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潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「EntyvioTM」(一般名:vedolizumab)の米国における販売開始について

潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「EntyvioTM」(一般名:vedolizumab)の米国における販売開始について


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June 17, 2014

当社および当社の100%子会社である武田ファーマシューティカルズUSA Inc.(以下、「TPUSA社」)は、このたび、新規生物学的製剤「EntyvioTM」(一般名:vedolizumab、開発コード:MLN0002)について、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療剤として、米国での販売を開始しましたのでお知らせします。

Entyvioは、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病治療剤として、本年5月に米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を取得し、また、同月、欧州委員会(EC)からも欧州連合における販売許可を取得しました。

TPUSA社マーケティング担当Vice PresidentのNicole Mowad-Nassarは、「潰瘍性大腸炎およびクローン病の患者さんの治療においては、新たな治療選択肢に対する強いニーズがあります。FDAによる承認後、このように速やかにEntyvioを患者さんにお届けできることを嬉しく思います」と述べています。

本件による、当社の2015年3月期の連結業績予想に変更はありません。

 

 

効能・効果

用法・用量

潰瘍性大腸炎

抗TNFα抗体または免疫調節薬による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、あるいはコルチコステロイドによる治療に対し、効果不十分、不耐性である、もしくは依存性を示す、成人の、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎に対する臨床症状の改善、寛解の導入および維持、内視鏡所見の改善、ならびにコルチコステロイド非併用下での寛解達成

0週、2週、6週、以後は8週毎に、1回300 mgを約30分かけて静脈内投与。投与中は、患者の状態を投与が完了するまで観察すること

クローン病

抗TNFα抗体または免疫調節薬による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、あるいはコルチコステロイドによる治療に対し、効果不十分、不耐性である、もしくは依存性を示す、成人の、中等度から重度の活動期クローン病に対する臨床症状の改善および寛解の達成、ならびにコルチコステロイド非併用下での寛解達成

 

以上

 

Entyvio(一般名:vedolizumab)について>

Entyvioは、ヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体です。α4β7インテグリンは、潰瘍性大腸炎やクローン病における炎症発生プロセスに関与するとされる循環白血球のサブセットに発現し、消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を惹起します。本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害します。

 

<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>

潰瘍性大腸炎およびクローン病は消化管内壁の炎症を特徴とします。潰瘍性大腸炎は大腸(結腸および直腸)だけに発現するのに対し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を惹起します。両疾患については、多くの研究者が外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が疾患を引き起こすと指摘していますが、正確な原因はいまだ不明です。潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬は、寛解の達成、維持、あるいは症状のない期間の延長を目指すものです。