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GEヘルスケアと武田薬品、肝疾患に関するアライアンス契約を締結

GEヘルスケアと武田薬品、肝疾患に関するアライアンス契約を締結


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November 11, 2015

GEヘルスケア(本社:英国チャルフォントセント ジャイルズ、プレジデント兼CEO:ジョン・フラナリー)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:クリストフ・ウェバー、以下「武田薬品」)は、肝疾患の診断・治療において重要な要素である肝線維化の診断技術に関するアライアンス契約を締結したことをお知らせします。本契約の締結については、米国時間11月7日~11日に米国マサチューセッツ州ボストンで開催される第65回米国肝臓学会議(AASLD)の時期に合わせて発表いたします。 

本契約に基づき、GEヘルスケアは武田薬品が進める肝疾患に関する研究・開発において、線維化測定のためのイメージング診断技術を武田薬品へ提供します。両社協力のもと、各々の強みを活かすことによって、治療薬のより早期の開発および新たな肝疾患診断技術の開発を目指します。

初期の肝疾患は自覚症状がほとんどなく、正常肝から肝炎、肝硬変へと症状が悪化するのに伴い、組織が硬くなる線維化が進むのが特徴です。近年世界的に、高齢化や生活習慣の変化などから、メタボリックシンドロームの肝臓における表現型とされる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が問題となっています*1。過去20~30年の間で、NAFLDおよび非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が先進国における肝疾患の原因第一位となっています。また過去20年間で、他の肝疾患の罹患率が維持、減少している一方で、NAFLDの罹患率は倍に増えています。さらに、最近のデータによると、中東、極東、アフリカ、カリブ海諸国、ラテンアメリカなどの新興国においても、NAFLDやNASHは同様に重要な疾患であることが示されており、肝臓の線維化の早期診断とともに肝疾患の進展を抑制する薬剤の開発が課題となっています。

現在、肝線維化の診断において針を皮膚から肝臓へと突き刺し、肝臓の一部を採取して測定する肝生検(バイオプシー)が主な検査方法とされていますが、患者さんの負担を軽減する非侵襲的な診断方法の開発が強く求められています。GEヘルスケアが開発し、2009年より米国で(日本国内は2012年から)使用が開始されたMRエラストグラフィー*2では、肝臓組織の相対的な硬さをMRIによる非侵襲的な方法で鑑別することができるようになりました。このようなGEヘルスケアの診断技術は、武田薬品が取り組む革新的な薬剤の開発に寄与することが期待されます。

武田薬品の取締役 チーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサーの山田忠孝は「このたび、GEヘルスケアと肝疾患の治療薬開発に向けたパートナーシップを構築できたことを大変嬉しく思います。今回の提携は、創薬において、患者さんにとって治療における選択肢を広げる、より負担の少ない新たな医薬品開発に向けた取り組みとなります。今後も、患者さんを第一に考え、様々なイノベーションを取り入れてまいります」と述べています。

GEヘルスケア・ジャパン会長であり肝臓疾患プログラム統括責任者の熊谷昭彦は「本パートナーシップを通じて、アジアのみならず世界的に重要となってきている肝疾患の治療薬開発に、当社の技術を役立てられることを大変光栄に思います。GEは重点領域として肝疾患ソリューション開発に注力しており、超高齢社会に対するソリューションを提供することを戦略に掲げる日本は、グローバルにおけるその研究開発拠点の一つとして、活動をけん引してきました。GEのイノベーションが、一日も早く、世界中の人々の健康に寄与できることを祈っています」と述べています。

以上

*1 出典: 「THE MERCK MANUAL PROFESSIONAL EDITION」サイト内のJesse M. Civan, MDの記事から引用

http://www.merckmanuals.com/professional/hepatic_and_biliary_disorders/fibrosis_and_cirrhosis/hepatic

_fibrosis.html

World Gastroenterology Organisation Global Guidelines「Nonalcoholic Fatty Liver Disease and Nonalcoholic Steatohepatitis」から引用 http://www.worldgastroenterology.org/assets/export/userfiles/2012_NASH%20and%20NAFLD_Final_long.pdf

*2 MRエラストグラフィーとは、外部から与えられた振動をもとに、MRIで体内組織の弾性(elasticity)を画像化する技術です。組織の相対的な硬さを色分け表記できるのが最大の特長で、得られた画像に設定したROI(関心領域)の測定値は肝臓の相対的な硬さ(弾性)を反映しており、臨床的には世界の高齢化に伴い罹患数が増加傾向にある肝疾患の進行度診断に高い有用性が期待されています。詳しくはこちらから。

<契約の概要

本契約の経済条件など、内容の詳細については開示を控えさせていただきます。本契約は、肝疾患治療薬の開発における診断に関する提携を対象としています。

GEヘルスケアについて

GEヘルスケアは、より多くの人々に身近で質の高い医療をお届けするため、先進的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスの開発・提供にグローバル規模で取り組んでいます。世界が直面する困難な課題解決に取り組むGEのヘルスケア事業部門として、画像診断機器やソフトウェア開発、ヘルスケアITをはじめ、生体情報モニター、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)、創薬、バイオ医薬品、医療機関の経営支援まで、幅広い分野にわたる専門性を駆使しながら、患者さんに高品質でより安全な医療を提供することを支援しています。詳細についてはhttp://www3.gehealthcare.com/en/global_gatewayをご覧ください。

<武田薬品について>

武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションである『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttp://www.takeda.co.jp/をご覧ください。