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戦略を患者さんの未来につなげるマーケティング|武田薬品

廣川 真次 マーケティング部長

戦略を患者さんの未来につなげる。私がマーケティングで大切にしてきたこと

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2026年10月28日

戦略を考える面白さに出会った原点


大学卒業後に製薬企業に入社し、医薬情報担当者(MR)としてキャリアをスタートしました。当時は広い地域を担当し多様な疾患領域の製品を扱う中で、できるだけ多くの医療機関を訪問することに力を注いでいました。そんな私に上司が教えてくれたのは、市場を捉え、戦略的に活動することの大切さです。同じ疾患領域であっても、医療機関によって診療体制や患者さんの治療環境、求められる情報は多岐にわたる一方で、それぞれの状況を俯瞰してみると、共通する環境や課題が見えてくることに気づかされました。次第に、市場全体の動きやニーズを捉えながら「どこに課題があり、何を変えることでより多くの患者さんに貢献できるのか」を考えることで、戦略の面白さを感じるようになりました。 その後、これまでの経験を活かし、より広い視点で戦略立案に携わりたいと考え、マーケティング部門へ異動しました。そこで実感したのは、戦略を立てることに加え、それを実行に移すことの大切さでした。理論的に正しい方針であっても、実行されなければ、成果にはつながりません。医療現場の状況や実現可能性も踏まえ、何を優先し、どのように周囲を巻き込むか。経験を重ねる中で、戦略を描くだけでなく、成果につながる仕組みづくりまで意識するようになりました。

米国での経験で学んだ、成果の生み出し方


国内で複数領域のマーケティングを経験した後、グローバル製品のマーケティング戦略を担当するため、米国へ赴任しました。日本で培った経験を活かそうと意気込んで臨みましたが、医療制度や言語、文化の違いに直面し、最初はチームの中で十分に力を発揮できませんでした。状況を変えるために必要だったのは、自分の経験や考えを示すことより、まず相手を理解することでした。立場や職種を問わず周囲の声に耳を傾け、自ら働きかけ、目の前の課題解決に取り組む。そうした積み重ねが信頼につながり、やがて重要な仕事を任されるようになりました。新しい環境でも自分に何ができるかを問い、信頼関係を築きながらチームに貢献する姿勢は、私が仕事をするうえでの土台となっています。

製品の先にある課題へ目を向ける


米国での経験は新製品を発売する際のマーケティング戦略にも活かされました。製品の特徴や治療意義を伝えていくことは重要ですが、それだけでは患者さんの適切な診断や治療につながるとは限りません。新しい治療が浸透するには、治療を取り巻く環境や医療体制にも目を向ける必要があります。 当時責任者となった領域の製品の一つは、治療開始時の副作用への対応や、治療の適否を判断するための検査体制が課題となっていました。私はマーケティングの立場から、医療機関の状況や医療関係者の声を把握し、戦略や施策の立案に製品チームのメンバーとともに取り組みました。同時に、副作用や検査体制といった課題に対しては、社内の関連部門がそれぞれの役割と専門性をもとに学会や医療関係者と連携しました。連携の成果として、副作用への適切な対応方法がガイドラインに反映されたことに加え、医療機関で検査時に活用できる手引きも整備され、患者さんの治療機会を広げることにつながりました。 協働にあたって大切にしたのは、私たちだけの方針を示すのではなく、患者さんや医療現場にとって何が必要かを共通の目的に据えることです。目指す方向を共有し共感を得て、それぞれの専門性を持ち寄ることで、一企業だけでは解決が難しい課題にも取り組めることを実感しました。マーケティングは、製品価値を伝えることにとどまらず、患者さんの治療環境を踏まえた戦略を描くことが重要な役割だと感じています。

より良い治療環境の実現を目指して


市場や医療環境は常に変化しており、最初から正解が見えることばかりではありません。だからこそ、仮説を立てて挑戦し、その結果から学び、次の打ち手につなげていく姿勢が重要です。タケダオンコロジー事業部には、多様な経験や専門性を持つメンバーが集まっています。率直に意見を交わし「患者さんのために何ができるのか」を起点に、困難な課題にもチームで向き合う。その姿勢が、より良い治療環境の実現につながっていくと信じています。

プロフィール


廣川 真次

マーケティング部長

製薬企業で医薬情報担当者(MR)を経て、整形・リウマチ領域のマーケティングに従事。その後、米国では泌尿器領域のマーケティングを担い、グローバルマーケティングで開発品の上市戦略の立案に携わる。帰国後は腎疾患、血液がん、胃がん製品や領域のマーケティング責任者として、新製品の発売や既存製品の成長を推進し、事業拡大に貢献。さらに、眼科領域を専門とする製薬企業でマーケティング統括部長を務めた後、2026年6月にタケダに入社し、日本オンコロジー事業部に所属。現在はマーケティング部長として組織を牽引。