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第149期中間期事業活動のご報告 | 武田薬品

Two people in a lab

第149期中間期事業活動のご報告

私たちのパーパス(存在意義)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することです。サイエンスや技術が進化しても、揺るぎない価値観に基づいた私たちの志は変わりません。人々の暮らしを豊かにする医薬品をお届けし、社会に貢献するとともに、従業員が理想的な働き方を実現できる環境づくりに努めています。

目次

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代表取締役社長CEOからのメッセージ


株主の皆さまへ

2025年度は、当社にとって、将来の持続的成長の原動力となる、後期開発パイプラインの進展と、新製品の上市準備を進める極めて重要な年です。

2025年度上期には、2つの後期開発パイプラインについて、非常に良好な第3相臨床試験のデータを発表しました。ひとつは希少な血液がんであり、生命を脅かす心血管系や血栓性のイベントのリスクを高める真性多血症に対するrusfertideです。もうひとつは日中の過度な眠気や夜間の睡眠分断などを引き起こす神経疾患であるナルコレプシータイプ1に対するoveporextonです。これらのパイプラインは、今年度中に規制当局への承認申請を予定しており、承認されれば、患者さんに新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。さらに、経口チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であるzasocitinibについても、今年度末までに乾癬を対象とした2つの第3相臨床試験の結果を発表できる見込みです。

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クリストフ・ウェバー

特集


大きな価値をもたらす可能性を持つ6つの後期開発パイプライン

2025年度は当社にとって前例のないスピードと規模でイノベーションを追求し、変革をもたらす年となります。世界中の患者さんに新たな治療選択肢を届けるため、私たちは6つの後期開発パイプラインプログラムの進展に注力し、その上市に向けた投資を加速させています。

当社では、近い将来上市が期待される有望な後期開発段階のプログラムが豊富に揃っており、これらのプログラムのうち、下期にはrusfertideおよびoveporextonの規制当局への承認申請、ならびにzasocitinibの第3相臨床試験結果の公表が予定されています。

この進展は、新たに革新的な治療法を患者さんに届ける可能性をもたらし、当社の成長戦略の根幹として、ヘルスケアの未来を切り拓くという私たちの取り組みを体現しています。 以下の6つの後期開発パイプラインはそれぞれ、患者さんの生活の改善に大きく貢献する可能性を秘めています。私たちは疾患に対する専門的な知見と患者さんのアンメットニーズに応えるという使命に基づき、それぞれの疾患における標準治療を再定義することを目指しています。

以下が当社の後期開発パイプラインです。

これらのパイプラインは現在研究開発が進行中であり、承認を受けている国はありません。

oveporexton

開発を進めている適応症:ナルコレプシータイプ1(NT1)

アンメットニーズ

  • NT1は脳内のオレキシンニューロンが減少することで引き起こされる希少な慢性神経疾患です。
  • 現在の治療方法はNT1の根本原因となるオレキシン欠乏を標的に設計されておらず、治療中の患者さんを対象とした調査では、回答者のうち80%以上が残遺症状を訴えました1
  • オレキシン神経ペプチドは、睡眠覚醒関連疾患やオレキシンのシグナル伝達の関与によって引き起こされる他の疾患において重要です。
  • NT1患者さんは、日中の過度の眠気、夜間の睡眠分断、幻覚、睡眠麻痺、情動脱力発作(カタプレキシー)などの症状により日常生活で影響を受けています2

特徴

  • Oveporextonは、湘南の研究所で生まれ、研究開発が進められているNT1の根本原因となるオレキシン欠乏を標的に設計された経口オレキシン2受容体作動薬です。
  • 2つの第3相臨床試験において、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成し、すべての用量群における症状全般について、12週時点でプラセボと比較し統計学的に有意な改善を示しました。同時に、これまでのすべての試験でも示された通り、概ね良好な忍容性を示しました。
  • これらの結果は、oveporextonが標準治療を変革する可能性を示しています。

2025年度上期の業績について


2025年度上期の業績は、VYVANSE®(国内製品名:ビバンセ® 一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)の後発品による大きな影響を反映していますが、事業運営における効率化により、Core営業利益への影響は一部相殺されています。下期に向けては、血漿分画製剤を含む成長製品・新製品*の成長率向上と、VYVANSEの影響が前年同期比で減少すると見込まれることなどにより、事業ダイナミクスの好転が見込まれます。財務ベース営業利益は、第2四半期に細胞療法の取り組み中止を決定したことに伴う無形資産の減損損失を反映しています。

*成長製品・新製品および国際会計基準(IFRS)に準拠しない財務指標の定義については、武田薬品の2025年度第2四半期投資家向けプレゼンテーションのスライド8およびA-1ページをご覧ください。

地域別売上収益

主要な6つのビジネス領域に関する業績アップデート


2025年度上期における成長製品・新製品の売上収益は、1兆1,430億円で、恒常為替レート(CER:Constant Exchange Rate)ベースで+5.3%の成長となりました。

Digestive tract

消化器系疾患領域

売上収益は6,928億円(CERベース:+3.2%成長)

潰瘍性大腸炎(UC)・クローン病治療剤ENTYVIO®(国内製品名:エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ)はCERベースで+5.1%成長しました。米国において、ENTYVIOは炎症性腸疾患(IBD)に対する治療薬として患者シェア第1位を維持し*、UCおよびクローン病に対する唯一の腸管選択的治療薬です。

また、好酸球性食道炎の治療薬であるEOHILIA®(一般名:ブデソニド経口懸濁液)はCERベースで+98.4%成長し、2024年2月の上市以来、患者さんからの需要は増加しています。

* 米国における患者シェア – IQVIA

DNA

希少疾患領域

売上収益は3,805億円(CERベース:+0.7%)

CERベースで+5.9%成長した、遺伝性血管性浮腫治療剤TAKHZYRO®(国内製品名:タクザイロ 一般名:ラナデルマブ)は世界規模で持続的に成長しており、現在、グローバルで約6,700人の患者さんの治療に使用されています。CERベースで+47.7%成長した臓器移植(造血幹細胞移植を含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症治療薬であるLIVTENCITY®(国内製品名:リブテンシティ® 一般名:マリバビル)は、米国での順調な市場浸透とともに、最近では日本での上市や中国での保険償還医薬品リストへの掲載といった急速な地理的拡大に支えられています。

Drop

血漿分画製剤領域

売上収益は5,174億円(CERベース:+0.4%)

出荷時期と期ずれの影響を受け、免疫グロブリン製剤はCERベースで+3.1%成長、アルブミン製剤はCERベースで△2.4%減少となりました。需要は引き続き堅調であり、CERベースで一桁台半ば%という血漿分画製剤ポートフォリオの通期成長見通しに変更はありません。

Molecule

オンコロジー(がん)領域

売上収益は2,878億円(CERベース:+3.4%)

オンコロジーポートフォリオの成長は、これまでに30カ国以上で承認されているFRUZAQLA®(国内製品名:フリュザクラ® 一般名:フルキンチニブ)をはじめとする主要な製品によって牽引されました。FRUZAQLAの主な成長要因として、転移性大腸がんにおける化学療法以外の新たな治療選択肢に対する需要があります。また、ADCETRIS®(国内製品名:アドセトリス® 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)(CERベース:+11.5%)はホジキンリンパ腫の1次治療における継続的な使用拡大が寄与しました。

Syringe

ワクチン領域

売上収益は317億円(CERベース:△16.8%)

デング熱ワクチンQDENGA®▼(4価弱毒生デング熱ワクチン)は、世界的な需要が引き続き堅調です。現在31カ国で接種可能であり、これらの市場での接種対象の拡大および接種率の向上と地理的拡大が今後の成長を牽引する見込みです。その他のワクチンの売上減少は、主に日本におけるCOVID-19ワクチンの供給減少によるものです。

Brain

ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域

売上収益は2,061億円(CERベース:△32.1%)

減収は主に2023年8月より米国においてVYVANSEの独占販売期間満了による影響を受けたためです。米国における2025年度上期売上収益は後発品の供給拡大に伴いCERベースで△57.7%減少しました。米国以外の主要な市場においてVYVANSEの独占販売期間満了による影響を受けている国はカナダ、ブラジル、ドイツです。

2025年度業績予想およびマネジメントガイダンス


当社は、通期業績予想およびCore営業利益とCore EPSのマネジメントガイダンスを修正しました。この修正は、ENTYVIOやVYVANSEの売上高予想の引き下げによる影響、無形資産の減損損失、取引通貨に係る為替(transactional FX)によるマイナス影響、および税率の上昇を反映しており、営業経費管理によるコストの削減がこれらを一部相殺しています。マネジメントガイダンスの修正は、主に取引通貨に係る為替(transactional FX)によるマイナス影響を反映したものであり、製品構成の悪化影響は、想定を上回る営業経費の削減効果により完全に吸収される見込みです。

パソコンを使う人

2025年度の株主向けWEBアンケートご協力のお願い


当社は、株主の皆さまからの貴重なご意見・ご要望を、コミュニケーション活動の参考としております。2025年度の株主向けWEBアンケートは、2025年11月29日~12月19日まで実施します。
多くの株主の皆さまのご協力をお願い申しあげます。

アンケートの回答には、株主番号の入力が必要となります。株主番号は、中間配当金計算書の右上に印字(8桁)されています。

アンケートご回答はこちらExternal link

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将来に関する見通し情報

本報告書及び本報告書に関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通 し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする (ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、 「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。 これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件並びに国 際貿易関係に関する状況を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、税金、関税その他の貿易関連規則を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在す る困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温 室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、⽣産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取 り組み、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/において閲覧可能な米国証券取引 委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本報告書に含まれる、又は武田薬品 が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本報告書における武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、ま た、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

財務情報及び国際会計基準に準拠しない財務指標

武田薬品の財務諸表は、国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて作成されております。本報告書及び本報告書に関して配布された資料には、Core売上収益、Core営業利益、Core当期利益、Core EPS(親会社の所有者帰 属分)、CER(Constant Exchange Rate︓恒常為替レート)ベースの増減、純有利子負債、調整後純有利子負債、EBITDA、調整後EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フローのように、IFRSに準拠しない財務指標 が含まれています。当社経営陣は業績評価並びに経営及び投資判断を、IFRS及び本報告書に含まれるIFRSに準拠しない財務指標に基づいて行っています。IFRSに準拠しない財務指標においては、最も良く対応するIFRS財務指標では含まれることとな る、又は異なる数値となる一定の利益、コスト及びキャッシュ・フロー項目を除外しております。IFRSに準拠しない財務指標は、IFRSに準拠するものではなく、付加的なものであり、また、IFRSに準拠する財務指標に代替するものではありません (IFRSに準拠する財務指標を「財務ベース」指標として参照している場合があります)。投資家の皆様におかれましては、IFRSに準拠しない財務指標につき、その定義と、これらに最も良く対応するIFRS準拠財務指標との調整表について、2025年度上期の投資家向け決算プレゼンテーション資料に添付の「財務補足資料」をご参照くださいますようお願い申しあげます。

ピーク時売上高想定

本報告書で言及されるピーク時売上高の範囲は、技術的および規制上の成功確率を考慮して調整されていない推定値であり、予想または目標とみなされるべきではありません。これらのピーク時売上高の範囲は、将来起こりうるとは限らないさまざまな商業的シナリオについての武田薬品の評価に基づきます。

医療情報

本報告書には、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

Innovent Biologics 社とのライセンスおよび提携契約

本取引の完了には、規制当局の承認など、一般的な取引完了条件を満たす必要があります。武田薬 品は、取引が完了するまで後期開発段階の 2 つの治療薬候補に対する権利を有さず、さらに初期開 発段階の治療薬候補については、オプション行使まで権利を有しません。