多発性骨髄腫治療剤「NINLARO®」の臨床第3相試験結果のNew England Journal of Medicine誌への掲載について

2016年4月28日

- TOURMALINE-MM1試験において、経口剤であるイキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの3剤併用療法は、忍容可能な安全性のもと、再発・難治性の多発性骨髄腫患者の無増悪生存期間を有意に延長

当社は、このたび、多発性骨髄腫治療剤「NINLARO®」(一般名:イキサゾミブ、以下「NINLARO」)の臨床第3相試験TOURMALINE-MM1の結果がNew England Journal of Medicine(NEJM)誌に掲載されましたのでお知らせします。TOURMALINE-MM1は、再発・難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、週1回経口投与カプセル剤のNINLARO、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とプラセボ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験です。NINLAROは、TOURMALINE-MM1のデータに基づき米国食品医薬品局(FDA)により承認され、前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で使用されています。

 

本論文の共同著者であり、TOURMALINE-MM1の治験責任医師でもあるフランス ナント大学のPhilippe Moreau医師は、「このたび、多発性骨髄腫を対象にした、プロテアソーム阻害剤を含む経口剤のみによる3剤治療レジメン療法に関する臨床第3相試験結果がNEJM誌に掲載されました。多発性骨髄腫の長期療法は望ましい治療として登場してきているものの、患者さんのためにさらなる治療改善に向けて研究を続けていくことが重要です。TOURMALINE-MM1の結果により、イキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用療法は、再発・難治性の多発性骨髄腫の患者さんにとって有効かつ管理可能な忍容性および安全性プロファイルを有する経口レジメンであることが示唆されました」と述べています。

 

当社のOncology Clinical ResearchのVice PresidentであるDixie-Lee Esseltinは、「TOURMALINE-MM1の試験結果が論文として掲載されたことは、患者さんや医療関係者の方々にとって非常に重要なマイルストンです。今回の論文掲載は、研究者、治験に参加くださった医師の方々、患者さんやご家族のご支援の賜物です。本論文では、イキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用が有意に無増悪生存期間を延長するとともに経口剤のみによる治療レジメンが忍容可能な安全性を有していることが示されました。今後数年間でTOURMALINE試験からさらなるデータが得られ、皆さんにお示しできるものと考えています」と述べています。

 

TOURMALINE-MM1は、経口プロテアソーム阻害剤を用いた二重盲検、プラセボ対照の、患者さん722名を対象とした最初の臨床第3相試験です。NEJM誌に掲載されたとおり、本試験では、イキサゾミブ群は対照群と比較して統計学的に有意で臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長(35%)を示しました(ハザード比0.74、p=0.01、イキサゾミブ群20.6ヶ月に対し対照群14.7ヶ月、追跡期間の中央値14.7ヶ月)。また、高齢者などの予後不良の患者さん、2~3度の前治療歴のある患者さん、進行期の患者さん、高リスクの細胞遺伝学的異常を有する患者さんを含む予め規定された患者さんのサブグループでは、イキサゾミブ群において無増悪生存期間の延長が見られました。全奏効率は、イキサゾミブ群78%に対し対照群72%、最良部分奏効率はイキサゾミブ群48%に対し対照群39%でした。奏効までの中央値は、イキサゾミブ群1.1ヶ月に対し対照群1.9ヶ月、奏効期間の中央値はイキサゾミブ群20.5ヶ月に対し対照群15.0ヶ月でした。重篤な有害事象の発現率は、イキサゾミブ群47%に対し対照群49%、試験中の死亡はイキサゾミブ群4%に対し対照群6%と同程度であり、グレード3以上の有害事象はイキサゾミブ群74%に対し対照群69%でした。グレード3および4の血小板減少症はイキサゾミブ群12%(グレード3)、7%(グレード4)に対し対照群5%(グレード3)、4%(グレード4)であり、対照群と比較してイキサゾミブ群の方で高率に発現していました。発疹はイキサゾミブ群36%に対し対照群23%でイキサゾミブ群の方で高率に発現し、消化器系の有害事象はほとんど低グレードであったものの、イキサゾミブ群の方で高率に発現していました。末梢神経障害は、イキサゾミブ群27%に対し対照群22%(グレード3は各群2%、グレード4の報告は無し)でした。米国におけるNINLAROカプセルの添付文書情報についてはこちらおよび下記の「NINLARO®カプセルについて」をご覧ください。

 

TOURMALINE-MM1のデータは、米国フロリダ州オーランドで開催された第57回米国血液学会年次総会において発表されました。

 

NINLAROは、現在、欧州医薬品庁(EMA)の審査中であり、当社は、世界各国の当局に対してイキサゾミブの申請を行っています。

 

<NINLARO®カプセルについて>

NINLARO(一般名:イキサゾミブ)は、前治療歴のある多発性骨髄腫に対するレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用に対して米国食品医薬品局(FDA)に承認された、初めてで唯一の経口プロテアソーム阻害剤です。週1回の経口投与であり、28日の治療サイクルにおいて治療開始1日目、8日目、および15日目に投与されます。NINLAROは、2014年に希少疾患である再発・難治性のALアミロイドーシスについて、FDAよりBreakthrough Therapyの指定を受けました。

 

当社は、イキサゾミブの総合的な臨床試験プログラムであるTOURMALINE試験により、世界中の多発性骨髄腫患者さんや医療関係者の方々に革新的な新薬を開発し、お届けするという取り組みをさらに強化しています。TOURMALINEには、5つの試験が含まれており、4つは多発性骨髄腫の主要な患者層を対象とした試験であり、ひとつはALアミロイドーシスの患者を対象とした試験です。 

  • TOURMALINE-MM1:再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本剤・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較。現在実施中であり、患者は病気が悪化するまで治療を続け、長期的な転帰が評価される予定
  • TOURMALINE-MM2:初発の多発性骨髄腫を対象に本剤・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較
  • TOURMALINE-MM3:初発の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家造血幹細胞移植後の維持療法として本剤とプラセボを比較
  • TOURMALINE-MM4:自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫を対象に維持療法として本剤とプラセボを比較
  • TOURMALINE-AL1: 再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本剤およびデキサメタゾンの併用と医師が選択したレジメンでの治療を比較

TOURMALINEの他、イキサゾミブに関する多くの医師主導臨床試験が世界中で実施されています。

イキサゾミブの臨床第3相試験に関する詳細は、www.clinicaltrials.govをご覧ください。また、NINLAROについては、www.NINLARO.comをご覧ください。

 

以上