Takeda

株主の皆さまへのメッセージ2026 | 武田薬品


株主の皆さまへのメッセージ2026

目次

Loading

株主の皆さまへ

タケダにおけるあらゆる取り組みは、「患者さんのために、私たちは何ができるのか」という問いから始まります。どんな些細な意思決定を行う際でも、必ず患者さんを中心に据えて考えます。この考え方は、245年にわたって私たちの道しるべとなり、タケダを形づくってきたものであり、創薬や開発をはじめとする、私たちが医薬品をお届けするにあたっての姿勢を物語っています。まだ満たすことのできていない、あるいは見過ごされがちな患者さんのニーズに向き合うからこそ、私たちは、右記の動画でご紹介したジュリー・フライガーさんのような方の人生に、真に意味のある、そして持続的な変化をもたらすことに貢献でき、同時に、すべてのステークホルダーに向けて長期的な価値を創出できるのです。

まずは、この場をお借りして、過去12年にわたり先見性あるリーダーシップを発揮してきたクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOに対し、感謝の意を表したいと思います。彼が熟慮を重ね行ってきた大胆な意思決定の数々とともに、取締役会の全面的なサポートによって、今日の私たちがあります。タケダの可能性を信じ続けた彼の信念が、今後のさらなる成長の土台である、グローバルな事業規模と革新的なパイプラインの構築につながりました。彼のリーダーシップのもと、私たちは患者さんを第一に考え、人々との信頼関係を構築し、社会的評価の向上を通じ、持続的な事業の発展を実現することで、私たちの価値観を体現してきました。これによって、タケダは「誠実」を礎に、明確なパーパス(存在意義)のもとで事業運営を行う会社としての地位を確立しました。タケダの新たな時代への幕開けにあたり、これからも、「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という私たちのパーパスや価値観に根ざしながら、果敢に進化を遂げていく姿勢に変わりはありません。

この1年を振り返るにあたり、まず、ともに働く仲間であるタケダの従業員のレジリエンス(逆境に負けないしなやかな強さ)と創造性を称えたいと思います。私たちを取り巻く外部環境がますます複雑かつ変化の激しいものとなる中でも、タケダの従業員は日々たゆまぬ努力を続け、パーパスを体現し、持続可能な事業運営を支えています。しかし、これは私たちの力だけで成し遂げるものではありません。私たちは、自身の努力に加え、グローバルおよび地域社会の中で築いてきたパートナーとの協働を通じて、医療の課題を解決する新たな方策に取り組んでいます。また、人々の健康と密接に関係する地球環境への施策にも引き続き注力しています。事業を持続的に成長させていく、という私たちの強い思いについては、6月下旬に発行予定の2026年統合報告書で詳しくご紹介します。

続いて、2025年度業績の振り返りとともに、加速する後期開発パイプラインの上市準備や競争力の強化、さらなる成長へと勢いづけるための私たちの取り組みを含む、2026年度の見通しをご説明したいと思います。これらについて、クリストフならびにタケダ・エグゼクティブチームを代表してお伝えできることを大変光栄に思います。なお、私のCEO就任後に予定しているCapital Markets Day(投資家・アナリスト向けIRイベント)の場で、今後の成長加速に向けた長期的な構想と戦略について、より詳しくお話しする予定です。

パイプラインが大きく進展した1年


2025年3月、私たちはrusfertideのトップライン結果を発表したばかりで、オベポレクストンおよびザソシチニブの第3相臨床試験結果をはやる思いで待っている状況でした。その後、2025年度に入った4月以降は、タケダにとって極めて重要な1年であった通り、次に挙げる成果を達成しました。

  • オベポレクストンおよびザソシチニブの第3相臨床試験において、それぞれが主要評価項目ならびにすべての副次評価項目を達成し、これまでの同剤の臨床試験と同様の安全性プロファイルを示すなど、良好な結果を発表しました。
  • ナルコレプシータイプ1(NT1)治療薬候補であるオベポレクストンは、米国、日本および中国で承認申請を行いました。オベポレクストンは、ブレークスルーセラピー指定、ファストトラック指定、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を取得しており、NT1におけるアンメットニーズの大きさのほか、同治療薬候補が新たな標準治療となる可能性を示していると言えます。現在、2026年下期での上市を成功させるための準備を着実に進めています。
  • 真性多血症(PV)治療薬候補であるrusfertideについても、米国で承認申請を行いました。rusfertideは、米国食品医薬品局(FDA)より優先審査指定を受けており、これは疾患の希少性に加え、既存治療選択肢が限られている状況を反映しています。PVに対するファースト・イン・クラスの治療となり得るこの治療薬候補を、計画通り2026年下期に患者さんにお届けできるよう、準備を進めています。
  • 乾癬の治療薬候補であるザソシチニブは、乾癬に対する経口治療薬の中心的な選択肢として、拡大する乾癬市場における経口薬セグメントを大きく広げる可能性を秘めています。現在、規制当局への承認申請に向けた準備を進めており、2027年上期での上市を見込んでいます。
  • 幅広い固形腫瘍患者さんの深刻な治療ギャップに対応できる可能性のある、次世代の2つの治療薬候補に関して、Innovent Biologics社と戦略的パートナーシップを締結しました。

後期開発パイプラインにおける、その他のプログラムも着実に進展しています。直近では、原発性免疫不全症の患者さんを対象としたTAK‑881のピボタル試験において、良好な結果を得たことを発表しました。TAK‑881は20%促進型⽪下注⽤免疫グロブリン(IG)製剤であり、HYQVIAと同等の有効性および忍容性を示しつつも、必要とするIGの投与量を半分の液量に抑えられることが期待されています。さらに、骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血を対象としたelriterceptおよびIgA腎症を対象としたメザギタマブの第3相臨床試験も開始しており、後期開発パイプラインの充実度はより一層強化されています。このほか、ザソシチニブはこれまでの同剤の臨床試験を通じて強固かつ一貫した安全性および有効性プロファイルを示しており、乾癬性関節炎や炎症性腸疾患を含む、他の免疫介在性疾患への適応拡大の可能性に対して、私たちは自信を一層深めています。

業績面では、成長製品・新製品が引き続き成長したことで、2026年1月発表の2025年度通期マネジメントガイダンスに沿った堅調な業績を達成しました。Core売上収益は、成熟製品における独占販売期間満了による減収影響を一部受けながらも、約4.5兆円(約283億米ドル)となりました。また、全社的な効率化プログラムを通じた営業経費の節減など、財務規律を徹底したことで、Core営業利益は約1.17兆円(約74億米ドル)となりました。そして、直近に控える新製品の上市準備など、将来の成長に向けた投資のほか、株主の皆さまへの魅力的な株主還元を可能とするための力強いキャッシュ・フローの創出にも引き続き注力しました。

4.5兆円    Core売上収益
1.17兆円  Core営業利益

2025年度業績および今後の見通しの詳細については、タケダのウェブサイトの投資家向けページをご覧ください。

未来への道筋:2つの成長段階(Horizon)


将来を見据える中で、現在、次の3つの出来事が同時に進んでいます。

  • ファースト・イン・クラスまたはベスト・イン・クラスとなる可能性を有する複数の治療薬候補の上市
  • AIなどの先端技術の発展による影響の拡大
  • CEO交代

これらが相まって、今後の新たな成長段階に向けた道筋を示す好機となりました。

世界中の患者さんが切実に待ち望む、複数の革新的な新薬候補の上市準備を進める中、当面の焦点は、いずれもブロックバスターとなる可能性を持つこれらの製品の上市を、各国で確実に成功に導くことです。これらの上市は、単なるマイルストンではなく、患者さんの暮らしに意味のある変化をもたらすと同時に、私たちの未来を形づくる重要な転換点です。並行して、私たちは強固で革新的な後期開発パイプラインをさらに進展させるとともに、先端技術の継続的な導入を通じ、私たちの事業運営の在り方を再構築していきます。

ジュリーが歩いている

ドイツ・オラニエンブルクの製造拠点で従業員とともに

タケダの将来の成長を加速させるためには、戦略的な投資と困難であっても正しい意思決定を行い、今このタイミングで変革することが不可欠です。私たちは、新たな時代を創る2つの成長段階を視野に事業を運営しています。Horizon 1では、短期的に、競争力を強化し投資と変革を通じて成長基盤を構築することに注力します。Horizon 2は、私たちがいま進めている取り組みが寄与し、タケダの売上収益構成が根本的に変わり始める段階です。初期の上市製品群(オベポレクストン、rusfertide、ザソシチニブ)の規模拡大を推進するとともに、後期開発パイプラインから次の新製品群を上市することで、中長期的な成長加速を実現し、患者さんへの価値創出と株主の皆さまに対して持続的な成長をお届けしていきます。

いずれの成長段階においても、一貫して私たちのパーパスと価値観を拠り所に、患者さんは待てないということを理解し、規律を持ちながら革新的な医薬品を一刻も早くお届けすることに取り組んでいきます。その上で、タケダと株主の皆さまのため、長期的な成長に向けた明確で持続的な道筋を描いてまいります。


Horizon 1:成長に向けた変革

2026年1月から、組織体制と働き方の両側面から変革を推進してきました。CEO交代に向けた最終段階として、新たな経営体制を構築し、患者さんや顧客により近いところでの事業意思決定を可能にする組織の再設計を行いました。働き方の標準化と業務プロセスの簡素化にも着手しており、機動力を高め、組織能力に磨きをかけるとともに、とりわけAIを中心とした先端技術の導入・活用を進めています。

新たな組織体制への移行に伴い、一部の既存ポジションを削減する一方で、将来の後期開発パイプラインの上市を支え、新たなケイパビリティ(組織能力)を築くためのポジションを新設しています。従業員に影響を及ぼす決断は、決して容易なものではありませんが、可能な限り社内での新規ポジションへの配置転換を支援しています。また、新しいチームを築くにあたっては、私たちの価値観に根差しながら、スピードと成果への意識づけを浸透させています。

Horizon 1において、次に挙げる4つの重要な取り組みに注力します。

  1. 今後12ヵ月で見込まれるオベポレクストン、rusfertide、ザソシチニブの上市を確実に実行すること。上市にあたっては、これまでに培った疾患領域に対する深い知見や、早期からの保険者や医療関係者等の幅広いステークホルダーとの意見交換、疾患啓発への重点的な投資、データとデジタルを活用したアプローチによって、高いアンメットニーズのある分野で患者さんにとって意義ある価値の創出とアクセス確保を実現すること
  2. Innovent Biologics社との戦略的パートナーシップを通じた2つのオンコロジー領域のプログラムを含む後期開発品を、引き続き前進させるとともに、TAK-360のような力強い早期〜中期開発プログラムを進展させ、持続的なイノベーションと長期的な成長への自信をより強固なものとすること
  3. 変化の激しい市場環境下においても、ENTYVIO®(国内製品名:エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ)やGAMMAGARD LIQUID、TAKHZYRO®(国内製品名:タクザイロ 一般名:ラナデルマブ)といった既存主力製品の収益基盤としての安定性と競争力を維持すること
  4. 組織に新たな能力を付与し、効率化を実現するトランスフォーメーション・プログラムを推進するとともに、成長投資のための経営資源を確保すること

2026年度は、成熟製品ポートフォリオのマイナス影響を反映しつつも、複数の新薬候補の上市準備と後期開発パイプラインのさらなる進展に向けた、大規模な成長投資に注力する一年となります。

Horizon 1において、直近に控える主要製品の上市や研究開発パイプライン、テクノロジーへの投資を進める中で、同時に財務的なコミットメントの達成に向け、引き続き財務規律を徹底します。つまり、優先順位に沿った厳格な意思決定によりCore営業利益を維持し、組織体制の簡素化とデータおよびテクノロジーの活用拡大を通じてさらに効率性を高めつつ、負債圧縮に向けた強固な調整後フリー・キャッシュ・フローを維持します。

私たちを取り巻く外部環境は、今後も当面の間、先行きが不透明で変化の激しい状況が続くものと考えられます。そのため、これらの目標達成に向けて着実に前進するためには、変化に対する徹底した適応力と、全社一丸となった取り組みが求められます。Horizon 1で実行する各施策は、現在のさまざまな不確実性を乗り越え、患者さんにとっての新たな可能性を切り拓き、そして皆さまの信頼を年々積み重ねていくことに貢献していきます。私は、この成長戦略の実行にあたり、私たちの価値観や製品へのコミットメントを損なうことなく、推し進めていけるものと確信しています。

最後に


クリストフや歴代CEOのリーダーシップのもと、タケダがここまで歩んできた道のりを思うと、身が引き締まると同時に大きな励みとなります。2025年におけるタケダの取り組みは、科学的発見の限界に挑み続けたものであり、新たな医薬品や革新的なアプローチを生み出しました。これらの成果は、245年にわたりタケダに脈々と受け継がれてきた好奇心や大胆な発想力を体現するものです。

今こそ、新たな価値創出へと時代を切り拓くときです。

世界中のタケダの従業員とリーダー達の尽力、そして株主の皆さまから寄せられる信頼とご期待なくしては、今後のさらなる成長へとつながる変革の道のりは突き進めません。この度の変革には、これまで長年にわたり、多大なご尽力を果たしてこられた6名の社外取締役の退任に加え、株主の皆さまからのご承認を前提として、次の時代に向けて極めて重要なスキルと経験を有する3名の新任取締役の就任も含まれます。株主の皆さまからのご支持を賜ることで、正式にCEOに就任することを心より楽しみにしています。これまで築いてきたレガシーを基盤としてさらに発展させ、強みを最大限発揮しながら、サイエンスにおける飛躍的進歩と革新的なテクノロジーを取り込み、世界中の患者さんにこれまで以上に貢献してまいります。

健やかな未来のために、自らを果敢に進化させ、道を切り拓くという世代を超えて受け継がれてきた約束を胸に、歩み続けるタケダへの変わらぬご支援に、心より感謝申しあげます。

ジュリーの署名

ジュリー・キム
次期CEO

2026年5月

2025年度業績、製品・パイプラインの進展のほか、2026年度の見通しおよびマネジメントガイダンスの前提条件やIFRSに準拠しない財務指標の定義を含むその他の財務情報の詳細については、2025年度決算説明会プレゼンテーション資料をご覧ください。 https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/quarterly-results/

メールマガジン登録はこちら

最新の財務情報、事業戦略、社員インタビューなど、タケダの”今“が良くわかる情報をメールでお届けします。

登録する