潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumabに関する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の審査結果について

2014年3月24日

当社は、このたび、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumab(一般名、開発コード:MLN0002、欧州製品名Entyvio®)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)において、承認を推奨するという見解が示されましたのでお知らせいたします。なお、推奨された効能は、標準治療薬もしくは抗TNFα抗体による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病です。

 

当社は、2013年3月、EMAにvedolizumabの販売承認申請(MAA)を行いました。CHMPによる承認推奨を受け、本申請は、速やかに欧州委員会(EC)により審査されます。CHMPの推奨をECが正式に採用した場合、欧州連合加盟28ヵ国ならびにノルウェー、アイスランドおよびリヒテンシュタインにおいて承認されることとなります。

 

現在vedolizumabは、米国食品医薬品局(FDA)においても生物学的製剤承認申請(BLA)を申請中であり、本薬は、2013年12月9日、FDAの消化器系用薬諮問委員会および医薬安全・リスク管理諮問委員会の合同委員会により、成人の中等度から重度の潰瘍性大腸炎またはクローン病を適応症とした治療薬として承認を推奨するという見解が示されています。

 

本申請は、臨床第3相試験であるGEMINITM試験の結果に基づき実施しています。GEMINI試験は4本の臨床試験からなり、世界約40ヶ国において、2,700名の患者さんを対象にクローン病と潰瘍性大腸炎の評価を同時に実施した最大規模の臨床試験です。GEMINI試験では、少なくとも1回の標準治療(コルチコステロイド、免疫調節薬および/または抗TNFα抗体)による治療を施行し不応であった中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病を対象に実施しており、抗TNFα抗体不応例には、十分な効果が見られなかった一次無効、効果が持続しなかった二次無効、抗TNFα抗体不耐性の患者さんが含まれています。

 

当社の欧州・カナダ・コマーシャル・オペレーション責任者 Trevor Smithは「CHMPが、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬vedolizumabの承認を推奨したことを大変嬉しく思います。vedolizumabの臨床的有用性が認められたことにより、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬として初めて腸管に選択的に作用する生物学的製剤を欧州の患者さんに提供できる日が近くなりました。当社は、消化器系疾患治療薬の開発において豊富な経験を有しており、また、長年にわたりIBDの複雑なメカニズムを究明してまいりました。当社は、vedolizumabの開発により、この分野の知見をさらに深めていくとともに、これからも生物学的製剤で革新的な医薬品を創出してまいります」と述べています。

 

ベルギーのCatholic University of LeuvenのPaul Rutgeerts医師は、「潰瘍性大腸炎やクローン病は、若年成人期に診断を受けることが最も多い慢性疾患です。患者さんの生活は生涯にわたり、この疾患がもたらす症状および疾病管理から影響を受け続けます。医師の皆さんや患者さんに役立つ新たな治療選択肢に関する研究が進み、発展し続けていくことが非常に重要です」と述べています。

以上

 

<Vedolizumabについて>

Vedolizumabは、潰瘍性大腸炎およびクローン病治療薬として開発中のヒト化α4β7インテグリンモノクローナル抗体です。α4β7インテグリンは、潰瘍性大腸炎やクローン病における炎症発生プロセスに関与するとされる循環白血球のサブセットに発現し、消化管における血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合することで炎症反応を惹起します。本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害します。 

 

<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>

潰瘍性大腸炎およびクローン病は炎症性腸疾患の二大疾患です。潰瘍性大腸炎が直腸、結腸を含む大腸だけに発現するのに対し、クローン病は消化管内部のあらゆる部位で炎症を惹起します。潰瘍性大腸炎で最もよく見られる症状は、腹部不快感、下痢時の出血あるいは排膿であり、クローン病で最もよく見られる症状は、腹痛、下痢、直腸出血、体重減少、発熱です。両疾患については、多くの研究者が外的な環境要因と遺伝子や体内の免疫システムとの相互作用が疾患を引き起こすと指摘していますが、正確な原因はいまだ不明です。炎症性腸疾患治療薬は、寛解の達成、維持、あるいは症状のない期間の延長を目指すものです。潰瘍性大腸炎およびクローン病の患者数は、欧州では約220万人といわれています

 

 

 Loftus EV Jr. Clinical epidemiology of inflammatory bowel disease: incidence, prevalence, and environmental influences. Gastroenterology. 2004;126(6):1504-1517. http://download.journals.elsevierhealth.com/pdfs/journals/0016-5085/PIIS0016508504004627.pdf. Accessed March 18, 2013.