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遺伝性血管性浮腫(HAE)治療薬「フィラジル®皮下注30mgシリンジ」の日本における小児治療に対する製造販売承認事項一部変更承認取得について

2022年8月24日

- 小児HAE患者さんに新たな治療選択肢を提供

当社は、本日、選択的ブラジキニンB2受容体ブロッカー「フィラジル®皮下注30㎎シリンジ」(一般名:イカチバント酢酸塩、以下「フィラジル」)について、厚生労働省より「遺伝性血管性浮腫」(Hereditary Angioedema、以下「HAE」)の2歳以上の小児に対する用法及び用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認(以下「一変承認」)を取得しましたのでお知らせします。

HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など、身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患です1,2,3。喉に発生した場合は気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する危険もあります3,4。HAEは世界中で5万人にひとりが罹患していると推定されています4。日本には2,000人から3,000人の患者さんが存在すると推定されていますが、疾患に対する日本での認知度は低く、診断されている患者さんは約450名に留まっており、未診断の患者さんが多くいると考えられています5。また、日本では初めての発作が起きてから確定診断までに平均13.8年かかるといわれており6、米国の平均8.3年7、欧州の平均8.5年8の報告と比較すると、大きな開きがあるのが現状です。平均11.2歳で初発し9、29%の患者さんが就学困難、40%の患者さんが発作のために10 日間以上学校又は会社を休むことを余儀なくされているとの報告10があり、小児HAE患者さんへの治療選択肢が求められています。

今般、主に2歳以上18歳未満の小児HAE患者にフィラジルを皮下注射したときの安全性、有効性及び薬物動態を評価した国内第3相非盲検試験(jRCT2041200073)並びに海外第3相非盲検試験( NCT01386658)に基づき、2021年12月10日に一変承認を申請し、2022年8月24日に一変承認を取得しました。これらの試験において、フィラジルは2歳以上の小児HAE患者における安全性及びHAE急性発作に対する有効性がみられました。国内第3相非盲検試験でみられた日本人小児HAE患者の治療反応は、日本人及び海外の成人並びに海外第3相非盲検試験での小児HAE患者の治療反応と類似していました。

国内第3相非盲検試験に携わった順天堂大学医学部 小児科・思春期科 助教の稲毛 英介医師は、「これまで小児HAE患者さんは、夜間は勿論、日中に学校などで発作が起こっても、子どもに承認された治療薬が一つも無く、保険診療の枠の中で、多くの先進国で認められた標準治療を行うことが難しい状況でした。従って、医師の判断と責任でさまざまな治療が行われていました。今回の承認取得で、発作が起きたその場で使える国際標準の治療法が公的に認められ、小児用量が正式に設定されたことは、日本の小児HAE患者さんや保護者にとって大きな福音となると考えています」と述べています。

当社のジャパンファーマビジネスユニット 希少疾患事業部長である濱村 美砂子は、「フィラジルは発作が起こったその場で速やかに治療が可能なHAEの治療薬です。2018年の販売開始以降、成人患者さんの標準治療薬としての実績があるフィラジルを、日本ではじめて小児HAE患者さんに治療選択肢として提供できることをうれしく思います。新たな治療選択肢として一人でも多くの小児HAE患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。

<フィラジル®皮下注30mgシリンジについて>

フィラジルは発作の原因であるブラジキニンの作用を直接的に阻害する唯一のHAE治療薬で、一回の皮下注射で速やかにHAEの発作症状を緩和させる11ことが期待できます。医師が十分な教育訓練を実施したのち自己投与が可能であり、学校や仕事場などの外出時や夜間などに急な発作が起こった場合でも、その場で速やかな治療が可能です。

製品名

フィラジル®皮下注30㎎シリンジ

一般名

イカチバント酢酸塩

効能又は効果

遺伝性血管性浮腫の急性発作

用法及び用量

通常、成人にはイカチバントとして1回30mgを皮下注射する。
通常、2歳以上の小児には体重に応じてイカチバントとして1回10~30mgを皮下注射する。
効果が不十分な場合又は症状が再発した場合は、6時間以上の間隔をおいて同用量を追加投与することができる。ただし、24時間あたりの投与回数は3回までとする。

薬理作用

選択的ブラジキニンB2受容体ブロッカー

 

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<注意事項>

本リリースに記載されている医薬品、医療機器の情報は、武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品、医療機器の宣伝、広告を目的とするものではありません。

 

  1. Cicardi M, Bork K, Caballero T, et al; on behalf of HAWK (Hereditary Angioedema International Working Group). Evidence based recommendations for the therapeutic management of angioedema owing to hereditary C1 inhibitor deficiency: consensus report of an International Working Group. Allergy. 2012; 67(2):147-157.
  2. Zuraw BL. Hereditary angioedema. N Engl J Med. 2008;359(10):1027-1036.
  3. Banerji A. The burden of illness in patients with hereditary angioedema. Ann Allergy Asthma Immunol. 2013;111(5):329-336.
  4. Longhurst HJ, Bork K. Hereditary angioedema: causes, manifestations, and treatment. Br J Hosp Med.2006;67(12):654-657.
  5. Hide M, Horiuchi T et al. Management of hereditary angioedema in Japan: Focus on icatibant for the treatment of acute attacks. Allergology International 70 (2021) 45-54.
  6. Ohsawa I et al Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 114: 492-498
  7. Berunstain et al. Am J Manag Care . 2018 Aug;24(14 Suppl):S292-S298. 
  8. Zanichelli et al. Allergy, Asthma & Clinical Immunology 2013, 9 :29
  9. Konrad Bork et.al. Hereditary Angioedema: New Findings Concerning Symptoms, Affected Organs, and Course The American Journal of Medicine Volume 119, Issue 3, March 2006, Pages 267-274
  10. Lumry WR, Castaldo AJ, Vernon MK, Blaustein MB, Wilson DA, Horn PT. The humanistic burden of hereditary angioedema: Impact on health-related quality of life, productivity, and depression. Allergy Asthma Proc. 2010 Sep-Oct;31(5):407-14.
  11. 秀 道広ら. アレルギー. 2018; 67: 139-47.

以上