キナーゼ阻害剤「カボメティクス®錠」の日本における根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する製造販売承認の取得について

2020年3月25日

当社は、このたび、「カボメティクス®錠20㎎、60㎎(以下 「カボメティクス」)」(一般名:カボザンチニブリンゴ酸塩、以下「カボザンチニブ」)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせします。

今回の承認は、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した、根治切除不能または転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者さんを対象とした海外臨床第3相試験のMETEOR試験、化学療法歴のない、根治切除不能、根治切除不能または転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者さんを対象とした海外臨床第2相試験のCABOSUN試験、およびVEGFR-TKIによる治療後に増悪した日本人進行腎細胞癌患者さん35名を対象に有効性と安全性を検討した国内臨床第2相試験であるCabozantinib-2001試験の結果に基づくものです。

Cabozantinib-2001試験の治験参加施設の責任医師である慶應義塾大学病院 泌尿器科 大家基嗣医師は、「進行性腎細胞癌に対する治療薬は複数存在しますが、未だに予後は不良であり、既存薬剤への初期耐性や獲得耐性といった問題点があります。また、骨・肝などの臓器転移がある患者さんに対しても有効な薬剤が求められています。カボメティクスは、その薬理特性および臨床成績から、それら臨床的課題を解決する可能性が示唆されています。なお、安全性の観点から添付文書の内容に沿った適正な使用が必要です」と述べています。

当社のOncology Therapeutic Area Unit HeadであるChristopher Arendtは、「欧米にて承認され、既に甲状腺癌(カプセル剤)、腎細胞癌および肝細胞癌(錠剤)の治療に役立てられている本剤は、豊富なエビデンスを有しています。このたびの承認取得は、当社にとって極めて重要なマイルストンであり、本剤が国内の腎細胞癌患者さんにとって新たな治療選択肢として貢献できるものと期待しています」と述べています。

カボメティクスは、Exelixis, Inc.が開発した薬剤です。日本においては、2017年1月に当社と開発提携および独占的販売権に関する契約を締結しました。また、2020年1月にがん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として製造販売承認申請を行いました。

<腎細胞癌について>
腎細胞癌は、腎臓にできる悪性疾患である腎がんの一つで、腎臓の尿細管の上皮が悪性化した病気です。男女比は約2対1で男性に多く、高齢になるほど発生頻度も高くなります。もともと腎がんは、欧米に比べて少ないとされていましたが、1980年代以降、増加の一途をたどっています。背景には、食生活の欧米化や人口の高齢化、さらに検査機器の発達によって偶然発見される腎がんが増えたことが関与しています。

<カボメティクスについて>
カボメティクスは米国において進行性腎細胞癌の治療およびソラフェニブ治療後の肝細胞癌の治療の適応で承認されています。また、カボメティクスはEUやその他の国および地域においても承認されています。

<METEOR試験について>
本試験は、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した、転移を有する進行腎細胞癌患者さん(658例)を対象に、カボザンチニブ60mgとエベロリムス10mgを1日1回連日投与した無作為化比較試験である海外第3相試験です。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、カボザンチニブ群で7.4ヵ月、エベロリムス群で3.8ヵ月であり、層別因子で調整したハザード比(HR)は0.59〔95%CI:0.46~0.76、P<0.001(層別ログランク検定)〕でした。副次評価項目である全生存期間(OS)中央値、奏効率(ORR)ともに、エベロリムス群と比較して、カボザンチニブ群で統計学的に有意な差が認められました。

<CABOSUN試験について>
本試験は、全身療法の治療歴のない、局所進行性または転移を有する腎細胞癌患者さん(157例)を対象に、カボザンチニブ(79例、1日1回連日60mg投与)とスニチニブ(78例、1日1回50mg4週間投与2週間休薬)を投与した無作為化比較試験である海外第2相医師主導試験です。本試験では、独立画像評価委員会(IRC)によるレトロスペクティブな評価も行われました。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はカボザンチニブ群で8.6ヵ月、スニチニブ群で5.3ヵ月であり、ハザード比(HR)は0.48〔95%CI:0.31~0.74、p=0.0008(層別ログランク検定)〕でした。

<Cabozantinib-2001試験について>
本試験は、日本人腎細胞癌患者さんにおけるカボザンチニブの有効性および安全性を評価するために、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した進行腎細胞癌患者さん(35例)を対象に、本剤60mgを1日1回連日投与した国内第2相試験です。主要評価項目である独立画像評価委員会(IRC)判定に基づく奏効率(ORR)は、20.0%(90%CI:9.8%~34.3%)でした。

<注意事項>
本文書に記載されている医薬品情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

以上