- AE-QoLビジュアライザーで、今まで見落とされがちであったHAE患者さんの過去から現在のQOLの変化を可視化
- AE-QoLビジュアライザーによるQOLの可視化で、目に見える発作の部位や頻度だけでなく、QOLを含めた主治医と患者さんとの双方向の診療を促進
当社は、このたび、医療関係者向けウェブサイトの遺伝性血管性浮腫(以下HAE)領域のコンテンツとしてHAE患者さんのQOL(生活の質)を可視化できるAE-QoLビジュアライザーを導入しましたのでお知らせします。
HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など、身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患です1,2,3。浮腫が喉に発症した場合は、気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する危険もあります。世界中で5万人に1人が罹患していると推定されています4。日本には2,000人から3,000人の患者さんが存在すると推定されていますが、疾患に対する日本での認知度は低く、診断されている患者さんは約450名に留まっており、未診断の患者さんが多くいると考えられています5。
HAEの発作は、いつ起きるのか予測することが難しいだけでなく、発作が起きた際は学業や仕事に影響を及ぼすことも多く、患者さんのQOLに影響を与えています。急性発作は、急性発作治療剤により治療することが可能ですが、発作が収まった後も次にいつ発作が起こるかわからず不安に感じたり、外出を控えたりする患者さんがおられ、発作が起きていない時でもQOLに影響を及ぼしています6。
一方で、患者さんは受診時には浮腫などの症状がないことが多く、医師は患者さんへの問診から病勢やQOLの障害の程度を推察する必要があります。また、詳細な問診を限られた診察時間内で行うことが実際の臨床現場では難しいことが報告されており7、QOLに関して十分に把握するのは困難であると推察されます。そのためにもデータを明確に数値化し見せることは重要なことだと考えます。
AE-QoL(angioedema quality of life questionnaire)8は、HAEの患者さんのQOLを測る指標として確立されたもの9ですが、数値化するのに手間がかかります。AE-QoLビジュアライザーは、患者さんが記入した日常生活への影響などQOLに関連する質問への回答を基に主治医が必要項目を入力することで、QOLを簡単に数値化するだけでなくグラフ化することも可能な、医師が無料で使用できるツールです。患者さんは、主治医から数値やグラフでQOLに関して説明を受けることで、QOLに対して自身が抱いている思いを主治医に伝えることができ、不安を和らげることが期待されます。また、HAE診療のためのWAO/EAACI国際ガイドライン(2021年版)でも、HAEの治療目標として疾患コントロールおよび患者さんの生活の健全化が挙げられており、HAE診療においてQOLを評価することは極めて有用と考えられています10。