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地域医療の充実のための次世代ヘルスケア社会システムを神奈川県とともに構築へ

2020年5月29日
-2019年9月に神奈川県と武田薬品が締結した「地域医療の充実及び医療費適正化の推進等に係る連携・協力に関する協定」に基づき、質が高く、切れ目のない医療サービスの提供を目指す
-患者さんの症状をデジタルデバイスによりモニタリングすることで、パーキンソン病医療へ貢献を目指す
-オンライン診療およびオンライン服薬指導を充実させ、患者に寄り添った包括的な医療環境の提供を目指す


当社は、このたび、神奈川県の地域医療の充実のために神奈川県において新たな取り組みを開始することとなりましたのでお知らせします。

今回の取り組みは、2019年9月に神奈川県と当社が締結した『地域医療の充実及び医療費適正化の推進等に係る連携・協力に関する協定(以下、「協定」)』におけるパイロットプロジェクトです。オンライン診療・服薬指導を通じてパーキンソン病患者さんとご家族をサポートするとともに、ウェアラブルデバイスと専用アプリケーションを用いた症状(振戦、ジスキネジア等)のモニタリングを臨床研究として実施します。当臨床研究では、高齢者によくみられる中枢神経系疾患の治療でのデジタル技術の活用を通して、データプラットフォームの構築を目指します。

パーキンソン病患者さんが抱える課題として、主症状が動作障害であることや専門医が十分ではない等の理由により、通院が身体的・経済的な負担となっていることがあります。また症状についても、患者さん自身で十分に把握することが難しい、症状の頻度、程度を医療者に的確に伝えることが難しいということが臨床的な課題となっています。臨床研究では、オンライン診療・服薬指導およびウェアラブルデバイス・専用アプリケーションを用いることで、通院が困難なパーキンソン病患者さんが自宅に居ながら充実した疾病管理ができる環境の構築を目指します。

当社の取締役ジャパンファーマビジネスユニット プレジデントである岩﨑真人は、「神奈川県とともに地域医療の充実のために新たな事業を開始できることを喜ばしく思います。当社は革新性の高い医薬品を創出し、患者さんに貢献することにコミットしています。高度で最先端の医療の提供を通じてイノベーションをリードするとともに、持続可能な医療提供体制の構築を支援することは、製薬企業が果たすべき責務の一つと考えています。今回実施する臨床研究を通じて、患者さんに提供可能なデジタル技術の活用に注力してまいります」と述べています。

当社は、神奈川県との協定に基づき地域医療構想の課題解決のみならず、地域包括ケアシステムの構築および各種疾患への理解促進や健康づくりの推進支援を推し進めていきます。武田薬品がコミットしている「常に患者さんを中心に考え、医療上の課題解決への挑戦」および神奈川県が考える「誰でも等しく良質かつ適切な保健医療サービスを受けられる社会」の融合により、「質が高く、かつ切れ目のない医療サービスを提供することにより、患者さんのQuality Of Lifeおよび治療結果が向上する社会」を目指します。
今回の取り組みにより目指す社会は別紙1をご覧ください。神奈川県による発表資料は別紙2をご覧ください。臨床研究に関する説明資料はこちら

以上

<臨床研究について>
当臨床研究は、パーキンソン病患者に対するデジタルデバイスを用いた在宅モニタリングを含むオンライン診療、オンライン服薬指導および処方薬搬送を行うプラットフォームの実装に向け、プラットフォームに対する患者、介護者、医師、医療機関、医事課、薬剤師の満足度および実装に向けた課題を検討することを目的とした観察研究(研究代表医師:山野嘉久 聖マリアンナ医科大学 内科学(脳神経内科) 教授)です。
オンライン診療にあたり、腕時計型デジタルデバイスおよび病状記録用デバイスを用いて研究対象患者から在宅時のパーキンソン病に伴う症状についての情報を収集し、オンライン診療システムを用いてオンラインによる診療および服薬指導を行います。
腕時計型デジタルデバイスとしてApple Watchを用い、病状記録用デバイスとして株式会社NTTドコモが被験者に貸与するiPhoneを用います。いずれのデバイスにも、パーキンソン病症状管理プログラムであるアプリケーション「モニパド」がインストールされます。オンライン診療システムについては、インテグリティ・ヘルスケア社の「YaDoc」を用います。薬剤の配送については、株式会社メディパルホールディングスの連結対象の完全子会社である株式会社メディセオの協力を受けます。

当臨床研究に関する詳細については、JAPICに掲載しています。 (登録番号:JapicCTI-205296)

なお、当臨床研究から得られたデータを基に、Salesforce Health Cloudを中心とした様々なプラットフォームを活用し、患者情報を包括的に管理・分析する役割として、株式会社セールスフォース・ドットコムが参加します。当社は、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社と連携し、患者さんが最適な医療を受けられる環境を醸成することをサポートしていきます。また、次世代ヘルスケア社会システムに関する調査・分析・戦略に関して、ボストン コンサルティング グループが議論パートナーとして支援します。

<協力企業等>

 

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。