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多様性を推進する仲間(アライ)として活動

荻野 有実子
Research and Development 日本開発センター ファーマコビジランス部 安全対策グループ
課長代理

大学の獣医学科を卒業後、まだ治療法のない分野の医薬品やワクチンを開発することで多くの命を助けることができるところに魅力を感じ、新卒でタケダに入社、臨床開発に携わる。3年目から薬剤の副作用情報を評価し、その対策を立案する部門に異動。抗がん剤からワクチン等の幅広い分野を経験し、現在は神経・精神疾患の医薬品を担当している。忙しい業務の傍ら、従業員ネットワーク「TAKE PRIDE Japan」でLGBTQ+支援活動も積極的に行っている。過去に知人からカミングアウトを受けたことがあり、「私が知らなかっただけで、ひそかに悩んでいる人がいる。彼らに寄り添い、できることからやっていこう」と感じたことが、活動のきっかけだったという。

SOGIソジ)は多様性の一要素 他人事ではない

荻野たちの活動は、LGBTQ+支援だけでなく、SOGI(ソジ)に対する理解促進にも及んでいる。LGBTQ+という言葉は、特にここ数年で一般的に知られるようになったが、「SOGI」という言葉はまだそれほど知られていないと、荻野は説明する。「SOGIとは、Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字で、性的指向・性自認のことです。すべての人が持つ要素であり、SOGIに関わらず、みな平等に尊重されるという、いわば当たり前の考え方であって、あくまでも多様性の一環なのです。特別視するものではありませんが、まず理解し、自分ごととして考えることが重要だと思っています」。

タケダの人事部ではハラスメント教育の一環としてSOGIを取り扱うなど、会社としても力を入れるが、従業員による草の根活動も重要だと荻野は考えている。「私たちは、当事者や仲間(アライ)であるかに関わらず、多様性を推進したいと思う人たちが集って、安心して働くことのできる職場環境をつくることが大事だと思っています」。

世界の仲間と共に楽しく活動を推進

従業員ネットワーク「TAKE PRIDE Japan」の活動内容は多岐にわたる。そして、日本だけでなく世界中の従業員ネットワークとの連携も進んでいるが、文化や法律の違いがあることから地域に特化した活動も重要だと萩野は言う。「世界的に6月はプライド月間であり、タケダでもグローバル全体でのイベントや社内SNSへの投稿などが盛んに行われました。日本では毎年ゴールデンウイークに東京レインボープライドがあり、従業員ネットワークやその他有志のメンバーがパレードに参加したこともありました(注:2021年はコロナ禍によりオンラインで実施)。社内では、忙しい従業員でも気軽に参加できるイベントとして、LGBTQ+や多様性をテーマにした映画の上映会と意見交換会を開催し、希望者にはウェブで見られる機会も提供しました。また、他社の従業員ネットワークと合同で講演会やオンラインイベントも企画。社外の従業員ネットワークメンバーとのディスカッションを通じて学ぶこともできました。だれもが自分らしくいられる職場環境をつくるという観点から、働き方や人事制度の改定を提言したり、経営幹部や各事業所のリーダーに働きかけて多様性に対する考え方を発信してもらう活動も行っています」。荻野たちの従業員ネットワークの活動は年間を通じて行われるため、季節性を持たせたりするなど、従業員の興味を喚起させる工夫も欠かさないという。「多様性の問題は、日々の小さな心がけでも十分に変化を起こすことができます。例えば私たちの無意識な言動が、気付かないところで他人を傷つけているかもしれないですよね。事前に概念や意識すべきポイントを理解していれば、より安心感のある職場をつくることができるのです。これからも楽しく学ぶ機会を広く提案していきたいです」。

「公平性」を考慮した人事制度の充実も、推進すべき要素

職場での多様性の実現には、人事制度の充実も欠かせない。荻野たちは会社と対話の機会を持ちながら、様々な提言を行っている。「タケダは人事制度が充実しています。私自身も子育てするにあたり、出産・育児休暇をはじめ、フレックス勤務制度や在宅勤務制度など、いろいろな制度を活用してきました。例えば事実婚や同性婚の場合にもファミリーサポート休暇制度が使えるようになったのは良いことですし、さらに進化していると思います。私は公平性(エクイティ)という概念がとても大切だと思っています。LGBTQ+に限らず、不利益を被ったり、見える差別・見えない差別を受けたりしている側の当事者は声を上げづらい時もあると思うのです。だからこそ、会社や周りの従業員が公平性や公正さを確保できる環境をつくり、だれもが安心して働ける職場にしていくことが大切だと思い、活動しています」と荻野は話す。

その視点は、社内だけにとどまらない。「実は医療にも似たところがあって、一番サポートが必要な人が、一番声を上げられなかったり、その人たちの声が届きづらかったりすると思うのです。その考えのもと、医療アクセスのテーマに興味を持って、世界のタケダの仲間とも活動しています」。さらに、「私たちと一緒に多様性を推進していく仲間がこれからもどんどん入社してほしいですね」と期待を語ってくれた。広い意味でのDE&I(多様性、公平性、包括性)を推進する旗手として、荻野のポジティブで自然体の活動は続く。