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武田薬品、コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤「soticlestat(TAK-935)」が「日本薬学会医薬化学部会賞」受賞

2022年11月25日
 - 武田薬品の湘南の研究所(R&D)で創出されたsoticlestatが、新規の化学構造を有する薬物に関する独創的な研究により創薬の発展に寄与したとして評価を受ける

当社は、本日、コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤「soticlestat(TAK-935)」の創出に関する研究において、公益社団法人日本薬学会 医薬化学部会より「日本薬学会医薬化学部会賞」を受賞しましたのでお知らせします。授賞式は、本日、オンラインで開催されました。

上段左から、吉川、宮本。下段左から、西、小池、安藤

soticlestatは、CH24Hを選択的に阻害するファースト・イン・クラスの化合物として新規に設計・創出された阻害剤であり、発作感受性を低下させ、発作制御を改善する可能性があります。2022年2月には、発達性てんかん性脳症(DEE)の一種で指定難病されている、ドラベ症候群(DS)及びレノックス・ガストー症候群(LGS)を予定される効能・効果として厚生労働大臣より希少疾病用医薬品の指定を取得しました。現在、DS及びLGSを対象とした臨床第3相試験等が進行中です。この度soticlestatは、新規な化学構造を有する薬物に関する独創的な研究により創薬の発展に寄与したことが評価され受賞しました。今年の受賞は、当社としては9年ぶり、6回目の受賞となります。

日本薬学会 医薬化学部会は、日本薬学会初の部会として1990年に設立されました。独創的医薬の創製を目標に、関連する基礎ならびに応用の分野で研究に携わる部会員の研究発表、知識の交換ならびに部会員相互および国内外関連諸団体との連携の場として、医薬化学に関する学術の進歩普及、新薬開発研究基盤の充実強化をはかり、薬学会、製薬関連産業の発展に寄与することを目標としています。医薬化学部会賞は、創薬研究に携わっている研究者の優れた研究成果を称えるために、2000年に設立されました。

soticlestat代表研究者であり当社のニューロサイエンス創薬ユニット ディレクターである小池 竜樹(こいけ たつき)は、「soticlestatは、湘南の研究拠点で設計・創出された新薬候補で、グローバルに臨床第3相試験が進行中です。革新的なサイエンスの追求により創薬の発展に貢献することができ、今回の受賞をとても嬉しく思っています」と述べています。

<受賞者一覧>

代表研究者:        小池 竜樹(武田薬品工業株式会社)
共同研究者:        吉川 真人(武田薬品工業株式会社)
              宮本 真紀(武田薬品工業株式会社)
              西 俊哉  (元 武田薬品工業株式会社)
              安藤 春陽(元 武田薬品工業株式会社)

<soticlestatについて>

soticlestatは、選択性の高い、ファースト・イン・クラスの経口コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤であり、発作感受性を低下させ、発作制御を改善する可能性があります。CH24Hは主に脳で発現し、そこでコレステロールを24S‐ヒドロキシコレステロール(24HC)に変換し、脳コレステロールの恒常性バランスを調節します。24HCはNMDA受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、てんかんに関連するグルタミン酸作動性シグナル伝達を調節します。グルタミン酸は脳内の主要な神経伝達物質の1つであり、発作の開始および進展に関与していることが示されています。最近の論文では、24HCがNMDA受容体の調節を介してグルタミン酸経路の過度な活性化に関与し、CH24Hの発現増加がアストロサイトによるグルタミン酸の再取り込みを妨げ、てんかん原性や神経炎症などの神経毒性が生じることが示されています2。soticlestatによるCH24Hの抑制はニューロンの24HCレベルを低下させ、脳の興奮性/抑制性バランスのゆがみを改善する可能性があります。

 

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

 

<留意事項>

本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリース(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。

 

<医療情報>

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1 J. Med. Chem. 2021 Aug 26;64(16):12228-12244. doi: 10.1021/acs.jmedchem.1c00864. Epub 2021 Aug 13.
2 J. Neurochem. 2021 May;157(4):899-918. doi: 10.1111/jnc.15228. Epub 2020 Nov 18.

以上

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