アクセシビリティ機能を有効化 アクセシビリティ機能を有効化

武田薬品とニューヨーク科学アカデミーによる"2022 Innovators in Science Award" の受賞者発表について

2022年4月5日

- 2022年は、消化器領域における傑出した研究が受賞
- 受賞者の発見により、腸内細菌叢の力が明らかに
- 受賞者には使途の制限のない賞金20万ドルを授与

大阪およびマサチューセッツ州ケンブリッジ、2022年4月5日  –  武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とニューヨーク科学アカデミー(The New York Academy of Sciences、本部:米国ニューヨーク州ニューヨーク、以下「NYAS」)は、このたび、今年で4回目となる学術賞 “Innovators in Science Award” の受賞者を発表しましたのでお知らせします。今回は、消化器領域分野に大きな前進をもたらした革新的で優れた研究に対して本アワードが贈られます。受賞者にはそれぞれ使途の制限がない賞金20万米ドルが授与されます。

 

2022年のSenior Scientist Awardは、エジソンファミリー・ゲノムサイエンス・システム生物学センター(Edison Family Center for Genome Sciences and Systems Biology) のディレクターであり、ワシントン大学セントルイス校医学部のロバート・J・グレイサー記念栄誉教授であるJeffrey Gordon博士に贈られます。Gordon博士は、「腸内細菌研究の父」として広く知られ、博士課程の学生や博士研究員の研究メンターとして140人以上を指導してきました。博士の指導を受けた研究者らは、次世代リーダーとして活躍しています。Gordon博士の先駆的な学際的研究より、ヒト腸内細菌叢が生理機能と代謝に及ぼす著しい影響が明らかにされてきました。Gordon博士が行われた前臨床試験からは、ヒト腸内細菌叢の形成と機能、ならびに栄養障害をはじめとする病的状態との因果関係に関してきわめて重要な知見が得られています。博士のグループは、栄養障害の患児の腸内細菌叢を改善して発育を促すための治療食を開発されました。

 

Gordon博士は「今回の受賞は、腸内細菌研究がもたらす興奮と期待が高く評価され、腸が私たちの健康に及ぼす影響のしくみについて理解すべく、私と共に研究を進めてきた才能にあふれた学生、職員や共同研究者の努力が認められたものと理解しています」と述べています。

 

2022年のEarly-Career Scientist Awardは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の生物学De Logi准教授のElaine Hsiao博士に贈られます。Hsiao博士は、腸内細菌叢が脳と行動に及ぼす影響について画期的な発見をされました。博士の研究で得られた知見は、自閉症やてんかんなどの神経疾患の原因と治療に関する従来の考え方を覆すものでした。博士が大きなインパクトをもたらした数々の研究のなかでも、特に母親の腸内細菌叢が胎児の脳の発達に及ぼす影響に関する研究は、神経発達疾患のリスクに腸内細菌が関与しているとの仮説の基礎となりました。Hsiao博士は、腸内でセロトニンを産生する内分泌細胞に対する細菌叢が影響を及ぼす機序について理解を進め、腸疾患や神経疾患の理解にもつながる研究を進めています。

 

Hsiao博士は、「このたびのInnovators in Science Awardの受賞は、若手研究者として大変光栄に思います。この研究領域の発展に役立つ人材として、新たな研究者を歓迎いただいているというシグナルであるとともに、腸、腸内細菌叢と脳との相互作用を解明するという目標を共有し、研究所でともに活動する、才能にあふれ、ひらめきをもたらす仲間とともに得た発見を評価いただいたものと受け止めています。今回の受賞により、今後も科学の導きに従い歩みを続け、生命のしくみをより深く理解していきたいという意欲を新たにすることができました。研究成果が人々のお役に立てるようになることを願っています」と述べています。

 

武田薬品のResearch & DevelopmentのプレジデントであるAndrew Plumpは、「Gordon 博士とHsiao博士が行ってこられた研究は、疾患病理における腸内細菌叢の役割を解明し、その理解を消化器疾患や神経疾患をはじめとする様々な疾患の患者さんに対する意義ある介入法の創出につなげておられ、たいへん励まされる思いがします。武田薬品は、科学の探究に向けた活動や、人々の生活を劇的な改善に向けて可能性の枠を広げ続ける人々を高く評価する企業として、 Innovators in Science Awardを支援しています」と述べています。

 

NYASのプレジデント兼 CEOであるNicholas Dirks博士は、「私たちは武田薬品とともに、世界各地の科学者らの不断の努力を応援することができ、嬉しく思います。2022 Innovators in Science Awardの受賞者は、いずれも腸内細菌の働きを明らかにする画期的な医学研究を進め、消化器系疾患やその他の疾患の患者さんにイノベーションをお届けできる可能性を示しています」と述べています。

 

2022年度の受賞者は、2022年10月13~14日にボストンで開催される Innovators in Science Award授賞式/シンポジウムで表彰される予定です。本イベントに関する詳細と、バーチャル形式の2022 Innovators in Science Awardシンポジウムへの登録方法については、こちらをご覧ください。https://www.nyas.org/awards/innovators-in-science-award/

 

Innovators in Science Awardについて

“Innovators in Science Award”では、毎年二件の研究が表彰され、一件は若手研究者、もう一件は一流の上級研究者を対象に、その際立った独創性や研究のインパクトを讃えます。また、表彰者にはそれぞれ使途の制限のない賞金20万米ドルが与えられます。 本アワードの対象は、優れた科学上の実績を有する世界中の大学、学術機関、政府、非営利機関およびこれらと同等の機関からのノミネートに限られ、神経科学、消化器病学、希少疾患、腫瘍学、再生医療の5つのうちの1つの対象領域における最も有望な若手研究者および最も卓越した上級研究者から表彰者が選ばれます。 2022年は消化器病学を対象としました。来年は腫瘍学を対象とします。最終選考対象者および受賞者は、NYASが本アワードから独立して選任した専門家で構成される選考委員会によって選出されます。 NYASは武田薬品と連携して本アワードを運営しています。

 

武田薬品工業株式会社について

武田薬品工業株式会社は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。 研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝性・血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。 武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。 武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。 詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。

 

The New York Academy of Sciencesについて

The New York Academy of Sciencesは、1817年以来、社会のために科学の発展を支えてきた独立非営利組織です。本アカデミーは100カ国に2万人以上の会員を有し、科学技術に関する知識向上をはかり、科学に基づくソリューションで世界的な課題に取り組み、科学・技術・工学・数学(STEM)ならびにSTEM関連領域で全レベルでの幅広い教育プログラムを支援しています。本アカデミーは、生命・物理科学、社会科学、栄養学、人工知能、コンピューターサイエンスや持続可能性に関するプログラムや出版物をお届けしています。また本アカデミーは、キャリアの様々な段階にいる研究者に向けて、専門的なリソースや教育リソースを提供しています。詳細についてはwww.nyas.orgをご覧ください。