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中等症から重症の活動期クローン病の維持療法に関する「エンタイビオ®皮下注」の日本における製造販売承認事項一部変更承認の取得について

2023年9月25日

- 既存治療薬で効果不十分な活動期クローン病患者さんへ、皮下投与という新たな治療オプションを提供


当社は、本日、中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能又は効果として、「エンタイビオ®皮下注108mgペン/同皮下注108mgシリンジ (一般名:ベドリズマブ(遺伝子組換え)、開発コード:MLN0002SC、以下「エンタイビオSC」)について、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得しましたのでお知らせします。本剤は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能又は効果として、2023年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年6月に発売していました。


今回の承認は、エンタイビオSCの中等症から重症の活動期クローン病の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同第Ⅲ相臨床試験であるMLN0002SC-3031試験およびMLN0002SC-3030試験に基づくものです。


当社のR&D Japanリージョンヘッドの梶井 靖は、「今般、潰瘍性大腸炎の維持療法に加えて、クローン病の維持療法においても、エンタイビオの皮下投与製剤が承認されたことを大変うれしく思います。この承認により、クローン病の患者さんにおいても投与方法の選択肢が広がり、多様なニーズの充足とクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献できるものと考えております」と述べています。


<クローン病について>

現在、日本におけるクローン病の患者数は約7万人1と推定されています。クローン病は最も代表的な炎症性腸疾患の一つで、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が小腸や大腸を中心とした消化管のあらゆる部位に非連続的に認められる進行性の疾患です。よく見られる症状は、下痢、腹痛、発熱、体重減少、栄養障害です。クローン病の正確な原因については明らかになっていませんが、最近の研究では、遺伝素因や環境要因に加え、腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答といった様々な因子が関与する、多因子疾患と考えられています。


<エンタイビオ®(一般名:ベドリズマブ)について>

ベドリズマブは消化管に選択的に作用する生物学的製剤であり、現在、中等症から重症の潰瘍性大腸炎および活動期クローン病の治療および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を適応として点滴静注製剤と皮下投与製剤が承認されています。本剤はα4β7インテグリンと特異的に拮抗し、α4β7インテグリンの腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)への結合を阻害しますが、血管細胞接着分子1(VCAM-1)への結合は阻害しないようデザインされた、ヒト化モノクローナル抗体です2。MAdCAM-1は消化管の血管およびリンパ節に選択的に発現しています3。一方、α4β7インテグリンは循環血液中の白血球サブセットに発現しています2。これらの細胞は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症プロセスを調節するうえで重要な役割を果たしていることが明らかになっています2,4。α4β7インテグリンを阻害することで、ベドリズマブはある種の白血球細胞が消化管組織へ浸潤することを制限できる可能性があります。


<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK) は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<武田薬品の消化器系疾患領域における取り組みについて>

消化器系疾患は時として、患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。武田薬品およびパートナー各社はこのアンメット・メディカル・ニーズに対し、30年以上にわたり革新的な医薬品や支援プログラムを通じて患者さんのQOL(生活の質)改善に取り組んでまいりました。また武田薬品は、炎症性腸疾患、酸関連疾患、短腸症候群、消化管運動障害など、消化器系疾患領域をリードしてきました。武田薬品の消化器系疾患領域の研究開発チームは、セリアック病や好酸球性食道炎、α-1アンチトリプシン関連肝疾患、クローン病など、アンメット・メディカル・ニーズのある新しい領域でのギャップの解消に向けても取り組んでいます。武田薬品は、これからも研究者や患者団体とともに、消化器系疾患領域における科学的研究と臨床医学の発展に取り組んでいきます。


<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。
本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。


<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト( https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/ )又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。


<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。


以上


1 Nishiwaki Y et al; National Epidemiological Survey on Prevalence of Ulcerative Colitis and Crohn's Disease: Report of the Results of the Survey, Health Labor Science Research Grants-in-Aid for Scientific Research, 62-76: 2017

2 Soler D, Chapman T, Yang LL, et al. The binding specificity and selective antagonism of vedolizumab, an anti-α4β7 integrin therapeutic antibody in development for inflammatory bowel diseases. J Pharmacol Exp Ther. 2009;330:864-875.

3 Briskin M, Winsor-Hines D, Shyjan A, et al. Human mucosal addressin cell adhesion molecule-1 is preferentially expressed in intestinal tract and associated lymphoid tissue. Am J Pathol. 1997;151:97-110.

4 Eksteen B, Liaskou E, Adams DH. Lymphocyte homing and its roles in the pathogenesis of IBD. Inflamm Bowel Dis. 2008;14:1298-1312.