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皮下注用人免疫グロブリン製剤「ハイキュービア® 10% 皮下注セット」の発売について | 武田薬品

皮下注用人免疫グロブリン製剤「ハイキュービア® 10% 皮下注セット」の発売について


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2025年6月12日
  • 無又は低ガンマグロブリン血症を効能・効果とする、日本初かつ唯一の皮下注用人免疫グロブリン製剤およびボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤から構成される組み合せ製剤
  • 人免疫グロブリンの投与前にボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を投与することで、より大量の皮下投与が可能になり、投与頻度の減少により患者さんへ貢献することに期待

当社は、本日、皮下注用人免疫グロブリン製剤およびボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤から構成される組み合せ製剤「ハイキュービア® 10% 皮下注セット」(以下「ハイキュービア」)について、「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能又は効果として、発売しましたのでお知らせします。

ハイキュービアは、主に有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施された、2歳以上の日本人原発性免疫不全症(PID)患者さん16例を対象とした2つの主要な非盲検非対照臨床第3相試験(TAK-771-3004試験NCT05150340Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT05150340、TAK-771-3005試験NCT05513586Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT05513586?term=TAK-771-3005&rank=1)ならびに北米のPID患者さんを対象とした2つの海外臨床第3相試験(160603試験NCT00814320Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT00814320、160902試験NCT01175213Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT01175213)に基づいて、2024年2月14日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2024年12月27日に製造販売承認を取得しました。

当社のジャパン ファーマビジネス ユニット第二事業部 ヘッドである大山尚貢は、「世界45カ国以上で承認されているハイキュービアを日本の患者さんにお届けできることを嬉しく思います。現在日本で承認されている無又は低ガンマグロブリン血症患者さんのための皮下投与製剤は週1回または2週間に1回の投与が必要です。投与頻度が従来の皮下投与製剤より少ない3週または4週間隔の皮下注用免疫グロブリン製剤を治療選択肢として提供することを通じて、患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。

ハイキュービアは、現在、「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎及び多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)」の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請の審査中です。

無又は低ガンマグロブリン血症について

無ガンマグロブリン血症は、遺伝子の異常によってBリンパ球と呼ばれる免疫細胞が正常に成熟・増殖されず、抗体が産生されないために引き起こされる遺伝性疾患で1、原発性免疫不全症(PID)の一つです。低ガンマグロブリン血症は、遺伝子異常によって抗体が欠乏して発症する場合は、原発性免疫不全症(PID)に含まれ、化学療法、特定の併存疾患、免疫抑制剤の使用などの二次的影響によって抗体が欠乏して発症する場合は、続発性免疫不全症(SID)に含まれます2。いずれの抗体欠乏症も、感染症を繰り返すことが多く、 免疫グロブリン補充療法により体内の抗体濃度を上昇させることができます。

原発性免疫不全症・続発性免疫不全症について

原発性免疫不全症(PID)は、免疫系の一部が欠損している、または適切に機能していないそれぞれ異なる480種類を超える希少遺伝性疾患のグループを指します3。続発性免疫不全症(SID)は、免疫系の外因性条件または要因に起因する免疫応答の障害と定義することができます。SIDは栄養不良、代謝障害、免疫抑制薬の使用、慢性感染、悪性腫瘍、および重度の外傷の結果として生じます4。PIDおよびSIDの患者さんは免疫系が障害されているため、感染症にかかりやすく、回復に時間がかかることがあります。抗体欠損があり、易感染性が亢進していたり、持続性感染症の患者さんでは、機能的抗体による代替(免疫グロブリン補充療法)が免疫系の機能を支える標準治療です4

ハイキュービア®について

ハイキュービアは、皮下注用人免疫グロブリン(以下「SCIG」)10%製剤1バイアルとボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)(以下「rHuPH20」)製剤1バイアルを組み合わせた日本初かつ唯一の皮下注用免疫グロブリン製剤です。rHuPH20を投与し皮下組織の透過性を一時的に高め、その後同じ部位にSCIG10%を投与することで、SCIG10%の拡散と吸収が促進され、大量投与が可能になります。静脈路の確保が不要という皮下投与製剤の特徴に加え、大量投与により投与頻度を従来の皮下投与製剤に比べて軽減することが可能です。従来の皮下投与製剤の投与頻度が1週または2週間隔であるのに対して、3週または4週間隔となり、無又は低ガンマグロブリン血症患者さんへ貢献することが期待されます。本剤は、2025年5月現在、45カ国以上で承認されています。

「ハイキュービア® 10% 皮下注セット」の製品概要

  • 販売名 ハイキュービア® 10% 皮下注セット5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL
  • 一般名
    pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)
    ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
  • 効能又は効果 無又は低ガンマグロブリン血症
  • 用法及び用量
    ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与する。
    人免疫グロブリンG及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与は、以下の用量の1/3又は1/4から開始し、漸増する。また、投与間隔は投与量に併せて延長する。
    ・通常、人免疫グロブリンGとして150~600mg(1.5~6mL)/kg体重を3週間に1回又は200~800mg(2~8mL)/kg体重を4週間に1回投与する。
    ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、人免疫グロブリンG 1gあたり80単位(0.5mL)を投与する。
    なお、患者の状態に応じて、3週又は4週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減する。
  • 薬価
    ハイキュービア® 10% 皮下注セット5g/50mL 1セット  56,816円
    ハイキュービア® 10% 皮下注セット10g/100mL 1セット 112,154円
    ハイキュービア® 10% 皮下注セット20g/200mL 1セット 221,382円

武田薬品について


武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/ をご覧ください。

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医療情報


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  1. National Organization for Rare Disorders https://rarediseases.org/rare-diseases/agammaglobulinemia/Go to https://rarediseases.org/rare-diseases/agammaglobulinemia/
  2. Pimenta et al. Hypogammaglobulinemia: a diagnosis that must not be overlooked. BJMBR. 2019;52(10): e8926.
  3. Tangye et al. Human Inborn Errors of Immunity: 2022 Update on the Classification from the International Union of Immunological Societies Expert Committee. J Clin Immunol. 2022;42(7):1473-1507.
  4. Tuano KS, Seth N, Chinen J. Secondary immunodeficiencies: An overview. Ann Allergy Asthma Immunol. 2021;127(6):617-626.