潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「Entyvio®」(一般名:vedolizumab)の欧州における販売許可取得について

2014年5月28日

当社は、このたび、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「Entyvio®」(一般名:vedolizumab、開発コード:MLN0002)について、欧州委員会(EC)から販売許可を取得しましたのでお知らせいたします。承認された効能は、標準治療薬もしくは抗TNFα抗体による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病であり、潰瘍性大腸炎およびクローン病両疾患について、初めてかつ唯一、同時に承認された生物学的製剤です。潰瘍性大腸炎およびクローン病は、炎症性腸疾患(IBD)の二大疾患であり、その患者数は、欧州の約220万人を含め、全世界で400万人以上にのぼります

本剤の販売許可にかかる申請は、臨床第3相試験であるGEMINITM試験の結果に基づき実施しています。GEMINI試験は4本の臨床試験からなり、世界約40ヵ国において、2,700名の患者さんを対象にクローン病と潰瘍性大腸炎の評価を同時に実施した最大規模の臨床試験です。GEMINI試験では、少なくとも1回の標準治療(コルチコステロイド、免疫調節薬および/または抗TNFα抗体)による治療を施行し不応であった中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象に実施しており、抗TNFα抗体不応例には、十分な効果が得られなかった一次無効、効果が持続しなかった二次無効、抗TNFα抗体不耐性の患者さんが含まれています。

現在、本剤の販売が承認されているのは、欧州連合(EU)加盟28ヵ国ならびにノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインです。なお本剤は、米国においても成人の中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療剤として承認されています。

当社の欧州・カナダ・コマーシャル・オペレーション責任者 Trevor Smithは、「潰瘍性大腸炎およびクローン病の両疾患を対象とした一連の臨床試験において、統計学的に有意な本剤の有効性が示され、良好な忍容性が示されたことにより、欧州委員会に本剤の臨床的有用性を認めていただいたことを嬉しく思います。消化器系疾患に関する長い研究の歴史を有する当社が、炎症性腸疾患の患者さんに幅広い治療選択肢をお届けできるようになったことを大変光栄に思います」と述べています。

ベルギーのCatholic University of LeuvenのPaul Rutgeerts医師は、「潰瘍性大腸炎とクローン病は、若年成人期に診断を受ける患者さんが多く、患者さんの生活に深刻な影響を及ぼしうる疾患です。我々医師は、これらの疾患に苦しんでおられる患者さんが、寛解と病態コントロールを達成し、維持できることを目指しています。本剤は、潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬として初めて腸管に選択的に作用する生物学的製剤であり、欧州における本剤の承認は、潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療における重要な前進です。この新たな治療選択肢により、これらの治療が困難な疾患への取り組みが促進されることを期待しています」と述べています。

本件による、当社の2015年3月期の連結業績予想に変更はありません。

 参照文献:Loftus EV Jr. Clinical epidemiology of inflammatory bowel disease: incidence, prevalence, and environmental influences. Gastroenterology. 2004;126(6):1504-1517. 

http://download.journals.elsevierhealth.com/pdfs/journals/0016-5085/PIIS0016508504004627.pdf  

(Accessed March 1, 2014)

以上

Vedolizumabについて>

Vedolizumabは、潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬として開発されたヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体です。α4β7インテグリンは、潰瘍性大腸炎やクローン病における炎症発生プロセスに関与するとされる循環白血球のサブセットに発現し、消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を惹起します。本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害します。

<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>
潰瘍性大腸炎およびクローン病は炎症性腸疾患の二大疾患です。潰瘍性大腸炎が直腸、結腸を含む大腸だけに発現するのに対し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を惹起します。潰瘍性大腸炎で最もよく見られる症状は、腹部不快感、下痢時の出血あるいは排膿であり、クローン病で最もよく見られる症状は、腹痛、下痢、直腸出血、体重減少、発熱です。両疾患については、多くの研究者が外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が疾患を引き起こすと指摘していますが、正確な原因はいまだ不明です。炎症性腸疾患治療薬は、寛解の達成、維持、あるいは症状のない期間の延長を目指すものです。