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世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)、デング熱の疾病負担と感染率の高い地域の6歳から16歳を対象としてタケダのデング熱ワクチンを推奨

世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)、デング熱の疾病負担と感染率の高い地域の6歳から16歳を対象としてタケダのデング熱ワクチンを推奨


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October 4, 2023
  • 28,000例を超える被験者が参加した19件の第1、2、3相試験データを専門家がレビュー

  • 今後数ヵ月以内に、WHOはSAGEの推奨を踏まえ、公的予防接種プログラムにおけるQDENGAの使用に関する最終的なガイダンスを発表

  • デング熱は、流行国の居住者や渡航者にとり、重大かつ増大する公衆衛生上の危機

当社は、このたび、世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)が、QDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)(開発コード:TAK-003、以下「QDENGA」)の使用に関する推奨Go to https://www.who.int/news/item/02-10-2023-who-recommends-r21-matrix-m-vaccine-for-malaria-prevention-in-updated-advice-on-immunizationを発表しましたので、お知らせします。今後数ヵ月以内に、WHOは、SAGEの推奨を踏まえ、公的予防接種プログラムにおけるQDENGAの使用に関する最終的なガイダンスを含むデング熱ワクチンに関するポジションペーパーを更新します。

SAGEは、以下の推奨を発表しました。

  • 本ワクチンは、公衆衛生上のインパクトを最大化し、血清反応陰性者における潜在的リスクを最小限に抑えるため、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域での導入を検討すること。

  • 6歳から16歳の小児を対象とする。この年齢範囲で、デング熱による入院の発生率がピークに達する年齢の約1-2年前にワクチンを導入すること。2回接種とし、接種間隔は3ヵ月とすること。

  • 本ワクチンは、よく検討された適切なコミュニケーションおよびコミュニティとの連携と併せて導入すること。

デング熱は、世界的に最も多い蚊媒介ウイルス性疾患の1つです1。世界100カ国以上で流行しており、毎年3億9000万人が感染していると推定されています2。多くのデング熱感染症は、無症候性又は軽度の症状しか引き起こしませんが、ときに重症化し、死に至ることもあります2。デング熱は、ラテンアメリカ、カリブ海地域、東南アジアから帰国する旅行者の発熱の主な原因でもあります3

当社のグローバル ワクチン ビジネス ユニットのプレジデントであるGary Dubinは、「デング熱は、罹患率が上昇し続けており、その世界的な影響を看過できなくなっています。今週、WHOのSAGEは、デング熱の予防におけるQDENGAの使用に関する重要な推奨を発表しました。私たちはSAGEのフィードバックを喜ばしく思い、今後数ヵ月以内にWHOから最終的な見解が発表されることを期待しています」と述べています 。

SAGEは、第2世代デング熱ワクチンに関するWHOのガイダンスに従ってデザインされた臨床第3相TIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT02747927?tab=table試験を含む、28,000人を超える小児および成人を対象とした19件にわたる第1、2、3相試験のデータをレビューしました。主要なTIDES試験では、主要評価項目Go to https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1903869である本ワクチン2回目接種後12ヵ月の追跡調査期間におけるウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的なワクチン有効性(VE)が80.2%で達成され4、また評価に十分なデング熱症例数を有するすべての副次評価項目Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30414-1/fulltextについても達成されました5。VCDによる入院に対するVEは90.4%でした5。また、ワクチン接種後4.5年(2回目接種後54ヵ月)までの長期探索的解析結果から、QDENGAが全般的な予防効果を維持し、VCDに対するVEは61.2 %、VCDによる入院に対するVEは84.1%でした6。VEの観察結果は、血清型によって異なり、過去に報告された結果と一致していました。QDENGAの忍容性は概ね良好であり、TIDES試験ではこれまでに重要な安全性リスクは特定されていません。

QDENGAは現在、欧州、インドネシアおよびブラジルの民間市場で小児および成人向けに販売されており、間もなくアルゼンチン及びタイでも販売される予定です。

QDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)について

当社の4価デング熱ワクチンQDENGA®(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています7

臨床第3相TIDES試験(DEN-301試験)について

二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル臨床第3相試験であるTIDES試験は、小児・若年層被験者を対象とし、4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています9。被験者を2:1の割合で無作為に割り付け、 TAK-003 0.5 mL又はプラセボを0ヵ月時及び3ヵ月時に2回皮下投与しました9。本治験は5つのパートで構成されており、パート1である主要評価項目の解析では、TAK-003の2回目接種後12ヵ月までのワクチン有効性(VE)および安全性を評価しました9。パート2では、さらに追跡調査を6ヵ月間追加し、副次評価項目であるデング熱による入院に対するVE、デングウイルスの血清型別VE、被験者のワクチン接種前血清状態別VEおよび症状の重症度別VEについての評価を行いました9。パート3では、WHOのガイダンスに従ってさらに2年半から3年にわたって被験者を追跡調査することにより、ワクチンの有効性と長期的な安全性を評価しました10。パート4では追加接種後13ヵ月間の有効性および安全性を評価し、パート5では、パート4完了後1年間の長期的な有効性および安全性を評価します9

本試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)にて実施されており、これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となっています11。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取しており、接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能です。当社および専門家で構成される独立データモニタリング委員会は積極的な安全性のモニタリングを継続して行っています。

デング熱について

デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、WHOは、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げています2,12。デング熱は主にネッタイシマカ、および比較的低い割合でヒトスジシマカによって媒介され2、4 種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります13。個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます14。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続きますが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります2,15

武田薬品のワクチンに対する取り組みについて

ワクチンは、毎年350万~500万人の生命を救い、世界の公衆衛生に劇的な変化をもたらしまし16。武田薬品は、約70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、新型コロナウイルス感染症、パンデミックインフルエンザ、ジカウイルス感染症など、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。武田薬品はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。詳細については、https://www.takeda.com/jp/science/areas-of-focus/vaccines/をご覧ください。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。

<重要な注意事項>中の最後の一文は製品関連のプレスリリースのみ記載

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上
  1. Bhatt, S., Gething, P., Brady, O. et al. The global distribution and burden of dengue. Nature 496, 504–507 (2013). https://doi.org/10.1038/nature12060Go to https://doi.org/10.1038/nature12060.

  2. World Health Organization. Dengue and Severe DengueGo to https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/dengue-and-severe-dengue#:~:text=The%20threat%20of%20a%20possible,in%203%20other%20European%20countries.. Published March 17, 2023.

  3. Halstead S, Wilder-Smith A. Severe dengue in travelers: pathogenesis, risk and clinical managementGo to https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31423536/. J Travel Med. 2019;26(7).

  4. Biswal S, et al. Efficacy of a tetravalent dengue vaccine in healthy children and adolescents. N Engl J Med. 2019; 2019;381:2009-2019.

  5. Biswal S, et al. Efficacy of a tetravalent dengue vaccine in healthy children aged 4-16 years: a randomized, placebo controlled, phase 3 trial. Lancet. 2020. 2020;395:1423-1433.

  6. Tricou, V. Efficacy and Safety of Takeda’s Tetravalent Dengue Vaccine Candidate (TAK-003) After 4.5 Years of Follow-Up. Presented at the 8th Northern European Conference of Travel Medicine; June 2022.

  7. Huang CY-H, et al. Genetic and phenotypic characterization of manufacturing seeds for tetravalent dengue vaccine (DENVax). PLoS Negl Trop Dis. 2013;7:e2243.

  8. Takeda. QDENGA Summary of Product CharacteristicsGo to https://takeda.info/3P5Pu8t. Retrieved October 2023.

  9. ClinicalTrials.Gov. Efficacy, Safety and Immunogenicity of Takeda’s Tetravalent Dengue Vaccine (TDV) in Healthy Children (TIDES)Go to https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02747927. Retrieved July 2023.

  10. World Health Organization (WHO) Technical Report Series No. 979, 2013 Annex 2. Guidelines on the quality, safety and efficacy of dengue tetravalent vaccines (live, attenuated). https://cdn.who.int/media/docs/default-source/biologicals/vaccine-standardization/dengue/trs-979-annex-2-dengue.pdf?sfvrsn=bd659777_2&download=trueGo to https://cdn.who.int/media/docs/default-source/biologicals/vaccine-standardization/dengue/trs-979-annex-2-dengue.pdf?sfvrsn=bd659777_2&download=true.

  11. Murray, et al. Epidemiology of dengue: past, present and future prospects. Clin Epidemiol. 2013 Aug 20;5:299-309. doi: 10.2147/CLEP.S34440.

  12. World Health Organization (WHO). Ten threats to global health in 2019Go to https://www.who.int/news-room/spotlight/ten-threats-to-global-health-in-2019. Retrieved July 2023.

  13. CDC. About Dengue: What You Need to Know.Go to https://www.cdc.gov/dengue/about/index.html Published April 13, 2023.

  14. Guzman MG, et al. Dengue: a continuing global threat. Nature Reviews Microbiology. 2010;8:S7-S16.

  15. Reich, et al. Interactions between serotypes of dengue highlight epidemiological impact of cross-immunity. J R Soc Interface 10: 20130414. http://dx.doi.org/10.1098/rsif.2013.0414Go to http://dx.doi.org/10.1098/rsif.2013.0414.

  16. World Health Organization. Vaccines and immunizationGo to https://www.who.int/health-topics/vaccines-and-immunization#tab=tab_1. October 2022. Retrieved July 2023.