションとなる可能性があります。 

当社Oncology Therapeutic Area UnitのExecutive Medical DirectorであるDirk Huebnerは、「自家造血幹細胞移植は、初回治療の化学療法が無効なホジキンリンパ腫の標準療法ですが、残念なことに、多くの患者さんに再発が見られます。残存病変をアドセトリスで徹底的に治療することにより、再発予防の可能性が高まります。最近取得した再発・難治性のホジキンリンパ腫を対象とした5年間の全生存率データに加え、今回の承認推奨見解により、アドセトリスは予後改善につながる治療薬として一層評価が高まるものと考えています。欧州委員会により新効能が承認され、欧州の患者さんや医療関係者の方々に本剤をお届けできることを心待ちにしています」と述べています。 

CHMPのアドセトリスに対する承認推奨の見解は、今後、欧州委員会(EC)により審議されます。本見解がEU諸国に対する医薬品の許認可の権限を有しているECにより正式に採用された場合、アドセトリスの適応追加はEU諸国の28ヵ国、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドで承認されることとなります。 

今回の承認推奨の見解は、臨床第3相試験であるAETHERA試験の結果に基づいています。AETHERA試験では、独立中央判定委員会による評価の結果、無増悪生存期間を75%改善したことと等しいという、アドセトリス投与群(最良支持療法との併用)のプラセボ投与群(最良支持療法との併用主要評価項目である無増悪生存期間において)に対する統計学的に有意な改善が示されました(ハザード比:0.57、p=0.001)。無増悪生存期間は、全ての患者さんを対象に、投与開始から少なくとも2年以上にわたり評価しました。3年間の追跡後に実施された最新の解析では、持続的な無増悪生存期間の改善が示されました(ハザード比:0.58、95%信頼区間:0.41-0.81、独立判定機関による)。予め規定された全生存期間の中間解析では、両群間に統計学的な有意差は認められませんでした。AETHERA試験におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書の情報と差はありませんでした。 

 

<ホジキンリンパ腫について>

リンパ腫はリンパ系に由来するがんの総称であり、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。ホジキンリンパ腫は、特徴的な類型の細胞であるReed-Sternberg細胞の存在によって他のリンパ腫と区別されます。Reed-Sternberg細胞はCD30を発現しています。 

                                              以上