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脱炭素に関するストーリー | いのちを育む地球のために | 武田薬品

いのちを育む地球のために:脱炭素


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CAPS:気候変動対策プログラム


CAPS(Climate Action Program at Sites)は、温室効果ガスおよび廃棄物の削減と水資源の保全を目的とした、総合的な気候変動対策プログラムです。CAPSチームは、各地域のリーダーやプロジェクトスポンサーが投資判断を下したり、プロジェクトを管理したりするにあたって、必ず環境問題について検討するように働きかけています。また、温室効果ガスを削減して最終的にはゼロにするための計画策定や、タケダの拠点での取水など、環境に影響を与えるその他の要素においても、環境への影響が必ず検討されるようにしています。

CAPSでは、独自のデジタルプラットフォームを活用し、施設の温室効果ガスの削減状況を透明性を持って追跡、数値化、予測することによって、各地域や会社での目標達成を目指しています。また、社内のソーシャルメディアとライブラリを通じて、ナレッジやベストプラクティスを共有できるようにもしています。タケダの30を超える製造施設、3つの研究開発拠点、そしてBioLife血漿収集センターは、CAPSのおかげですでに大きく前進しています。

person in lab

サプライヤーと力を合わせて


タケダの温室効果ガス排出量のうち、タケダ自身の事業活動による排出量は全体の約15%にすぎません。残りは、タケダ自身の事業活動を除くバリューチェーンから排出されていることになります。そこで、タケダの調達チームおよびEHS(環境、健康、安全)チームは、主要サプライヤーが科学的根拠に基づく削減目標を設定し、その目標に沿って温室効果ガス削減の措置をとれるように支援を行っています。これは非常に重要なことです。なぜなら、タケダの削減目標は、サプライヤーと協力し、サプライヤーがその排出量を削減できるように支えていってこそ、達成できるものであるためです。

Takeda building

ジンゲン工場の省エネ対策


ドイツにあるジンゲン工場では、年間のCO2排出量が約1万メートルトンに及びます。つまり、目標を達成するには、2025年までに約4000~6000メートルトンを削減しなければならないことになります。そこでこの施設では、省エネのためにさまざまな施策を実施しています。現在では、熱回収、LED照明の使用、クリーンな冷却システム、熱電併給が標準的な施策として導入されています。二重ガラスも三重ガラスに交換することで断熱性を高め、CO2排出量の削減に貢献しています。2012年からは再生可能電力の購入を始め、2021年には太陽光発電システムを導入しました。そしてさらにCO2排出量を削減するため、現在はバイオマス発電施設を建設中です。この施設は2024年までには稼働を開始する予定です。

Takeda flag next to Japan flag

大阪工場は電力使用量の見える化で意識改革を目指す


大阪の十三にある大阪工場はデジタルダッシュボードを開発し、「電力使用量を伝える」という意味で「Denske」と名づけました。これはBusiness Excellence and Engineering Utilityチームが開発したもので、従業員なら誰でも閲覧できます。ここには各棟の電力使用量とそれに伴う温室効果ガスの排出量が表示されます。これにより従業員は、自身の行動による環境へのインパクトを視覚的に理解でき、結果的に省エネ行動が促されることになるのです。

Takeda building

シンガポール工場はタケダ初のポジティブエネルギービル


タケダでは、設備投資プロジェクトに対し、環境面で持続可能な方法で取り組むことを重視しています。2022年にシンガポールの拠点に開設した新しい製造支援施設は、ポジティブエネルギーを実現したタケダ初の施設であり、シンガポールの「PLATINUM POSITIVE ENERGY」認証を受けています。この認証は、GM NRB:2015(新規非住居用施設を対象としたグリーンマーク)に基づいて、シンガポールの建築建設庁から発行されるものです。この施設は総合的に設計され、熱取得率の低いファサードも使用されています。二重ガラスの窓枠にはポリエチレンテレフタレート(PET)でコーティングされたフィルムが貼られています。PETは、自然光を通しながらも赤外線と紫外線は遮断する熱可塑性のポリマーであるため、太陽光による明るさを維持しつつ熱さを軽減し、快適な環境をつくることができるのです。また、屋内の気候は、屋外の天候を考慮する「気候のインターネット」など、ハイブリッドタイプの空調システムや気候の機械学習アルゴリズムを使用して管理されています。これは、エネルギー供給システムの最後の部分でエネルギー需要を減らそうとする重要な取り組みの一つです。その他にも、1600平方メートルにわたり太陽光発電パネルが設置されています。

Biolife center

BioLifeのオール電化血漿収集センター


2021年以降に開設したBioLife血漿収集センターはすべて、オール電化で運営されています。タケダは2022年に、BioLifeを含めた米国での全オペレーションを対象としてバーチャル電力購入契約を締結したため、これらの新規開設センターではそのメリットを得ることができるのです。

Person in lab

建設の新しい基準となる


米国マサチューセッツ州ケンブリッジの500 Kendall Streetにある12階建ての建物のリノベーションを計画・設計する際、タケダは環境サステナビリティの実現に重点を置きました。2021年に再オープンしたこの建物では、水効率の良い給排水設備などの新しい機能を採用し、地元で伐採された木材などの天然資源も活用しています。ケンブリッジ市の環境要件もすべてクリアしています。また、温室効果ガスの排出量削減を促進するため、人感センサーと日中の減光に加え、エネルギー効率の高いLED照明を採用しました。暖房と冷房には、近隣の熱電併給プラントからの「グリーンスチーム」を使用しています。このスチームは主に、天然ガスタービンによる発電時に発生する廃熱から生成されているため、従来のようにボイラーを使用したときよりも温室効果ガスの排出量が格段に少なくなるのです。

冷水は、吸収式冷凍機からその場で作られます。この技術は、熱電併給プラントなど、十分な熱源が近くにある場合のみ利用できるものです。屋根には太陽光発電パネルが取り付けられているため、必要な電力の一部をまかなうことができます。さらに、建物に人がいないときには省エネモードに自動で切り替わる「ナイトセットバック」も設計に取り入れられています。建物の利用状況によって外気量を調整する、需要制御空調システムも備わっています。こうした設備は、コラボレーションを促進し、作業スペースの柔軟性を高め、屋内スペースに自然光を入れてサステナビリティと健全な職場環境をさらに向上させるためのオープンオフィスプランを後押ししてくれます。

Takeda building

米国レキシントンのプロジェクトによる新たな建設基準


タケダは2021年、米国マサチューセッツ州レキシントンの敷地内に、細胞医薬品の製造施設を開設しました。3万8000平方フィートに及ぶこの建物では、太陽光パネル、熱回収ポンプ、電気ボイラー、省エネ設備を採用したため、化石燃料燃焼装置を設置する必要がありませんでした。さらに、ユーティリティマスタープランを策定し、2035年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成するための基準としています。

Truck on road

物流改革でCO2排出量を削減


タケダでは、物流に伴うCO2排出量を削減するため、欧州各地を結ぶ配送センターネットワーク上の物流フローを簡素化しました。配送センターの数は、53カ所から31カ所にまで減らしました。これは住宅3,131軒分の年間電力量の削減に相当します。また、トラックの積載率を60%から85%にまで増やし、トラック250台分の需要削減につなげました。こうした努力により、温室効果ガスの排出量を10%以上(2万トン)削減できました。これは、風力タービン5.4基分の年間電力量に相当します。

さらに、海上輸送の対航空機輸送比率を47.5%にまで改善しました。これにより、2022年には4万2000トン分の温室効果ガスの排出を回避することができました。