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移植後の難治性/抵抗性サイトメガロウイルス(CMV)感染患者を対象とした治療薬TAK-620(一般名:maribavir)の臨床第3相試験での主要評価項目達成について

移植後の難治性/抵抗性サイトメガロウイルス(CMV)感染患者を対象とした治療薬TAK-620(一般名:maribavir)の臨床第3相試験での主要評価項目達成について


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December 7, 2020

- 主要評価項目は、投与8週終了時に確認されたサイトメガロウイルス(CMV)血症の消失を達成した患者の割合として定義

当社は、このたび、移植後の難治性/抵抗性サイトメガロウイルス(CMV)感染治療薬TAK-620(一般名:maribavir)の有効性および安全性を評価する臨床第3相試験の結果が得られましたのでお知らせします。TAK-620-303(SOLSTICE)試験(NCT02931539)は、既存の抗ウイルス療法(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビルのいずれか1剤またはその併用)に難治性または抵抗性のCMV感染に罹患する移植後の患者を対象に、maribavirまたは治験責任医師が認めた治療法(IAT)のいずれかを8週間投与して比較する多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照試験です。

SOLSTICE試験では、IATとの比較において、投与8週終了時に、CMV血症が消失した患者の割合、と定義される主要評価項目を達成しました。また、投与8週終了時に達成し、さらに投与16週まで維持されたCMV血症の消失および症状コントロールと定義される主な副次的評価項目も達成しました。新たな安全性シグナルは確認されず、maribavirはIATと比較して好中球減少症の発生率の低さと関連していました。当社は、今後の学会でSOLSTICE試験のデータを発表する予定です。

当社のVice PresidentでありMaribavir Global Program LeaderであるObi Umehは、「SOLSTICE試験で主要評価項目を達成したことは、移植後の難治性/抵抗性のCMV感染患者の治療法を検討する上で大変嬉しい結果です。現在、既存の治療法に反応しない、あるいは有害事象が発現した移植患者では、移植の失敗や死亡などを含めウイルスによる合併症のリスクがより高いと考えられています。maribavirは、治療制限毒性を減らしてウイルスを除去するのを助けることで、移植後のCMV感染の管理を再定義する可能性を秘めています。現在、当社はmaribavirを患者さんにお届けするため、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁などの世界の保健当局と、これらのデータについて話し合うことを待ち望んでいます」と述べています。

<maribavirについて>
maribavirは経口投与可能な抗CMV化合物であり、現在、固形臓器移植(SOT)または造血幹細胞移植(HSCT)の両移植後のCMV感染患者の治療薬として臨床第3相試験が実施されている唯一の抗ウイルス剤です。maribavirは、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)やその他の規制当局によって承認されていない開発中の治療薬です。

maribavirは、欧州委員会から、細胞性免疫障害を有する患者のCMV感染症の治療薬として、また米国食品医薬品局(FDA)から、臨床的に重篤なCMV血症およびCMV感染症リスクの高い患者の治療薬として希少疾病用医薬品指定を受けています。希少かつ生命にかかわる疾患の治療または予防を目的とした特定の治験薬は、希少疾病用医薬品として指定を受けます。FDAは、CMV感染およびCMV感染症を有し、既存の治療に抵抗性を有するまたは難治性の移植患者への治療薬として、maribavirのBreakthrough Therapy指定を行っています。Breakthrough Therapy指定により、重篤な疾患に対して既存の治療法よりも大幅な改善を示す可能性のある臨床データを有する治験薬の開発ならびに評価が推進されます。この指定は、FDAやEMAの移植患者におけるCMV感染治療薬としてmaribavirを承認することを保証するものではなく、承認時期は未定です。

<maribavirの臨床第2相試験について>
1つ以上の既存の抗CMV薬(バルガンシクロビル、ガンシクロビル、またはホスカルネット)に難治性または抵抗性のCMV感染を有する造血幹細胞移植(HSCT)および固形臓器移植(SOT)の移植患者を対象とした臨床第2相試験において、最もよくみられた有害事象は金属味または苦味と表現される味覚異常であり、続いて、悪心、嘔吐、下痢でした。好中球減少症は11%、腎機能障害は16%と報告されました。


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<留意事項>
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本資料(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。
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<将来に関する見通し情報>
本プレスリリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「可能性がある(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。将来見通し情報は、多くの重要な要素に関する仮定に基づいており、実際の結果が将来見通し情報に明示又は暗示されたものと大きく異なることがあり得ます。重要な要素には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功又は失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念等、当社、当社が事業を展開している国の政府を含む当社の顧客及びサプライヤー又は当社事業の他の側面に対する、新型コロナウイルスのパンデミックのような公衆衛生上のクライシスの影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、その他米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び他の報告書に記載された事項(https://www.takeda.com/jp/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能です。)が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果及び公表情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

以上